2020年4月11日(土) 天気 晴れ

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スタッフや他のお客さんとのお散歩で,乗っている馬の前進気勢を抑えられずに先頭に出てしまった小夏。

坂を上り切ると,古い厩舎と,左手に草だらけの運動場のようなものが現れた。
先導していたスタッフさんに 「左に進んでください」 と後方から声をかけられる。
学校の校庭のような大きな楕円形の場所で,昔,競走馬のトレーニングに使用されていた施設なのだそうだ。
若干廃墟感があるので,たぶん好きな人にはすごく好きな雰囲気の場所だと思う。

入り口近くに大きな桜の木があり, 「そこで止まってください」 と指示を受ける。
木の下で馬を止める。
桜はちょうど満開だった。
後から来た人馬が全員集まったところで,記念撮影。
満開の桜の木の下で,馬に乗ってみんなで写真を撮れるなんて幸せね ('▽'*)♪

撮影が終わったので,過去には競走馬が駈け抜けていたのであろう,かつてのコース沿いに馬を進める。一周800メートルあるとのこと。
わたしの乗っているおじいちゃん馬は,坂を上り切ってだいぶ落ち着いていたので(何で上り坂でやる気を見せていたのかは不明 笑),また隊列の前から5番目に並んで進む。春の散歩は楽しい(●´ω`●)♪

進みながら,コースの傍に,草に埋もれて錆びついたスタートゲートを発見する。

これ,競馬場にあるヤツじゃない!Σ(・ω・ノ)ノ
こんなに近くで見たの初めてだよ!

周囲には色んな種類の樹木が生い茂っている。
木々の合間から,少し下ったところにある小屋や,そこで鳴いている犬の姿が見えた。

はあああぁぁぁ.。゚+.(*'∀'*)゚+.゚

いつも練習している場所から,そこまで遠いわけでもないのに,これまで見たことのなかった風景に新鮮な感動を覚える。

子どもの頃は,学校の帰りに寄り道をするのが大好きだった(まっすぐ帰りなさいと言われていたけれど)。知っている道のすぐ傍なのに,通ったことのない道を通ると,見たことのない風景を見られるのが楽しくて。


みんなでワイワイしながら馬散歩をして,一周したので,コースの内側の,少し高くなっている中央の広場に向かう。周遊を終えた後にベテランの会員さんと指導員さんが駈歩で同じコースを回ってくることになり,わたしを含めた他の人馬は上の広場で遊んでいることになった。

広場の片隅にも,大きな桜の木があり,この桜も満開だった。
馬に乗って手を伸ばすと,枝に手が届くのが楽しくて(だって一人だと手を伸ばしても届かない!),手を伸ばし何度も桜の花に触れる。
今年は新型コロナウイルスの影響で,お花見はどこでも中止だったみたいだけれど,日本人は桜を見ると嬉しくなる。


日本古来の言葉で, 「」 という音には 「神様」 という意味があり, 「くら」 という音には 「座る場所」 という意味があるのだそうだ(人が馬に乗るために馬の背に乗せる道具を 「くら」 というのもそのためだ)。

桜は,「神様の座る木」なのだ。


桜の木のすぐ傍に,大きな馬頭観音の石碑があった。
馬を飼っている所であれば,近くにこの馬頭観音があることが多い。地域によっては馬力神となっているところもある。
人の傍で生き,亡くなった馬のための慰霊碑なのだ。
この世にやってきては去っていく馬たち。
生命とは何だろう。

広場で写真を撮り合ったり,好きに馬を歩かせたりする。
馬も休憩モードに入って草を食み始める。最初に何回か止めさせたけれど,そのまま好きに食べさせることにした。

丁度よい気温
満開の桜
笑いあう人たち
のんびりと草を食む馬たち……

え,平和ってこういうことを言うんじゃない!? と,唐突に思う。

外周を走ってきた会員さんと指導員さんたちが戻ってきて(集団で走ってくる音が聞こえるとちょっと興奮する馬がいるのは,競走馬時代の記憶か何かがよみがえったりしているのだろうか),全員が広場で合流。賑やかになる。

広場には設置されたままになっている障害がいくつかあって,指導員さんが馬を自由に走らせて跳ばせているのを見ていた。普通の障害だけではなくて,競馬の障害レースで使うような,草みたいな(?)障害もある。

その指導員さんに 「小夏さんも跳んでみて(・∀・)」 と言われてびっくり。

えええ……できるのか!?Σ(=゚ω゚=;)

そんなに高くない障害だけど,わたしこの馬ものすごい久し振りだし,前回乗ってたときなんて駈歩もできてなかったよ。
言われるままに,障害前で大きく輪乗りして駈歩発進。
ああ駈歩するわ,この馬!
脚で勢いをつけて障害に向かわせると,おじいちゃん馬は普通にジャンプした。

「わあ~いい子~(*´∇`*)♪」 と馬を止めて褒めまくる。

指導員さんは 「この馬は(障害に)向かわせれば跳ぶから」 と言っていた。
このお馬さんでジャンプしたのは初めて。
まさか今日こんな経験ができるなんて。

写真撮ったり桜を触ったり,馬を走らせたり跳ばせたり休ませたり,存分に楽しんでから帰路に着く。もと来た道を,再び隊列を組んで進んでいく人馬。
大人になってからの,馬と共に行く春の遠足。楽しかったなぁ(*´ω`*)


これから後,新型コロナウイルスの世界的な流行が止まらず,緊急事態宣言が全国に拡大されたため,クラブは臨時休業し,しばらくは馬に乗ることもできなくなってしまった。

今は辛抱かなと自粛生活を送りつつ,この最後に馬に乗ったときのことを時折思い出す。
次に乗れるのはいつだろう。早く事態が収まってくれるといい。

終わりの見えない未曾有の事態が続くけれど,日々の生活の中では,この時と同じように,小さな幸せを見つけて存分に味わっていきたい。
一分でも,一秒でも長く。一人でも,二人でも多く。
どうか,今,こんな時でも,確実に幸せだと思えることを,積み重ねていけますように。


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