2022年2月6日(日) 天気 晴れ

立春過ぎて、今日も馬に乗りに行く。
数日前に雪が降ったらしく、クラブ周辺はとても寒かった。
ずっと前からだけれど、わたしには、生き物と接するとき、いつも思い出す小説のワンシーンがある。
過去に読んだ『獣の奏者』という小説の中で、蜂飼いのジョウンが主人公の少女エリンに「他の生き物と人間との違い」みたいなことを説明するシーンがあった。細かいセリフや状況はよく覚えていないのだけれど、とにかく、「馬(ロバだったかな?)などの動物は危険な目に遇ったり驚いたときに、そこに人間がいるから蹴るのをやめておこうとか、そういう配慮はできないんだぞ」という、どんなに可愛がって懐いている動物でも危険はあるんだというような内容で、読んでから何年も経っているけれど心に残っている。
また、続編で、大人になったエリンが息子に、動物の危険さを教えるために、いつも世話をしている王獣を攻撃して、怒った獣に反射的に噛まれてみせるというシーンも、ショックで印象に残っている。
人と他の動物との関係性や絆を描いた名作だったけれど、全編通して、人間側が「特別な絆があるんだ」「わかってくれてる」「このコだけは違う」と思いたがるのを、時折容赦なく突き放してくる厳しさがあった。
そのとき、「あ、違う生き物なんだ」と思い知る。
自然は厳しいと言うけれど、動物は、本当は自然側にあって、たまたま人間と何らかの関係性を結んでいるだけなんだなって。
毎週のように会いに来て、可愛く思って接している馬も、人間とは「異種の生き物」だ。
馬は、人のようには物を考えない。
時々それを、戒めのように思い出す。
今日のパートナーは、ものすごく久しぶりの黒馬くんだった。
クラブに到着する前に、今日は拍車を使うかどうかは馬を見てから決めようと思っていたのだけれど、相方が黒馬くんだと知って、秒で拍車の使用を決定した。
使わないと無理だ。(-_-;)
拍車だけでなく、鞭もあったほうがいい。
指導員さんと一緒に馬装を済ませ、インドアの馬場で騎乗する。
腹帯を確認し、鐙の長さを合わせる。
黒馬くん、久しぶりだなぁ(*´∇`*)
馬場の周囲を歩かせてみたのだけれど、案の定、常歩の時点からもう重くてたまらなかった。
いやいやいや、期待はしてなかったけどさ、「もうこの速度以上出したくありません」感を全面に出されてもね!(^o^;
指導員さんから軽速歩の指示が出たので速歩発進。
速歩になるにはなるのよ。でも……
重~~!!・゜・(つД`)・゜・
毎度のことながら、エンジンのかかっていない馬を人力で押して無理矢理動かす要領で運動させていく。
人間の運動量がすごいので、息は上がりまくり、明日の筋肉痛は確定。
け、軽速歩ってこんなに大変な運動だったっけ?(´Д`|||)ゼェゼェ
脚で動かなければ拍車を入れる。動きが重ければ、シャキッとさせるために鞭も使う。
この最初の「オラ走れー!(*`Д´)ノ!!!」という努力を怠ると、30分間動かすことだけで精一杯という悲惨なレッスンになるので、つべこべ言わずにやれるだけやったほうがいいのだ。
人間だって楽なほうがいいし、動かす苦労なんて快適なものではないので、やらなくて済むのならそのほうがいい。知らない人が見たら「馬が可哀想」なんて言いかねない状況のような気もする。
でも違うの……この馬が嫌いとか憎いとかじゃないの(。´Д⊂)! こうすることが最善の策なの! この馬の特性に合わせてるだけなの!(T-T)
努力のかいあってか、5分から10
分も経つと黒馬くんにはエンジンがかかり動くようになってきた。
軽速歩のフラットワークを終え、駈歩発進。
意外なことに毎回一発でスッと駈歩になる。
あれ? 黒馬くんて楽に出る馬だったかな? 久しぶり過ぎて覚えていない。
まだ少し重めになることがあるので(蹄跡行進も一定の速度ではなく、特に入り口から離れるときは遅くなりやすい)、時々鞭や拍車を軽く入れる。
巻き乗りも、まあ何とか駈歩のままできる。
ああ、よかった!(。´Д⊂)
どうにかなりそうだよ今日のレッスン!(>_<)
フラットワークは終了し、速歩で地上横木通過。馬の動きの中にきれいに横木を入れるように。
そろそろ速歩での地上横木通過くらい楽々できるようになりたいよ。
次に駈歩で地上横木通過。
速歩以上に神経を使う。
横木なので、合わなくても通過はするのだけれど、合わないとそこで違和感が生じる。
指導員さんから、「3歩前から1、2、3とカウントしてみましょう」と指導が入る。「3」でジャンプができるように。
ここかな、と思うところから「1、2、3!」とカウントすると、その勘は結構外れない。
つまり、わたしは3歩前がどの位置になるのかは一応何となく分かっているのだ。
手前を替えて同じ練習を繰り返す。
3歩前がどこかが分かっても、それと踏み切りが合うかどうかは別の話。さすがにカウントを始める頃には合うか合わないかは分かるのだけれど、そこでの修正が間に合わない。
やがて地上横木は高さのある障害に変化した。
最初から60cmくらいの垂直障害。
恐怖心はなかった。
これも障害の3歩前から声に出してカウントする。
よし、これも同じ要領で。
来たぞ! このあたりか?
小夏 「1、にあーー!!!!Σ(T▽T;)」
2歩半くらいの距離だったのだけれど、馬が「3歩は無理や(´д`;)」となって2で跳んだのだ。
指導員さん 「今近かったのわかった!?」
小夏 「わかりました!」
めっちゃ分かった。
実を言うと、わたし、踏み切りが合わないときも、合っていないことは分かっても、遠いのか近いのか分からないことがよくあった。
でも障害前でカウントすると、自分で思っているよりも近いのか遠いのかが明確に分かるようになった。
これはもしかしたら、すごい効果的な練習なのかもしれない……。
(゚A゚;)ゴクリ
そのまま駈歩を同じ速度で継続して馬場を一周。もう一度チャレンジ。
さっきは障害に近過ぎたので、少しだけ遠回りをする。馬の歩幅の半分ほど距離をとるって難しいけれど、ここはもう勘でいく。
2回目は上手く「1、2、3!」で跳べた。
で、できたぞ!
ちゃんと調節できた!
できれば最初から調整できるようになりたい!(T▽T)笑
こんな練習を何度か続けて、最後にぴったり合ったので、この日のレッスンは終了。
踏み切りが合って綺麗に跳べると、とても楽しくてとても嬉しい(*^-^*)♪
最初は重かった黒馬くんも、よく動いてくれていた。
最後の整理運動で馬を歩かせている際に、乗っているわたしが鐙を外して馬に任せてふらふらし過ぎていたので、指導員さんから注意を受けた。「乗っている間は馬の注意が人間に向くようにしていなさい」と。そうしないと、危ないから。
あ、そうだったと、急に気持ちを引き締め直した。
「特別な絆」とか「信頼関係」とか、そういう言葉で「この馬は安全だ」と思いたがるのは、人間の勝手な甘えなのだと感じた。
大好きで、信頼している相手であっても、自分の都合のいいように解釈してはいけない。
障害飛越でも馬との関係でも、ちょうどいい距離感をつかむのって、難しいなぁ。
いつも応援ありがとうございます♪

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立春過ぎて、今日も馬に乗りに行く。
数日前に雪が降ったらしく、クラブ周辺はとても寒かった。
ずっと前からだけれど、わたしには、生き物と接するとき、いつも思い出す小説のワンシーンがある。
過去に読んだ『獣の奏者』という小説の中で、蜂飼いのジョウンが主人公の少女エリンに「他の生き物と人間との違い」みたいなことを説明するシーンがあった。細かいセリフや状況はよく覚えていないのだけれど、とにかく、「馬(ロバだったかな?)などの動物は危険な目に遇ったり驚いたときに、そこに人間がいるから蹴るのをやめておこうとか、そういう配慮はできないんだぞ」という、どんなに可愛がって懐いている動物でも危険はあるんだというような内容で、読んでから何年も経っているけれど心に残っている。
また、続編で、大人になったエリンが息子に、動物の危険さを教えるために、いつも世話をしている王獣を攻撃して、怒った獣に反射的に噛まれてみせるというシーンも、ショックで印象に残っている。
人と他の動物との関係性や絆を描いた名作だったけれど、全編通して、人間側が「特別な絆があるんだ」「わかってくれてる」「このコだけは違う」と思いたがるのを、時折容赦なく突き放してくる厳しさがあった。
そのとき、「あ、違う生き物なんだ」と思い知る。
自然は厳しいと言うけれど、動物は、本当は自然側にあって、たまたま人間と何らかの関係性を結んでいるだけなんだなって。
毎週のように会いに来て、可愛く思って接している馬も、人間とは「異種の生き物」だ。
馬は、人のようには物を考えない。
時々それを、戒めのように思い出す。
今日のパートナーは、ものすごく久しぶりの黒馬くんだった。
クラブに到着する前に、今日は拍車を使うかどうかは馬を見てから決めようと思っていたのだけれど、相方が黒馬くんだと知って、秒で拍車の使用を決定した。
使わないと無理だ。(-_-;)
拍車だけでなく、鞭もあったほうがいい。
指導員さんと一緒に馬装を済ませ、インドアの馬場で騎乗する。
腹帯を確認し、鐙の長さを合わせる。
黒馬くん、久しぶりだなぁ(*´∇`*)
馬場の周囲を歩かせてみたのだけれど、案の定、常歩の時点からもう重くてたまらなかった。
いやいやいや、期待はしてなかったけどさ、「もうこの速度以上出したくありません」感を全面に出されてもね!(^o^;
指導員さんから軽速歩の指示が出たので速歩発進。
速歩になるにはなるのよ。でも……
重~~!!・゜・(つД`)・゜・
毎度のことながら、エンジンのかかっていない馬を人力で押して無理矢理動かす要領で運動させていく。
人間の運動量がすごいので、息は上がりまくり、明日の筋肉痛は確定。
け、軽速歩ってこんなに大変な運動だったっけ?(´Д`|||)ゼェゼェ
脚で動かなければ拍車を入れる。動きが重ければ、シャキッとさせるために鞭も使う。
この最初の「オラ走れー!(*`Д´)ノ!!!」という努力を怠ると、30分間動かすことだけで精一杯という悲惨なレッスンになるので、つべこべ言わずにやれるだけやったほうがいいのだ。
人間だって楽なほうがいいし、動かす苦労なんて快適なものではないので、やらなくて済むのならそのほうがいい。知らない人が見たら「馬が可哀想」なんて言いかねない状況のような気もする。
でも違うの……この馬が嫌いとか憎いとかじゃないの(。´Д⊂)! こうすることが最善の策なの! この馬の特性に合わせてるだけなの!(T-T)
努力のかいあってか、5分から10
分も経つと黒馬くんにはエンジンがかかり動くようになってきた。
軽速歩のフラットワークを終え、駈歩発進。
意外なことに毎回一発でスッと駈歩になる。
あれ? 黒馬くんて楽に出る馬だったかな? 久しぶり過ぎて覚えていない。
まだ少し重めになることがあるので(蹄跡行進も一定の速度ではなく、特に入り口から離れるときは遅くなりやすい)、時々鞭や拍車を軽く入れる。
巻き乗りも、まあ何とか駈歩のままできる。
ああ、よかった!(。´Д⊂)
どうにかなりそうだよ今日のレッスン!(>_<)
フラットワークは終了し、速歩で地上横木通過。馬の動きの中にきれいに横木を入れるように。
そろそろ速歩での地上横木通過くらい楽々できるようになりたいよ。
次に駈歩で地上横木通過。
速歩以上に神経を使う。
横木なので、合わなくても通過はするのだけれど、合わないとそこで違和感が生じる。
指導員さんから、「3歩前から1、2、3とカウントしてみましょう」と指導が入る。「3」でジャンプができるように。
ここかな、と思うところから「1、2、3!」とカウントすると、その勘は結構外れない。
つまり、わたしは3歩前がどの位置になるのかは一応何となく分かっているのだ。
手前を替えて同じ練習を繰り返す。
3歩前がどこかが分かっても、それと踏み切りが合うかどうかは別の話。さすがにカウントを始める頃には合うか合わないかは分かるのだけれど、そこでの修正が間に合わない。
やがて地上横木は高さのある障害に変化した。
最初から60cmくらいの垂直障害。
恐怖心はなかった。
これも障害の3歩前から声に出してカウントする。
よし、これも同じ要領で。
来たぞ! このあたりか?
小夏 「1、にあーー!!!!Σ(T▽T;)」
2歩半くらいの距離だったのだけれど、馬が「3歩は無理や(´д`;)」となって2で跳んだのだ。
指導員さん 「今近かったのわかった!?」
小夏 「わかりました!」
めっちゃ分かった。
実を言うと、わたし、踏み切りが合わないときも、合っていないことは分かっても、遠いのか近いのか分からないことがよくあった。
でも障害前でカウントすると、自分で思っているよりも近いのか遠いのかが明確に分かるようになった。
これはもしかしたら、すごい効果的な練習なのかもしれない……。
(゚A゚;)ゴクリ
そのまま駈歩を同じ速度で継続して馬場を一周。もう一度チャレンジ。
さっきは障害に近過ぎたので、少しだけ遠回りをする。馬の歩幅の半分ほど距離をとるって難しいけれど、ここはもう勘でいく。
2回目は上手く「1、2、3!」で跳べた。
で、できたぞ!
ちゃんと調節できた!
できれば最初から調整できるようになりたい!(T▽T)笑
こんな練習を何度か続けて、最後にぴったり合ったので、この日のレッスンは終了。
踏み切りが合って綺麗に跳べると、とても楽しくてとても嬉しい(*^-^*)♪
最初は重かった黒馬くんも、よく動いてくれていた。
最後の整理運動で馬を歩かせている際に、乗っているわたしが鐙を外して馬に任せてふらふらし過ぎていたので、指導員さんから注意を受けた。「乗っている間は馬の注意が人間に向くようにしていなさい」と。そうしないと、危ないから。
あ、そうだったと、急に気持ちを引き締め直した。
「特別な絆」とか「信頼関係」とか、そういう言葉で「この馬は安全だ」と思いたがるのは、人間の勝手な甘えなのだと感じた。
大好きで、信頼している相手であっても、自分の都合のいいように解釈してはいけない。
障害飛越でも馬との関係でも、ちょうどいい距離感をつかむのって、難しいなぁ。
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