2017月12月24日(日) 天気 くもり

その昔,王や皇帝となる人が学ぶ「帝王学」には,乗馬が取り入れられていたのだそうです。
何故乗馬が取り入れられていたのか,何となくわかるような気がします。
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今日は馬をコントロールする前に,自分で自分をコントロールすることに一苦労。
自分の状態がよくないと,もう,馬に乗って馬の動きをどうこうしている場合じゃない。
「恐怖」との付き合い方,どうすればいいんだろう。

今日はただの駈歩の動きさえ,何故かちょっと恐い。
何となくコントロールしきれていないような気配が時折混ざる。
落ち着け,落ち着け。大丈夫。
このお馬さんにはもう何度も乗ってるじゃない。

1鞍目に常歩,軽速歩,速歩,駈歩と一通りやって,2鞍目に地上横木通過。
まずは軽速歩で。
横木通過したら障害来るだろうなーと何となく察する。
速歩からゆっくりできるといいな。
速歩の後は,駈歩で横木通過。
何度か駈歩で横木を通過した後,停止して振り返った。
指導員さんを見ると,横木をクロスに組んでいる。

え……まさか……(;・ω・)

指導員さん「じゃあ,これ(障害)駈歩で.。゚+.(・∀・)゚+.゚」

Σ(゚д゚;))))

え……ちょ……今日,最初から駈歩で跳ぶの? 軽速歩じゃなくて?

猛烈な心の抵抗に遭い,いつも「はい!」と即答して動くところ,すぐには動けず,停止した馬上で何度か障害飛越の随伴の姿勢の見直しなどをしてしまう。

こ,こんな感じだよね? やれるよね? いけるよね?

馬場中央にいる指導員さんは,どうも待ってくれそうもない。
わたしが恐怖を感じているなんて思ってもみない感じで,ニコニコしている。

常歩で蹄跡に馬を誘導し,深呼吸。
長く長く息を吐く。
可能なら深呼吸と同時に両手で印でも組んで精神統一したい気分だ。

深呼吸を終えたところで駈歩の発進。
駈歩で蹄跡を走りながらも,長く息を吐く。
脚を思い切り踏み下げる。
随伴の動きを頭の中でシュミレーション。

隅角過ぎた少し先にクロスバー。
脚下げる。
目線は前。
拳はたてがみに。
腰は浮かせるけど前のめりにはならない。

跳んだ!
よし! 体勢戻せ!

OK! できた!ヽ(TдT)ノ ゚+.゚

常歩に落とし,停止。

これ,あと2~3回繰り返した。
そのたびに深呼吸して,大きく息を吐きながら駈歩して,障害を跳んだ。

たしか,人は,息を吐くときに副交感神経が優位になりリラックスする……ような仕組みだったと思う。

とにかく,わたしは恐怖や不安でパニックになることを防ぐことが大事なのだ。
どんなときも,心を落ち着けること。

深呼吸して,細く長く息を吐いていくことは割と有効だったようで,冷静になるというか,周辺視野が広くなるというか,恐怖などの感情を排して馬の動きや自分の身体の状態を観察している不思議な集中状態に入る。

駈歩をしながら,「ああ,このスピードでここから落ちたら,たぶんこんな感じになるな。大丈夫だな」と冷静に考えたりしていた。

馬乗りってやっぱり,冷静さが大事だ。

脚踏み下げることは全力で頑張った。要(かなめ)はここだ。
わたし,たぶん,脚の踏み下げが全然足りてなかった。
本気で力入れて下げると,膝も開いたり浮いたりしないのね。
ごめんなさい,指導員さん……(´Д⊂) 
これまで散々「かかと下げろー!! (ノ`Д´)ノ」って言われてたのに,わたし本当の意味でちゃんと体得できてなかったから,あんなことになったんだ。

・視線
・姿勢
・脚(重心)


今日はパニックにならずにこの3点に取り組むことでいっぱいいっぱい。
できた回数を積み重ねて,「大丈夫なんだ」という記憶を追加していく。

恐くても「恐い」とは騒がなかったけれど,傍から見ている指導員さんも「どうも今日は様子がおかしい」と感じたのか,「どうしました?(´・ω・`)」と何回か聞かれた。
すみません……技術面の苦労というよりは心理面の苦労です。もうちょっとで克服する予定なので,長い目で見ていただけると助かります。

けれど,もはや,わたしは「ただ障害飛越の動きに慣れる」だけの練習をさせてもらえるような段階ではないらしく,今日のレッスンでは踏み切りの位置を考慮して歩度の調整をすることが要求された。
でも正直そこまで気が回らなかった! ヽ(TдT)ノ ごめんなさい!

障害はさらに増え,クロスバーの向こうに垂直障害。
間の距離は三完歩分。
クロスを跳んで,すぐに体勢を立て直し,「1,2,3…」で次の障害を跳ぶ。
本当はこの三歩の間にも,状況によって歩度の伸縮をしなきゃならないらしい。

たった三歩の間にね!(泣)
一個目の障害跳んだ時の状況を踏まえてね!
信じられないよね!?

今のわたしにはそんな余裕ない!(´;ω;`)

連続障害の練習を終え(ラストの回で二個目の障害速歩になってしまって撃沈),馬上で呆然としながら指導員さんの話をやや上の空な状態で聞いていたら,わたしのキャパオーバーな状態が目に見えたのか,指導員さんはふっと息をついて,障害を見ながら急にトーンを落として言った。

「まあ,でも,これだけできてれば,たいしたもんだ」

「最初こんなんできると思わなかったでしょ?」

わたしは頷きながら,か細い声で「思わなかった」と答えて,レッスンを終えた。
喜んでもいいような言葉だったけれど,わたしはどうしてか「コイツはここまでか……」とか「この程度が限界か?」とか思われたような気がしてしまって,ちょっと寂しい気持ちを味わった。
まだ! まだこれからだから! 見捨てないで!。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン みたいな気持ちになった。

洗い場で鞍を外したお馬さんにブラシをかけ,その後,しばらく外の馬場で上手な人たちが障害飛越をしている様子を眺めていた。

楽に跳んでるように見えるんだよね……(´・ω・`) 
彼らも,わたしとは違う段階の何かに挑戦しているんだろうか。
たまにはやっぱり怖かったりもするんだろうか。

とりあえず,今日,わたしは落馬せずに障害飛越の練習を終えることができた。
ささいなことだけれど,自分の中では大事な事実なのだ。
次はもう少し自信を持ってできるといいな。


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