2020年10月4日(日) 天気 くもり
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馬術競技会2日目ですヾ(=^▽^=)ノ
初めて60㎝のジャンプ競技に出場しました。

60㎝のジャンプの競技は,これまでずーっと出場を見送り続けていた競技です。
練習では何度も何度も60㎝のコースは走行していたけれど,なにしろチキンなので,

「まだ経験値足りないかな」
「外の広いコースあんまり走ったことないし」
「大事故が起こるかも」

と,ビクビクビクビクして「今回はいいや……」となっていました。

今年に入ってから,なんとなく「できるかも」という予感はしていたものの,今一歩踏ん切りがつかなかったんですよね。

以前,テレビで盲目の少女が水泳の跳び込みに挑戦するドキュメンタリー番組を見たことがあるのですが,少女は何度も跳び込もうとするもののできなくて,泣きながら自分の足を叩いて「何で動かないんだこの足!」と叫んでいました。水面も見えないので,跳び込んだ先が本当に水かどうかもわからない恐怖はすごいだろうなと,見ていて思ったものです。最終的に彼女は跳び込みに成功したのですが(すごい!),まあ,初めてのことに挑戦するって,目が見えていても,きっとこの感覚に近いのだと思います。

もうできる人や,傍から見ている人からすれば「大丈夫でしょ」「できるでしょ」「簡単でしょ」と思うようなことも,挑戦する本人からすれば 「跳び込んだ先がどうなっているのかわらかない」 。

なのでわたしは,どんなことであっても,何か新たなことに挑戦した人には敬意を表したいと思います。

なかには恐怖なんて微塵も感じずにあっさりと次のことに挑戦できる人もいるのかもしれませんが,わたしは怖がりで臆病なので,その一歩にどれだけの勇気とエネルギーが必要だったのかがわかるのです。


○●○●○●○●○○●○●○●○●○


前日に様子見としてクロスバージャンプの試合に出場した。
本当は初日から60㎝の試合に出てもよかったのだけれど,勇気が出ず,初日はクロスバージャンプにのみエントリー。

ちょ,調子がよかったら,明日,出ようかな……(´∀`;)

なんて,直前になっても二の足を踏んでいた。

それでも,クラブの方々から

「え,クロスバー? 60㎝に出場するんじゃないの?」
「もう60㎝出られるでしょ?」
「小夏さん調子いいから60㎝出るのかと思った」

というお声を散々いただいたのと,

わたしもよりもずっと幼くて乗り方もおぼつかない感じなのに果敢に60㎝の試合に挑戦している子どもの姿を見ていたら,「いつまでもチャレンジしようとしない自分」が恥ずかしくなってきたので,意を決して60㎝の障害飛越競技に出場することにした。

大丈夫。
できるような気がする。
どんなことになっても,ここからしか始まらない。

パートナーは,昨日の試合と同じ,黒馬くん。
昨日は動いてくれたからよかったけど,今日はどうかな。
黒馬くんはジャンプのときは引っ張ってしまうと跳んでくれないので,手綱を緩めに持って,跳ぶとき前に出すとスムーズにいける。3月に同じ馬場でクロスバーの試合に出たときはそうだった。

色々なことを考えながら車を走らせる。
60㎝の試合の開始時間に合わせているので,昨日よりも少し遅く家を出られるのが嬉しい。


クラブに到着。
開始の早い競技はすでに行われており,人や馬でごった返していた。
曇っていて,昨日よりも少し気温が低いような気がする。

黒馬くんは早朝の馬場の試合に出場していたらしく,たてがみが編まれた状態で,洗い場に繋がれていた。

よろしくね,よろしくね!
今日もよろしくね!(>_<)

ベタベタ触って挨拶をする。


経路表はもう貼り出されていたので,まずは下見をしようと,経路を頭に叩き込んで馬場に出た。
跳ぶ順番に障害をたどって歩いていく。
本当は,自分の歩幅を使って障害間の完歩を考えたほうがよかったのだろうけれど,今回はあえて無視することにした。余裕がないのだ(´∀`;) 自分が一度に覚えられることには限りがある。
まずは経路を間違わずに走行できるように!
あとは,完歩までは考えられなかったけれど,障害にまっすぐ入りやすいコースは一応考えた。
第1障害,第2障害,第3障害,第4障害……と回って,

小夏 「……」

第5障害,どこだっけ (´▽`;)?

立ち止まってしまった。
わたしのすぐ後ろで下見をしていた他のクラブから来た知らない女性に「第5障害どこでしたっけ」と訊ねて,思い出させてもらう。(ちなみに彼女は超ベテランのプロ選手であることが後に判明した。)

どうにか経路を覚えたので,洗い場の黒馬くんの元に戻る。
馬場の試合で乗っていたお姉さんが黒馬くんの傍にいて,「朝すごい重かったけど,運動はもう完了してるよ(^_^)」と教えてくれた。

そっか……じゃあ,大丈夫かな?(; ゚∀゚)
ゼッケンや鞍を持ってきて,再び馬装。
黒馬くんは眠そうな顔をしていた。

馬装を終えると気持ちが焦ってしまい,この後わたしの試合までは黒馬くんの出番はないので,指導員さんに「乗っていいですか」と聞いて許可をもらい,そのまま洗い場で騎乗して待機馬場に向かった。

待機馬場には他所のクラブや大学の馬術部などから来た人々がいて,余裕の表情で馬を乗りこなしていた。
「馬が動かないよ(>_<)」なんてやっている人が1人もいない恐ろしい場所なの。

わたしも練習に混ざろうと思い,馬場の周囲を歩かせたのだけれど……

お,重い……!Σ(´д`;)

もう信じられないくらい重かった。
昨日はわたしが乗ったらサクサク動いたのに! なんで!?(/TДT)/
速歩も脚で頑張ってどうにか出す感じで,しかも途中でやめようとしたりする。
どうにか継続させて障害に向かったものの,直前で止まってしまった(他の選手に見られているのでめちゃ恥ずかしい)。

え,え,え? なにこれ?Σ(=゚ω゚=;)

もっとガツガツ拍車や鞭を使って動かしてもよかったのかもしれないけれど,他所から参加している人の目を気にしてしまってできなかった。
他の人たちはごく軽い扶助で楽~に馬を動かしているので,どうにも気が引ける。

待って,待って! マズイこれ!(;´Д`)

絶望感を覚えながら,とにかく軽速歩をスムーズに行えるように頑張る。
待機馬場では色んな人馬が色んな動きをしているので,ぶつからないように気を使う。
黒馬くんは脚でガツガツ押しても,一向に速くならなかった。

どうしちゃったのよ黒馬くん!
昨日は走ってくれたじゃない!(´;ω;`)


先生が来たら……先生が来たらこの馬もちょっとは動いてくれるかも(>_<)!
救世主を待つような気持ちで指導員さんが来てくれることを願っていたのだけれど,

うちのクラブの指導員は,誰も待機馬場にやってこなかった(´∀`;)


え……1人でも大丈夫だと思われてるの!?
大丈夫じゃないよ!!?Σ(=゚ω゚=;)



いつもの指導員さんが,競技会場内の定位置についている姿が見えた。


(((( ;゚д゚)))!!!!!


馬場内の放送で試合開始が告げられて,血の気が引いた。
マジか。まだ駈歩も満足にできてないぞ!
障害も1回も跳んでない!

焦りに焦って,とりあえず駈歩だけでもできるようにしようと全力で厳しくしたら,ようやく黒馬くんは駈歩を始めた。ものすごく遅い駈歩だったけど(T∀T)


わたしと黒馬くんの出番は早かった。
3番目には出場だ。

最初の選手が帰ってきた時点で,もう出場に備えて本馬場に続く場所に待機しなければならない。
その場所に誘導して,首をパンパンと強く叩いた。
まさかの1度も障害跳ばないままの出場だ。


小夏 「今から出るよ! やることわかってるね!? 跳べるね!?(゚д゚;)」

馬 (え……え? あれ? なんか雰囲気が違う……。あ,もしかして,時々やるあれ?)

小夏 「そうだよ,あれ(競技会)だよ! できるね!?(=゚ω゚=;)」



出場直前は,大体こんな感じ。
馬のほうも,雰囲気が変わったことを察知して,ちょっと動揺した感じになる。
待機馬場からアリーナに続くチェーンの前に進めようとすると,少し後ずさりするのは何でなんだろう。黒馬くんは競走馬の経験とかあるのかな。
でもこの後ずさりでちょっとエンジンかかった感じになるんだよ。のんびりお気楽モードではなくなって,動き出すの。

あっという間に2番目の出場者の走行が終わり,わたしと黒馬くんは馬場に入場した。
黒馬くんが少し速歩になったので,少しは前に行く気になっているのがわかって,わずかに不安が消える。

審判員席に向かって敬礼。
左手前で大きく回って駈歩を出す。
動きが鈍かったので,馬場内にいた指導員さんが舌鼓で補助をしてくださった(ありがとうございます!(TДT))。
ものすごくのろいけれど,無事に駈歩になる。
オーナーが放送で「昨日のクロスバージャンプの優勝者です」という紹介をしているのが聞こえた。

やめて!(´Д⊂;) わたし今日調子悪いの! 全然動かせてないの!

第1障害。40㎝。
もはや馬を信じるしかない。

黒馬くんは跳んでくれた。普通に。

よしよしよし。
今日はコース回って跳んで帰ってこられれば,それでいいから。

そこから左斜めに進んで第2障害。45㎝。
入り方が微妙だったけれど,馬が慎重にジャンプしてくれるので落としはしなかった。

右に回転してU字を描き,第3障害。50㎝。
きれいに跳べていないので,踏み切りが合っていないことが自分でも分かるのだけれど,調整している余裕がない。

右斜め先に進んで第4障害。55㎝。
超ゆっくり走って障害に向かうと,馬が自ら踏み切りを合わせるために直前で減速して,ふわっとジャンプする。

左に回転して,第5障害。60㎝。
もう落とさないように踏み切りを合わせて跳ぶのは馬に任せることにした。
これも直前で詰まった感じでふわっと跳ぶ。

馬場の外周に沿って進み,木の陰になった場所にある第6障害。60㎝。
もはやわたしは走って跳ぶ馬に乗ってついていっているだけ。
スピードコントロールも踏み切り合わせも何もやっていない。

さらに外周に沿って進み,第7障害。50㎝。
ちょっと踏み切りが合って楽に跳べた。

左に回って最終障害が見えた!
あと1つ!(☆゚∀゚)

観客席の前あたりにある第8障害。60㎝。
無事ジャンプ! 落とさなかった!


.。゚+.(*´∇`*)゚+.゚

とりあえず完走できました!
よかったです! おめでとうございます!
落とさないように跳んでくれた馬にありがとうと言いたいです!
指導員さんたちにも感謝申し上げます!

完走にほっとしたところで結果の放送があり,障害8個で「67秒超え」という超遅いタイムに吹き出した。障害の試合で1分超えてコース走るの,反抗を除いてはあんまり見たことないよ。
ローカルルールが適用されるのでタイム減点はないのだけれど,あったら減点もののタイムかなと思った。

いいんだ……最初だもん(´∀`;)
障害落とさなかっただけ上出来さ(馬がそうしてくれただけだけど)。

たった8個のコースを走行しただけで息が上がりまくり,自分の体力のなさを情けなく思う。
待機馬場に戻ると,次に黒馬くんに乗る小学生の女の子と女性の指導員さんがいた(わたしのときは来てくれなかったのに( ̄▽ ̄;)!!)。
馬から下りて,女の子に黒馬くんを渡す。

黒馬くんはコースの走行を終えたばかりだというのに,女の子が待機馬場で練習のために乗ったらまた「重い馬」に戻ってしまっていた。
指導員さんたちが叱咤してどうにか駈歩を出させて,心配されながら競技場に送り出される。
わたしも待機馬場から様子を見ていたのだけれど,そこはさすがに黒馬くんもプロなので,さっきと同じコースをゆっくりと,でも落とさず確実に回って帰ってきた。
女の子は昨日の60㎝の試合では三反抗により失権になっていたので,今日は完走して戻ってこられてよかったなぁと思った。タイムはやっぱりとても遅かったけれど,女の子もご機嫌だった。

試合は無事終了し,わたしと黒馬くんは4位入賞を果たした。
この日の60㎝ジャンプは出場者が少なかったのと,上手な選手がタイムはよかったものの一落下させていたために,リボンがもらえることになったのだ。
昨日に引き続き,またしてもラッキーな小夏。


試合は無事に終了。
女の子と一緒に黒馬くんを洗い場に連れていき,鞍を外すと,黒馬くんは安心したのか大量の放尿を始めた。

ちょっとお腹に何リットル入ってたの!?Σ(; ̄Д ̄) 

びっくりするくらい,長く大量におしっこをしていた。

あの……もしかしてきみ……ものすごくトイレ我慢しながら走ってた?(´∀`;)

わたしならこの状態で走ったりジャンプしたりするのは無理だわ(笑)。
動きが鈍かった理由が少し分かったのと,とっても頑張り屋さんだということが分かったので,気持ちがほぐれて笑ってしまった。
今日は本当にありがとう。

昨日もらったリボンは青。
今日もらったリボンは白。

うん,何だかいい色の組み合わせ(●´ω`●)♪

馬にも,指導員さんたちにも,クラブにも,会場内にいた他の人々にも,今日のこの日をありがとう。
とっても地味な60㎝デビューでしたが,成長の機会に心より感謝いたします。


【おまけ:これまでにもらったリボン】
青 3 
赤 1
黄 1
白 1 NEW!
桃 0
緑 1
リボンなし 0

いつも応援ありがとうございます♪

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