2019年12月8日(日) 天気 晴れ

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 誠意 (せいい)

私利私欲やよこしまな考えを捨て,相手の立場をくみとって正直な態度で接する心。まごころ。

(出典 精選版 日本国語大辞典)



様子をみながら,運動を続ける。
ある程度スピードが出ているほうが,安定して乗っていられる。

指導員さんの言動や,馬の様子から,何となく,このお馬さんが元気に活躍できる期間は,もうそんなに長くないのではないかと感じ取る。


「働けなくなったらサヨナラなんて,可哀想」
「動けなくなるまで働かされるなんて,可哀想」


そんな声があることを知っている。
わたしだって,心のどこかに,そんな気持ちを持っている。
もっと極端な意見としては,人が馬に乗ることや何かに使うこと自体が可哀想だと言う人もいる。

でも,わたしは思うのだ。

この馬たちは,役割があってここにいる。
この仕事のプロとしてここにいる。

「可哀想」「〇〇してあげなきゃ」という気持ちのほかに,尊敬の気持ちがあってもいいのではないか。
憐みや,人間が他の動物のすべてをコントロールできていると思うことは,ある種の驕りで,礼を失した行為なのではないか。

わたしは,馬に対して敬意を持っていたいなぁと思う。
その存在に対する敬意。
働き通しで生涯を終えたのだとしても,「あなたは立派だった」と言ってあげたい。
そうでなければ,それまで一生懸命やってきてくれた馬に対して失礼だ。



ある程度フラットワークが済んだところで,蹄跡上に横木が出てきた。

こ,この状態で障害いけるのかな……? (゚∀゚;)

多少不安はあったものの,横木であればフラットワークと変わらないので,あまり気負わずに通過の練習をする。
何度か繰り返してから,クロスバー障害が組まれた。
指導員さんに「こいつは跳べなければ止まる」と,事前に宣告される。
ジャンプを試みるが拒止を覚悟せよ,と。

まずは軽速歩で向かう。
行けるか!?
様子見で向かったところ,お馬さんは跳んでくれた。ただし,少し遠いと自分で歩幅を詰めて一歩多く入れてから跳ぶので,ちょっと変な感じがする。

次に駈歩で。
これも様子見。
跳んだ!
飛越後に停止。
手前を変えて,今度は逆から障害に入る。

クロスバーの高さが上げられて,垂直障害になって……。

おじいちゃん馬,よく頑張ってくれるな!
こまめに愛撫を繰り返す。

指導員さんが,垂直障害の高さを2度ほど上げた。


小夏 「……それ高くないですか?!Σ( ̄□ ̄;)」

指導員さん 「そんなことないですよ(^_^)ニコニコ」


乗っているうちに気にならなくなってきたけれど,今日初めて乗ったガタガタのおじいちゃん馬で障害を跳んでいることにびっくりだ。


障害に向かいながら,いつものように,馬に「お願い!(>_<)」と思った。跳んでくれるように。
でも次の瞬間思い直した。


いや,「お願い」じゃない。
そうじゃない。
全てを馬に任せるわけじゃない。
わたしはわたしでやるべきことがある。それを放棄しちゃいけない。
上手くいかなかったのだとしても,最後の最後まで,やろうとしないと!


身体を気遣わなければならない馬なので,全面的に頼りきる気持ちになれなくて,何だかそんな気になった。

負担を減らしたい。
できるだけ楽に跳べるように。


お馬さんは跳んだ。

75cm


指導員さんは,

「すごくきれいに跳べてましたよ」

と言った。
その後も何度か75cmの障害と,ぐるっと回った先にある60~70cmの障害を続けて跳ぶ練習を繰り返した。お馬さんは1度も止まることなく,すべての障害を跳んでくれた。

前回の馬とは障害へのアプローチの方法がちょっと異なり,先に追って勢いをつけ,障害の3歩前くらいになったらもう追わずに馬に任せる感じにすると(ただし脚は付けておく),上手くいった。馬が障害に向かう気になっていたら(そんな気がするとしか言えないけれど),もう脚入れたりしなくていい。

そして指導員さんから奇跡のようなコメントが。


「今日全部合ってます」


信じられない(゜_゜;)

きれいにできたので,今日のレッスンは終了。

クールダウンのために手綱を伸ばし,ゆっくり馬場を歩かせる。

指導員さんは傍について歩きながら,おじいちゃん馬を見て,「こういう馬に乗るのも,勉強になりますから」 と,静かに言った。

馬から下りて,いつものように,馬装を解いて手入れをする。
お馬さんは,ブラッシングをしているわたしの服を軽く噛んで引っ張ったりして絡んできた。
左後肢を触ってみる。熱を持ったりはしていなかったけれど,やっぱり痛いのかなと,心配になる。
おやつに家から持参したりんごをあげると,喜んで食べていた。
その様子を,しばらく黙って見ていた。


とても,とても可愛いお馬さんだった。


どの馬に対してもそうだけれど,一緒にジャンプをしたことや,りんごを美味しそうに食べていた姿を,忘れたくないなぁと,帰る道々思った。


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