2019年11月23日(土) 天気 雨

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今まで誰にも言ったことはなかったけれど,わたしは馬に乗りに行く前に,必ずお祈りをしている。


乗馬を始めたばかりの頃から,ずっと。
準備を整え,車に乗り込んだときに手を合わせ,


「無事に行って,無事に帰って来られますように。
今日のレッスンが安全で,実り多いものとなりますよう,どうかお力をお貸しくださいませ」


と,声に出して言う。
ここは真剣にやる。真剣にやらなければ意味がない。

特に何か宗教をやっているわけではないけれど,わたしは自分よりも大きな存在があるということは信じていて(それが「神様」なのか「運命」なのか,それとももっと他の言い方をする何かなのかはわからないけれど),それに対してはもう,祈ることしかできないのだと思っている。

個人の意思や努力が及ばない何かがきっとある。
そういうものに対して向き合う方法って,全身全霊で祈りを捧げる以外にないのではないかと,そんな気がするのだ。


今日は乗馬クラブに向かいながら,また別のことを全力で祈っていた。
次の3つのことを。深呼吸をしながら。


・動きがよく見えますように。
・やるべきことがわかりますように。
・身体が動きますように。



たった3つ。
でも今のわたしには,この3つが全てだ。

やるべきことや考えることが無限にあると,パニックに陥ってしまうので,シンプルに,多くても3つに絞る。

今現在と,ほんの数秒先に起こり得る未来の動きを見極めて,
この瞬間にやるべきことを知り,
やるべきことのために身体が問題なく動くように。

どれか一つが欠けてもダメなのだ。
ものすごい集中力が必要になると思う。
わたしはいつも,こんな気持ちで馬に乗っている。
緊張しているのとはちょっと違う。
全身の力を抜いて,どこから何が飛んできても対応できるように感覚を研ぎ澄ませる感じ。

かなり最初の頃に,指導員さんが 「馬に乗ってから降りるまで,気を抜いていい時間は一秒たりともありません」 と言っていたのは,きっとこういうことを指すのだなと,今になって思う。
「厳しいこと言うなぁ」と当時は思ったものだけれど,いや,もう,これ,心得だよ。安全を確保する上でも,技術の向上を図る上でも,馬に乗るというのはそういうことだ。


*・゜゚・*:.。..。.:*・゜


雨の日のレッスン。
休日だけれど,人は少なかった。

今日のパートナーは,ものすごく久しぶりの栗毛くんだった。
退院して以来,ちび馬くんにしか乗っていなかったので,ちょっとドキドキ。
調べたら,前回乗ったのは3月だったので,ざっと8ヶ月前!
うわ~,馬も絶対わたしのことなんて覚えてないよ。
わたしきみに乗ったことあるんだよ? はじめましてじゃないんだよ? なんて,心の中で話しかけながら馬装。

馬装を終え,エアバッグを着けていると,指導員さんに


「そんなの(エアバッグ)着けてるから,『落ちても大丈夫だ』って思って落ちちゃうんだよ(´・ω・`)」


と言われる。

うん,実はわたしもそう思って,ずっと使用するのをためらってた(´∀`;)

確かに,一理あると思う。
プロテクターを着けているが故の慢心。ないとは言い切れない。
こういうのは本人には自覚がなくても,無意識下で起こるから恐いのだ。

ただ,本人に失敗の自覚がないまま起こる事故が恐いわけで,そういうときって「落ちないようにする努力(or 安全に落ちる努力)」が間に合わなかったりするのだ。だって落ちるなんて思ってないんだもの。後から振り返って,「ああ,あれが原因だったか」っていうのはわかるのだけれど,素人はその原因にも気づかないことが多い。

指導員さんにああ言われたものの,エアバッグを着けて騎乗。
何故なら,エアバッグが高かったから。(´∀`;)
使わなかったらもったいないじゃない!(;/TДT)/

常歩。最初は探り探りだったけれど,脚でだいぶ動くようになることがわかった。
軽い扶助ですぐに速歩になったので,軽速歩。
蹄跡行進の初めの頃,手綱でのコントロールに何故か苦心する。
うーん……何か違うんだっけかなぁ,このお馬さん?
しばらくすると慣れて,行きたい所を通れるようになる。
そのまま巻き乗り。スムーズにきれいな円を描けて褒められる。


指導員さん 「やっぱり上手くなったなぁ…….。゚+.(・∀・)゚+.゚」

 \(*´∇`*)/ ♪

常歩から駈歩を発進して(「出づらいかも」と言われたけれどすぐに出た),蹄跡行進。
駈歩の乗り心地がいつものちび馬くんと全然違ってびっくり。
背中ガタガタするの。馬の上で跳ねてしまうので気を付ける。
え,この馬乗りやすかったような印象があるんだけど,違うの?
こんなんだったっけ?

身体の傾き加減を調整したりして,少しでも安定して乗れそうな方法を探る。
うーん……。駈歩がこんな感じだと,ジャンプしたらどうなるんだ?(´・ω・`;)

途中一度だけ速歩に落ちたものの,すぐに駈歩に戻し,あとは継続にも問題なかったので,障害の練習に入る。

いつも「心構えが完全にできる一歩前」くらいに練習が開始されるような気がするのだけれど,たぶん,これでいいのよね。「よし,完全に心構えができたぞ」なんてときは,もしかしたらどんなに練習しても来ないのかもしれない。何故なら,ためらいの主な原因は「恐怖心」だから。

最初は軽速歩で横木を通過。手前を変えて逆からも通過。
駈歩でも横木を通過。手前を変えて逆からも通過。
いずれも動きの中にきれいに横木を入れられるように意識して。
失敗したり上手くいったり。

横木がクロスに組まれて,ジャンプの練習。

……わたしは知っている。
いや,知っているというより,覚えている。
今日乗っているこのお馬さんは,「障害前で止まることがある」!

馬が障害の前で止まるのは普通のことなのかもしれないけれど,ここしばらくずっと乗っていたちび馬くんが「向ければほぼ必ず跳ぶ」という性質を持っていたため,妙に身構えてしまうのだ。

「跳んでね! お願いね!」 と祈りながら,軽速歩で向かってジャンプ。

ああできた! よかった!
直線上で馬を停止させて愛撫。
手前を変えて,また軽速歩でクロスに向かいジャンプ。
また馬を止めて愛撫。
「よしよし,それでいいんだよ。そうしてね」を,伝えずにはいられない。
だって,それを伝えて,理解してもらえないと,わたしが困る(>_<;)!

やがて,クロスの1歩先に低い垂直障害が追加された。
同じ要領でジャンプ。
よぉーし! よしよし,いいコ!( ;∀;)づ
逆の手前でもジャンプ。
よぉーし! よくできたー!( ;∀;)づ

ジャンプ後にやたらと愛撫していたら,指導員さんに 「愛撫するのはとてもいいことなんですが,ちゃんと出来たときだけにしましょうね」 と注意される。 「じゃないと馬がダラダラしちゃうので」って。
ジャンプ後にきれいに停止するところまでがワンセットだから,そこまできちんと出来てから愛撫してください,とのこと。
「伝える」って難しいわ(; ´_ゝ`)

障害は一つずつ追加されていき,軽速歩で入って駈歩で抜けるバウンスの練習を行う。

クロス → 垂直 → 垂直 → 垂直

1回1回が祈りの連続。

バウンスができたところで,なんとあの 常軌を逸した 手綱放しの練習がやってきた!

ままままま……マジか! (((( ;゚д゚)))


指導員さん 「前にやったことありますよね?(・∀・)」


あるけど!(; ̄Д ̄) あるけども!

指導員さんは4つの障害のうち,後ろ2つを外して,最初のクロスと垂直だけの状態にした。
そして手綱をたてがみの上でひとまとめに縛る(ちなみにこれ,手綱が長いままだと垂れ下がったときにどこかに引っかかったりして危ないから縛るのであって,ギチギチに短くする必要はないのだそうだ)。

こうなれば乗りかかった馬だ(もう乗ってるけど)。
どうかよい結果をお授けくださいと胸の内で祈る。

それでもチキンなので 「すみません,最初に一回手綱持ったまま跳びたいです(´∀`;)」 とお願いし,指導員さんは 「何ですか,跳べてたじゃないですか」 と笑いながらも了承してくださった。

縛った手綱を持ったまま障害に向かい,心の中では両手を放したつもりになってジャンプ。
うん,何となく出来そう.。゚+.(`・ω・´)゚+.゚

覚悟を決めて,同じように軽速歩で障害に向かい,障害前で両手を放す。


ジャンプ……せずに馬急停止!Σ(゚д゚;))))


両手を放していたにも関わらず,落ちなかった自分を褒めてあげたい。


停止の理由は主にボロでした。
あと,わたしが鞭を持っていたので,手を広げた際に鞭が見えたことに馬がびっくりしたのか何かの合図だと思ったのか,推測されるのはそれくらい。
鞭は指導員さんに預けて,再度トライ。


再び挑んだ自分を褒めてあげたい。


2度目に「跳んで!」と祈りながら向かい,何とか手綱放しのバウンスが成功。
まだ警戒心があるため,馬が跳んだとわかった瞬間に手を放しているので(本当は1~2歩前から両手をフリーにしておく),完璧ではないのかもしれないけれど,まあ今日のところはいいよ。
指導員さんも 「余裕ができたら跳ぶ前から放してね(^_^;)」 と,跳ぶまで放せない理由を理解した上で言ってくださった。

何度か繰り返し,障害の数が増やされ,最終的には手放しで

クロス → 垂直 → 垂直 → 垂直 → (2歩) → 垂直

のバウンスの練習を重ねることになった。
ほんのわずかではあるけれど,余裕がでてきて,姿勢や随伴を頭の片隅で意識し始める。
随伴は障害ごとに1回ずつきちんと行う。
視線は前,やや上くらいの意識で。

それにしても,4つバウンスやって,次の障害まで2歩あると,1歩多くあることの有難みがよくわかる。ここで何か色々立て直して新たな気持ちで次の障害に向かえる。

何度か続けて成功したところで,本日の手綱放しの練習は終了。
まだまだ課題だらけだけれど,焦らずに一歩一歩進んで行きたいと思う。

【194鞍目に続く】

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