2018年9月29日(土) 天気 雨

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秋雨が降り続き,この日はちょっと肌寒かった。
今年の9月は雨や曇りが多かったな(´・ω・`)
前回までは半袖のポロシャツで通っていたけれど,今日は風邪をひきそうなので長袖を着ていく。

雨の中,車を走らせて乗馬クラブに到着。
その日乗る馬や指導者は,到着してみるまでわからないので,いつもクラブに向かいながら「今日は誰かな~♪」とわくわくしている。誕生日のプレゼントボックスを開けるときや,コインを入れてガチャガチャを回すときみたいに。

いつものあのお馬さんかな。
久しぶりのあのコかな。
それとも新しいお馬さんが来るのかな ♪(´- `*)

今日のパートナーは,おなじみのやんちゃな小柄馬と,メインで見てくださっている指導員さんだった。安定の組み合わせ。雨の日だって頑張るぞ!

お馬さんと引っ張り出してきて馬装。
肌寒い日が続いたせいか,お馬さんは早くも冬毛に変わり始め,もふもふになっていた。
手触りが……可愛い(*´ェ`*)
思わず顔を寄せ,頬にふわふわした毛を当ててみたりする。

馬装が終わったら自分の準備。
拍車にはまだ慣れないので,付け方から丁寧に教えていただいた。

「突起は(角度がある場合は)下向きに」
「ブーツに取り付けるときは少し広げながら付けると付けやすい」
「留め具は外側に」
などなど。

ほんの些細なことなのに,最初は教えてもらわなければ分からない。


教えてくれる人がいるっていうのは,幸せなことだなぁと思った。

時々,お金を払っているのだから「やってもらって当然」「教えてもらって当然」「このサービスを受けて当然」という人がいるのだけれど,わたしは,そうではないように思う。

「これをやりたい」と思ったときにできる環境があり,「これを知りたい」と思ったときに教えてくれる人がいる。そもそもの話,その環境がなく,そういった人物もいなければ,どんなにお金を持っていたとしても,その願いが叶えられることはなかったのだ。

だからわたしは,「客なんだから当然」とは思わないし,お金は感謝の気持ちとして差し出すものだと思っているし,上下関係はなく,対等な存在として礼を尽くすものだと思っている。


雨なので,屋根のある馬場に行き,騎乗。
お馬さんはいつものように気が乗らない様子。
このコは本当は,人を乗せるのがそんなに好きじゃない。わたしが下手だからというだけではなく,誰が相手であっても年がら年中こうなのだ。
軽い足取りで馬場に向かう馬もいるのに,これは本当に性格なのね。
能力はそこそこ高いから仕事はきっちりやるのだけれど,自ら人に寄ってきて「楽しいね~♪」みたいなことは決してしない。

「仕事だから仕方なくやるけど,サボれるんならいつでもサボります.。゚+.(`・ω・´)゚+.゚」

という意思が,すごく……感じられる(笑)。
まあでも,人間にもそんな人いっぱいいるしな(´∀`;)
こういうのはいちいち気に病んだりするだけ無駄なので,スルーしてOKだ!

常歩から始めて,「重いな~」と思いながら脚の位置を探る。
今日はブーツの下のほうに拍車を付けていたのだけれど,途中で指導員さんに止められ,少しだけ上に位置をずらしてもらった。
正しい拍車の位置,早く覚えたい!(>_<)

拍車の位置を調整して,馬体の脚を当てる位置を確認したら,「あ,拍車効いてるな」と分かることが多くなった。
つま先開いて,かかとを軽く押し上げると,確かに馬が反応して速くなる!.。゚+.(・∀・)゚+.゚
よぉし! これから加減を覚えてゆくぞ!

そして,今日はなんと,初めて長鞭というものを使った。
短い鞭は先が平べったい革のようになっているのだけれど,長い鞭は先が蛇の尻尾のように細く伸びている。

【短鞭】


【長鞭】



短鞭より,角度を横に,地面から水平にする感じで使用する。

短鞭は馬の肩に当てるのだけれど,長鞭はお尻に当てる。

これ,どっちの方が痛いのかしら?(´∀`;)

とりあえず,お馬さんは肩への鞭よりお尻への鞭のほうが嫌なので(短鞭でも本気で気合い入れるときはお尻に当てたりする),最初の駄々こねで軽く一度当てると,すんごい動きがよくなった。

今日はそれ以降鞭を使うことはなかったのだけれど,鞭は持って見せているだけでお馬さんの気が引き締まるようで,拍車の効果も相まって,終始動きがなめらかだった。

なにこのスムーズさ。

違う馬みたいだよ?(; ゚∀゚)
このお馬さんでこんな楽なことなかったような気がするよ?

蹄跡を軽速歩で進むときも,駈歩で進むときも,ちょっと速度が落ちそうなときに軽く脚を入れるとすぐに速度が戻るし,巻き乗りも半巻きもスイスイ進む。

三歩後退もどうにかできたし(でもやっぱり苦手(´∀`;)),停止から駈歩発進も楽々できた(後退させて首と身体がグッと内側に縮まった状態からだと駈歩がでやすいのだそうだ)。


長鞭と拍車で新たな境地。

嬉しい反面,恐怖によって支配しているようで,何となく可哀想な気がしないでもない。
でも,分かりにくい無駄な扶助をガツガツ出して人馬共に疲弊するよりは,多少恐怖感でピリッとさせておいて,必要最小限の扶助で動いてもらったほうが,お互いに負担は少ないのかもしれない。

「対人間」であれば,わたしは間違いなく前者の方法を選ぶだろう。
理解し合うことが難しくて,どんなに話し合っても答えが出なくて疲弊しても,そこから事態を打開する方法を探りながら生きていく。辛いことのように思えても,恐怖で支配されて思考を停止させられるよりずっといい。

でも,相手が馬の場合は?
人間と同じように考えていいものだろうか?
同じだと考えてはいけないものだろうか?
同じ生命だけれど,上下関係はある?
それとも,これがお互いにとって心地よい,あるべき姿?

鞭と拍車で動かすことに,かすかな罪悪感を覚えてしまうのは,わたしが人間だからなのだろうか。

【118鞍目へ続く】

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