2020年12月30日(水) 天気 くもり のち 雨(雪)

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年末。
今日が2020年の乗り納め。
今年最後のパートナーは鹿毛子だった。

鹿毛子は前回のレッスンで男子大学生が乗っていたのだけれど,何度か激しい拒否をしていたので,かすかに心配が頭をかすめる。

自分で出してきて馬装をする。
前回も今回も,全部自分で行う。
頭絡も装着できた。鹿毛子はいい子。

前回は部班レッスンだったけれど,今日は1人だった。
馬装の際に近くを通りかかった会員のお姉さんが,「今日乗り納めだから障害跳んでおいたほうがいいよ」と言っていた。乗り納めはジャンプしたほうがいいのかな。
前肢にプロテクターを装着する。

インドアに連れていって騎乗する。
腹帯が怖くなるくらい緩くて(地上で締めても,乗ると何故かもっと締められるようになる),締め直し,鐙も長かったので調整する。
全部馬上で,1人で。

指導員さんがまだ来ないので,1人で準備運動を始める。
鹿毛子を常歩で蹄跡行進させ,その後軽速歩で2周くらい。半巻きして手前を変えてもう2周。
その頃になって指導員さんが馬場にやってきた。


乗馬を習い始めた頃,「1人で馬に乗れるようになる」ことが目標だった。

馬房から出してきて,馬装をして,馬に乗って,諸々調整して,準備運動まで完了することができるようになったら,もう「1人で乗れるようになった」と言ってもいいかな。もちろん馬から降りた後も,馬装を解いてお手入れをして馬具を片付けることもできるようになった。


特に指導員さんの指示はなかったのだけれど,いつもフラットワークで駈歩までやるので,駈歩発進。鹿毛子は軽いのですぐ走る。2周くらい頑張って続けて,手前を変えてまた駈歩。蹄跡に地上横木がある箇所があったのだけれど,そこを通る際に踏み切りが合わないと駈歩を止めてしまうので注意が必要だった。

指導員さんが「じゃあ準備はできたみたいなので,(障害の)練習に入りましょうか」と,やっとここから入ってきた。

すごい! 前半全部自分1人でやった気分!

低いクロスバー障害が作られたので,右手前の軽速歩で馬場を回って向かう。
案の定,鹿毛子はクロスバーを跨いで通過した。
通過後に手前を変えて,反対方向から入っても跨いだ。

跳・ば・な・い\(^o^)/

クロスバーの先に垂直障害が追加されても(バウンスなので40~50㎝の低い障害),やっぱり跨いで通過した。手前を変えても同じ。

障害が3つになったところで,「跳ばないと届かなくなっちゃうからね」と馬に語りかける。
軽速歩で向かって,やっとここから鹿毛子はジャンプを始めた。
よしよし,いい子♪
逆から入っても同じようにジャンプした。

障害はもう一つ追加され,4つのバウンスになった。
ここまで何だかんだで嫌がらすにやっていたので,何となく行けそうな気がしてそのまま4つのバウンスに向かう。
無事にジャンプ。逆からも行けた。
ただ,指導員さんは不穏なものを感じていたらしく,「今日はバウンスの先のオクサーは作らないことにします」と言っていた。

さて,もう一度やってみようというところで,鹿毛子はバウンスの直前で今日初の急停止をした。


小夏 「!」


なんで!? さっきは跳んでたのに!

指導員さんは,「手綱を強く持って脚で押してください」と言っていた。

再度挑戦。軽速歩で向かう。
どうにか跳ぶ! よし!
4つのバウンスもクリア。

逆方向からも4つのバウンスを跳ぶ。
指導員さんが障害の入り口で横に立ち逃げ道を塞いだためか,鹿毛子はこれもクリアした。

よしよし。さっきのは気のせいかな。

今日は4つのバウンスの先のオクサーは追加しないので,そのまま馬場を回って中央にあるクロスバーを跳ぶことになった。


指導員さん 「これができたら終わりにしましょう」


鹿毛子聞いた? できたら終わりだって。早く終わらせたかったら跳ぼうね?

ところが,最初のバウンスの直前で,またもや鹿毛子は障害を跳ばなかった。
しかも今回は急ブレーキをかけた上,横に逃げたので,わたしは前に放り出されて馬の首にしがみつくことになった。鹿毛子は止まらず走り続けていたので,「ホー」と声をかけてなだめ,どうにか止まらせる。止まったところで身体を起こし(馬の首の下側のお肉つかんで身体起こしちゃったよ),後ろに下がって鞍に戻る。

うーん……!
どうした!?
前は跳んでたじゃない?

鹿毛子は先日のクラブの競技会で地元の高校生に急遽貸し出されたのだけれど,その際に何度も何度も障害を跳べない事態が発生して,それから自信を失って跳ぶのを拒否することが多くなってしまったのだと,指導員さんは話していた。
その競技の様子はわたしも見ていたけれど……(´・ω・`;)


自信をなくした女の子。


「跳ぶの恐いな」「できないかも」

ああ,気持ち,わかるなぁ……。(´Д⊂)
跳ばない馬を,責める気にはなれなかった。
だってわかるもの,その気持ち。

馬だって恐いんだとわかったら,落馬しかけたことが不思議とそんなに恐く感じられなかった。

馬場の中央には低いクロスバー障害があった。
わたしは指導員さんに告げて,その単発のクロスバーだけを1回跳ばせることにした。

ほら,低いよ。大丈夫でしょ?
単発のクロスバー障害は,問題なく跳んでくれた(というか,速歩で跨いだ)。
嫌がっている感じはなかった。

さあ,気持ちを取り直して,もう一度挑戦だ。

馬場を半周軽速歩で回って,4つのバウンスへ。
鹿毛子はまた横に逃げた。
今度は放り出されたりしなかったけれど,その逃げ方に若干の余裕を感じたわたしは,やや強気な気持ちが湧き上がってきた。


小夏 「鹿毛子! 跳ばないと終わらないからね!?(`・ω・´)」


もう1回!

何度も! 何度でも! やってやる!

鹿毛子をまたバウンスに向かわせる。
右に逃げるので,左の手綱を強く持って,右脚で内側に押し込む。
障害直前,鹿毛子はまた拒否しようとしたが,右に逃げづらかったので停止した……が,そのまま脚を入れたらなんとジャンプした!

あ,跳んだ!Σ(=゚ω゚=;)

そしてそのまま,もう進むしかなくなった鹿毛子は,がったんがったんと4つのバウンスを通過した。
勢いがないので速歩のまま,このまま続けてしまおうと走らせて,カーブを描いて中央のクロスバー障害を跳ぶ。

よ,よくやった!
綺麗ではないけれど,一応完走だ!
多めに愛撫してあげる。
指導員さんも「褒めてあげてください」と言っていた。


指導員さん 「よくあそこから跳びましたね? 一度完全に止まりましたよね?」


指導員さんにびっくりされてしまった(^_^;)


指導員さん 「あれは小夏さんが跳ばせたんですね(*´∇`*)」


『跳ばせる』 なんてことが,できるようになったのだとしたら,それはちょっと嬉しいな。
コントロールの効かない生き物にただ乗っかっているだけというわけではないのだと思えたら,少しは自信になる。

鹿毛子,鹿毛子も跳べたね。
できない気がしてやりたくなかったことも,できたね。
もっと自信持っていいよ。

馬場をゆるゆるの常歩で数周させて,レッスンは終了。

急な動きをされても落ちなかったことは,わたしの中に小さな自信となって積み重ねられていった(それにしても最終日に落ちなくてよかった。笑)。
障害飛越をやっていれば,馬が急停止することも急な方向転換をして逃げることも,普通にあり得ることなのだ。だから,練習のときにたくさん経験して,可能な限り対処できるようになっておいたほうがいいのだろう。経験するのは恐いけれど,その経験がなければ対処できるものもできなくなってしまう。

乗馬をやっていると,時折この不思議な「馬と人のシンクロ現象」が起こる。
恐かったのも,頑張ったのも,どうにかできて少し自信を持てたのも,馬だったのか人だったのか。

人参とりんごをあげてお手入れをして,馬房に戻す。

今日はありがとう。
今年1年ありがとう。
また来年よろしくね。(*´ -`)(´- `*)


最終日だったので,家で大量に切ってきたりんごと人参を,クラブの厩舎にいる全ての馬に配り歩いて年末の挨拶をしてきた。
色んなお馬さんに,乗せてもらったな。
色んな人にも教えていただいた。
今年も1年,本当にありがとうございました。


いつも応援ありがとうございます♪

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