2020年8月22日(土) 天気 晴 のち 雨(夕立)
お盆も過ぎたけれど,相変わらず暑い日々が続いている。
いつも夏ってこんなだったかな。
温暖化の影響で,気温が高い日が続いてしまっているのかな。
今日のレッスンも2人の部班。
ただ,一緒にレッスンを受けるのは,前回と前々回に一緒だった女の子ではなく,メガネをかけた寡黙な少年だった。
パートナーになる馬は,鹿毛の女の子。
最近よく乗っているお馬さんだ。
少年の乗る馬は,ちび馬くん。
彼は自分で馬装していたが,わたしの馬は指導員さんが馬装してくれていた(たぶん,わたしの馬装が遅いから……)。
自分の準備をして,馬に乗る。
今日は外の広いアリーナでの練習。
夕方に近い時間帯だったので,少し日が陰り,雲が出てきていた。
涼しい風が吹き始めていたので,何となく雨の気配を感じ取る。
広いアリーナの周囲をまずは常歩で歩かせて,その後軽速歩で2周くらい。半巻きして手前を替え,軽速歩を続ける。珍しくわたしが先頭で,男の子がその後に続いた。
鹿毛子の反応はよく,わたしも落ち着いて乗れていた。
駈歩発進を微妙に手間取り,速歩を速くしただけになってしまったりしたので「(発進時に)前持って」などと注意を受ける。この後無事に発進したけれど,いつまで経っても,こういうことは時々あるなぁと思った。生き物(馬)と生き物(自分)のことだから,そんなに不思議でもないけれど。
今日も一鞍だけのレッスンだけれど,どこまで練習できるかな。
たった30分の時間なのに,天気は刻一刻と表情を変えて,本格的に曇ってきた。
遠くでかすかに雷の音が聞こえる。
競技会だと,雷が鳴ったら競技は中止。最後の雷が鳴ってから30分は馬に乗れないという決まりがあるらしいけれど,今日は練習なので,雨が降り出すまでにさっさとやって終わりにしてしまおうという話になった。
駈歩までフラットワークが終わったので,障害飛越の練習。
最初は低いクロスバーの障害。
広い馬場なので,駈歩で向かってジャンプ。
鹿毛子はたまに低い障害でも嫌がることがあるので少し警戒していたけれど,普通に跳んでくれた。
次に低い垂直障害。これもジャンプ。
障害に真っ直ぐ入らず斜めに入っていたので注意を受ける。
いつもインドアの馬場で練習しているときは,馬場周囲の蹄跡上に障害があったから,それに沿って走るだけだったけれど,広い馬場では自分で蹄跡を決めて障害に向かって行かなければならない。
遠くから,真っ直ぐに障害にアプローチできるように,感覚を掴むため数回同じことを繰り返す。
障害は一度高さを上げられ60㎝くらいになった。これも同じように跳んでいく。
自分が走るラインに自信を持てていないせいなのか,障害前で馬がふらふらするように感じて,こんなに馬を御せていなかったら直前で横に逃げられるんじゃないかと,少しの不安を感じる。
空は暗くなり,風が強くなってきた。
馬は雷の音には驚かないのだろうか。今のところ,遠くで低くゴロゴロと鳴っている音には,どちらの馬も反応していない。
地を這うように,冷気を含んだ風が力強く馬場を渡っていく。
確実に夕立が来る。
雨が降ることは間違いない。
この後,馬場に設置された障害は50cmくらいのオクサー障害になった。
これも同じように跳ぶ。
まあ低いし,馬は頑張ってくれるので,どうにかいける。
ここまでずっと左手前で馬を走らせて跳んでいたけれど,今度は右手前で馬を走らせて,直線上に3つ並んだ垂直障害を跳んでいくことになった。
障害間は,5歩か6歩か7歩。自分で決めてコントロールしていけるように。
一度チャレンジしてみたけれど,完全に馬なりになってしまっていて,歩数を合わせられるような状態ではなかった。それでも障害に向ければ馬は跳んでくれるので,3つの障害を跳んでいく。
自分の番が終わり,少年の番が終わり,さて,もう一度同じようにチャレンジしてみようと,駈歩を発進したところで,それは起こった。
アリーナの隅には落ち葉がたまっている箇所があり,風で落ち葉が動いていた。
障害に向かう途中でその傍を走行したのだけれど……
風で円形に舞う落ち葉に驚いた馬が,派手に横っ飛びした。
急な動きに耐えられず,あえなく落馬。
落馬の際にエアバッグが作動したのだけれど,そのエアバッグが膨らむ音にもびっくりした馬は,いななきながら逃走していった。
か,鹿毛子! 鹿毛子カムバーック!Σ('д` ;)
エアバッグとヘルメットに守られて,わたしは無事だった。
若干ぐらぐらする気がするのと,地面に接触した右腕が少し痛いけれど,大きな問題はなさそうだ。
近くで見ていたお客さんやスタッフさんに「大丈夫ですか」と声をかけられながら,歩いて馬の元に向かう。鹿毛子は指導員さんに回収されていた。
膨らんだエアバッグを脱ぎ捨て,ヘルメットを被り直す。
指導員さん 「大丈夫ですか?」
小夏 「わたしは大丈夫ですけど,馬が……」
鹿毛子は大人しくなっていたけれど,まだ怯えているのではないかと不安になった。
「びっくりしないでねー!(>_<)」と訴えながら,鹿毛子の首を大きく撫でる。
再び騎乗。今度はもうノーエアバッグ。
「鹿毛子,お願いね!」と,本気で頼みながら,馬の首をパンパンとたたく。
だってもう,本当にお願いするしかない。
指導員さんは,「急な動きににも耐えられるように,しっかり脚を踏み下げて,鞍に沿わせておくこと」とアドバイスしてくださった。
まずは常歩でさっき馬が落ち葉に驚いた場所まで行き,まだ風で少し動いている葉っぱを見せに行った。「ほら,ただの風でしょ? 大丈夫でしょ?」 と話しかけて,また首を愛撫。
駈歩じゃなくて軽速歩で障害に向かっていいとのことだったので,軽速歩で障害に向かう。
しっかり脚を踏み下げて,鞍にピッタリくっつけることを心がける。
落ちる前から心がけろよ(; ´_ゝ`) って感じなのだけれど,人間,痛い目を見ないとなかなか本気で心がけることができなかったりする。
鹿毛子は軽速歩で向かってもちゃんと障害を跳んでくれた。
第1障害,第2障害,第3障害。
第2と第3の間で加速してしまうので抑えるようにと注意を受ける。
空は暗さが増し,風が強くなり,洗い場の蛍光灯が灯るのを見た。
雷の音が近づいてきているような気がする。
その後も2回ほど,直線上の3つの障害を跳ぶ練習を続ける。
跳ばせるのに精一杯で,正直,間の歩数を数えている余裕はなかった。
今日受けた注意点で,印象に残っているのは2点。
①馬体をまっすぐにして障害に入る
②障害間を同じペースで走れるように速度調整に気を付ける
本当に,単純なのに,難しいんだから。
まあ,跳んでくれたし,ちゃんと止まってくれたから,今日のところはいいやと,愛撫して終了。
わたしも少年も指導員さんも,大急ぎで引き揚げて,洗い場に戻る。
馬装を解き,馬の手入れをしているところで,雨が降ってきた。
ギリギリ間に合ったぞ!
何度か大きな風が吹いた後に,土煙が上がるくらいの土砂降りになった。
こんなに激しい雨は久しぶり。雷の音も大きくなり,完全に夕立だ。
洗い場に繋がれた馬たちは,風で転がってくる木の枝などを真剣な表情で見つめていた。
どうして木の枝とか葉っぱとか,ありふれた物が動いているだけで,そこまで敏感になるのだろう。
ちょっと呆れたような気持ちで馬を見つめる。小さな子どもみたいだ。何もかもが珍しくて,慣れきった大人には何でもないことにも反応する。警戒心も好奇心もあり,とにかくそれに意識を集中させている。その姿はとても可愛い。
鹿毛子は動く葉っぱに驚いて人を落としたことなどすっかり忘れた様子でおやつをねだり,ちび馬くんと共にりんごと人参を美味しそうに食べていた。
いいの,いいの。きみはそれでいいの。(●´ω`●)笑
人間とは違う感じ方をする生き物が傍にいるというのは,素敵なことだなぁと思った。
ずぶ濡れになりながら馬房に戻し(せっかく拭いたのに……),しばらく待っても雨が止みそうになかったので,また濡れながらクラブハウスに戻って着替えた。
夕立直前に馬に乗ったのは初めてかな。
ちょっと痛い目もみたけれど,色んな経験ができて面白い日だった。
お盆も過ぎたけれど,相変わらず暑い日々が続いている。
いつも夏ってこんなだったかな。
温暖化の影響で,気温が高い日が続いてしまっているのかな。
今日のレッスンも2人の部班。
ただ,一緒にレッスンを受けるのは,前回と前々回に一緒だった女の子ではなく,メガネをかけた寡黙な少年だった。
パートナーになる馬は,鹿毛の女の子。
最近よく乗っているお馬さんだ。
少年の乗る馬は,ちび馬くん。
彼は自分で馬装していたが,わたしの馬は指導員さんが馬装してくれていた(たぶん,わたしの馬装が遅いから……)。
自分の準備をして,馬に乗る。
今日は外の広いアリーナでの練習。
夕方に近い時間帯だったので,少し日が陰り,雲が出てきていた。
涼しい風が吹き始めていたので,何となく雨の気配を感じ取る。
広いアリーナの周囲をまずは常歩で歩かせて,その後軽速歩で2周くらい。半巻きして手前を替え,軽速歩を続ける。珍しくわたしが先頭で,男の子がその後に続いた。
鹿毛子の反応はよく,わたしも落ち着いて乗れていた。
駈歩発進を微妙に手間取り,速歩を速くしただけになってしまったりしたので「(発進時に)前持って」などと注意を受ける。この後無事に発進したけれど,いつまで経っても,こういうことは時々あるなぁと思った。生き物(馬)と生き物(自分)のことだから,そんなに不思議でもないけれど。
今日も一鞍だけのレッスンだけれど,どこまで練習できるかな。
たった30分の時間なのに,天気は刻一刻と表情を変えて,本格的に曇ってきた。
遠くでかすかに雷の音が聞こえる。
競技会だと,雷が鳴ったら競技は中止。最後の雷が鳴ってから30分は馬に乗れないという決まりがあるらしいけれど,今日は練習なので,雨が降り出すまでにさっさとやって終わりにしてしまおうという話になった。
駈歩までフラットワークが終わったので,障害飛越の練習。
最初は低いクロスバーの障害。
広い馬場なので,駈歩で向かってジャンプ。
鹿毛子はたまに低い障害でも嫌がることがあるので少し警戒していたけれど,普通に跳んでくれた。
次に低い垂直障害。これもジャンプ。
障害に真っ直ぐ入らず斜めに入っていたので注意を受ける。
いつもインドアの馬場で練習しているときは,馬場周囲の蹄跡上に障害があったから,それに沿って走るだけだったけれど,広い馬場では自分で蹄跡を決めて障害に向かって行かなければならない。
遠くから,真っ直ぐに障害にアプローチできるように,感覚を掴むため数回同じことを繰り返す。
障害は一度高さを上げられ60㎝くらいになった。これも同じように跳んでいく。
自分が走るラインに自信を持てていないせいなのか,障害前で馬がふらふらするように感じて,こんなに馬を御せていなかったら直前で横に逃げられるんじゃないかと,少しの不安を感じる。
空は暗くなり,風が強くなってきた。
馬は雷の音には驚かないのだろうか。今のところ,遠くで低くゴロゴロと鳴っている音には,どちらの馬も反応していない。
地を這うように,冷気を含んだ風が力強く馬場を渡っていく。
確実に夕立が来る。
雨が降ることは間違いない。
この後,馬場に設置された障害は50cmくらいのオクサー障害になった。
これも同じように跳ぶ。
まあ低いし,馬は頑張ってくれるので,どうにかいける。
ここまでずっと左手前で馬を走らせて跳んでいたけれど,今度は右手前で馬を走らせて,直線上に3つ並んだ垂直障害を跳んでいくことになった。
障害間は,5歩か6歩か7歩。自分で決めてコントロールしていけるように。
一度チャレンジしてみたけれど,完全に馬なりになってしまっていて,歩数を合わせられるような状態ではなかった。それでも障害に向ければ馬は跳んでくれるので,3つの障害を跳んでいく。
自分の番が終わり,少年の番が終わり,さて,もう一度同じようにチャレンジしてみようと,駈歩を発進したところで,それは起こった。
アリーナの隅には落ち葉がたまっている箇所があり,風で落ち葉が動いていた。
障害に向かう途中でその傍を走行したのだけれど……
風で円形に舞う落ち葉に驚いた馬が,派手に横っ飛びした。
急な動きに耐えられず,あえなく落馬。
落馬の際にエアバッグが作動したのだけれど,そのエアバッグが膨らむ音にもびっくりした馬は,いななきながら逃走していった。
か,鹿毛子! 鹿毛子カムバーック!Σ('д` ;)
エアバッグとヘルメットに守られて,わたしは無事だった。
若干ぐらぐらする気がするのと,地面に接触した右腕が少し痛いけれど,大きな問題はなさそうだ。
近くで見ていたお客さんやスタッフさんに「大丈夫ですか」と声をかけられながら,歩いて馬の元に向かう。鹿毛子は指導員さんに回収されていた。
膨らんだエアバッグを脱ぎ捨て,ヘルメットを被り直す。
指導員さん 「大丈夫ですか?」
小夏 「わたしは大丈夫ですけど,馬が……」
鹿毛子は大人しくなっていたけれど,まだ怯えているのではないかと不安になった。
「びっくりしないでねー!(>_<)」と訴えながら,鹿毛子の首を大きく撫でる。
再び騎乗。今度はもうノーエアバッグ。
「鹿毛子,お願いね!」と,本気で頼みながら,馬の首をパンパンとたたく。
だってもう,本当にお願いするしかない。
指導員さんは,「急な動きににも耐えられるように,しっかり脚を踏み下げて,鞍に沿わせておくこと」とアドバイスしてくださった。
まずは常歩でさっき馬が落ち葉に驚いた場所まで行き,まだ風で少し動いている葉っぱを見せに行った。「ほら,ただの風でしょ? 大丈夫でしょ?」 と話しかけて,また首を愛撫。
駈歩じゃなくて軽速歩で障害に向かっていいとのことだったので,軽速歩で障害に向かう。
しっかり脚を踏み下げて,鞍にピッタリくっつけることを心がける。
落ちる前から心がけろよ(; ´_ゝ`) って感じなのだけれど,人間,痛い目を見ないとなかなか本気で心がけることができなかったりする。
鹿毛子は軽速歩で向かってもちゃんと障害を跳んでくれた。
第1障害,第2障害,第3障害。
第2と第3の間で加速してしまうので抑えるようにと注意を受ける。
空は暗さが増し,風が強くなり,洗い場の蛍光灯が灯るのを見た。
雷の音が近づいてきているような気がする。
その後も2回ほど,直線上の3つの障害を跳ぶ練習を続ける。
跳ばせるのに精一杯で,正直,間の歩数を数えている余裕はなかった。
今日受けた注意点で,印象に残っているのは2点。
①馬体をまっすぐにして障害に入る
②障害間を同じペースで走れるように速度調整に気を付ける
本当に,単純なのに,難しいんだから。
まあ,跳んでくれたし,ちゃんと止まってくれたから,今日のところはいいやと,愛撫して終了。
わたしも少年も指導員さんも,大急ぎで引き揚げて,洗い場に戻る。
馬装を解き,馬の手入れをしているところで,雨が降ってきた。
ギリギリ間に合ったぞ!
何度か大きな風が吹いた後に,土煙が上がるくらいの土砂降りになった。
こんなに激しい雨は久しぶり。雷の音も大きくなり,完全に夕立だ。
洗い場に繋がれた馬たちは,風で転がってくる木の枝などを真剣な表情で見つめていた。
どうして木の枝とか葉っぱとか,ありふれた物が動いているだけで,そこまで敏感になるのだろう。
ちょっと呆れたような気持ちで馬を見つめる。小さな子どもみたいだ。何もかもが珍しくて,慣れきった大人には何でもないことにも反応する。警戒心も好奇心もあり,とにかくそれに意識を集中させている。その姿はとても可愛い。
鹿毛子は動く葉っぱに驚いて人を落としたことなどすっかり忘れた様子でおやつをねだり,ちび馬くんと共にりんごと人参を美味しそうに食べていた。
いいの,いいの。きみはそれでいいの。(●´ω`●)笑
人間とは違う感じ方をする生き物が傍にいるというのは,素敵なことだなぁと思った。
ずぶ濡れになりながら馬房に戻し(せっかく拭いたのに……),しばらく待っても雨が止みそうになかったので,また濡れながらクラブハウスに戻って着替えた。
夕立直前に馬に乗ったのは初めてかな。
ちょっと痛い目もみたけれど,色んな経験ができて面白い日だった。