先にレッスンをしていたグループが時間になり退場したので,馬場はいつもと同じ「馬+先生+わたし」で占領する贅沢な空間となった。
うひゅー♪(o^∇^o)ノ 雨の日にインドア独り占めー♪
けれども,わたしの出来が悪過ぎて,引き続き調馬索運動。
広い空間がもったいない……(TДT)
馬を走らせながら綺麗な円が描けないのだ。
馬が内に入ってしまい円が小さくなってしまう。
あれ? でも,おかしいな。
わたし「巻き乗り」は毎回できてるんだけどな(´・ω・`)
「意識するとできるようになること」ってあるのだけれど,反対に「意識するとできなくなること」もある。
……あれ? わたし,これまで,どうやってた……?
(゚д゚;)
理論を頭に入れて,手足や身体全体にその通りにやろうと意識を持っていくのだけれど,なんだか……なんだか上手くいかない!(>_<)
映画『魔女の宅急便』で主人公のキキがスランプに陥ったときに呟いていた台詞を思い出す。
「私, 前は何も考えなくても飛べたの。でも, 今は分からなくなっちゃった」
映画『魔女の宅急便』より
これって,どういう状況?
途中で深呼吸をしつつ,軽速歩と駈歩で,何とか上手くいくように感覚に集中する。
わたしの場合,「意識を集中させる」と言うよりは,「感覚を研ぎ澄ませる」方向で尽力すると上手くいくことが多い。
「こうやるぞ!」って,意識するのではなく,馬に乗りつつ,思考を外れた部分で微調整していく感じ。
何周か繰り返していると,内方脚で馬を外に出して,一定の大きさで回れるようになってきた。
少し内に入ってしまったり,円がいびつになっていると,その部分の調馬索が弛むのでわかるのだ。
指導員さん 「そうそうそう!.。゚+.(・∀・)゚+.゚」
小夏 「……! .。゚+.(`・ω・´)゚+.゚」 ←ちょっとコツをつかんで嬉しい
指導員さん 「(外側に)出過ぎ 出過ぎ!Σ(´д`;)」
円を大きくすることに集中し過ぎて,調馬索を引っ張り始めたので注意を受ける。
指導員さん 「調馬索は終わりにしましょう(´∀`*)」
馬を止めると,同じ方向にばかり回っていたので,軽く目が回った。
調馬索やるなら,適度に手前変えないとダメね。
やっとのことで調馬索を離れ,駈歩で蹄跡を進む。
同じように内方姿勢を意識する。駈歩の発進は内方姿勢ができていないと反対手前になってしまったりするのだ。
左手前はスムーズにできる。
おお! 調馬索特訓の効果か!?.。゚+.(・∀・)゚+.゚ なんて思ったものの,その後に行った右手前がもう本当にできなくて……!
右手前が上手くいき左手前がダメだった先週とは逆。
違う馬だから,やりやすい方向も違うのかもしれないけれど,ここまでできないのはちょっとおかしいのではないかと,愕然とするほどできなかった。
もう「ダメ(出来が悪い)」なんてものじゃなくて,言葉通り「できない」のよ。
常歩,速歩までできても,駈歩ができない。
内方姿勢が,まずできなくてね。
わたしが内方姿勢を取れないというより,馬をその状態にできない。
いや……ちょっと待って。
わたし,このお馬さんでこんなに苦労したことないよ?
右手前も左手前も,駈歩できてたよ?
指導員さんに「駈歩」と言われているのに,蹄跡半周以上も常歩を続けていて,頭の中はパニック状態。
蹄跡を歩かせながら,「なんで」「待って」「どうして」「できない」と,そんな言葉がぐるぐる回っている。
強めに蹴る感じにして,一応駈歩が出たりするのだけれど,あまり続かずに速歩になってしまう。
あああぁぁもう!!
わたしの下手くそー!!!!・゚・(ノД`;)・゚・怒
先生方は優しいので,どんなに出来が悪くても「下手」なんて言わないのだけれど,この日は心の中で,自分で自分に「この下手くそぉ!(゚皿゚メ)」と叫んでしまった。
自分自身に対しても,そんなに使いたい言葉じゃないんだけどね。
これではダメだと悟り,指導員さんから「停止」の指示も出ていないのに,勝手に馬を止めて,姿勢を正し,深呼吸をする。指導員さんは見ているだけで,何も言わなかった。
ダメだ。
一度リセットしよう。
ゼロから始める気持ちで取り組もう。
そう,牛が一度胃に納めたものをもう一度咀嚼し直すように……!
まだ完全に消化できるような状態じゃなかったんだわ。
冷静さを取り戻し,感覚を研ぎ澄ませて再トライ。
結論から言えば,この日の右手前の駈歩は,少しマシにはなっても良い状態にはならなかった。
良い記憶で終わらせようとしてくれたのか,指導員さんに言われて左手前の駈歩で一周してレッスン終了。左手前はできるんだよな。おかしいな(´・ω・`)
乗り終わったお馬さんは,いつものように元気で無邪気な様子だった。
手入れをして,りんごをあげて,馬房に戻す。
わたし何だか,きみのこと,ちょっとわからなくなっちゃったみたい。
飛べなくなったキキが,呆然とした表情で,「ジジの言葉が分からなくなっちゃった」と呟いていたシーンを,何となく思い出した。
乗馬は不思議なもので、昨日まで簡単に出来ていたことが急に出来なくなることがありますよね。
ただ、これは後退や下手になったのではなく、技術が向上した証拠だと思います。
いわば、次のステージへ向かう新たな試練ではないでしょうか。