馬々とりんごの日々

UMAUMA TO RINGO NO HIBI 初心者の乗馬日記です。 記録のために書いています。 これから乗馬を始められる方の参考になれば幸いです。

競技会

馬場1級試験

2021年12月11日(土) 天気 晴れ

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ついに馬場1級の試験の日。

この日は珍しく開始が午後からだったので、いつもよりゆっくり目に家を出る。クラブの他にはどこにも寄らないので、家から正装していく。

白襟のシャツに、白キュロットに、ベルト、ホワイトタイとシルバーのタイピン。髪をまとめて、化粧をして。
馬に乗るまでには時間があるので(そして馬装やお手入れで汚れるので)、練習で使っているソフトシェル素材のフード付きジャケットを羽織っていった。
ヘルメットとロングブーツと白グローブと拍車とジャケットは、会場で身につけるために持参する。

乗馬を始めて、競技会に出たばかりの頃は、この正装も落ち着かなくて、何となく照れてしまって、あんまりきっちりと身につけていたくなかった。
今では慣れて、普通にそれができるようになった。
乗馬の技術はそんなに向上していないけれど、この世界に少しは慣れてきたのだと思う。

少し早く到着してしまったので、馬を出すには早過ぎて、しばらく先に行われている他の競技を見ていた。
色んなお馬さんに乗った色んな人が出てきて、とても面白い。

試験開始を目前に控えて、わたしは自分の心境がよく分からなかった。
自信はないけれど、恐れてはいない。どうでもいいとは思っていないけれど、今さらどうにかしようとも思っていない。

敢えて何も考えないようにしているような、そんな感じ。心を無にして、いつも通り、やれることをやるだけ。
この心理状態がいいのかどうかも、自分では分からなかった。

時間が過ぎ、そろそろ準備をしたほうがいいので厩舎に向かう。
ここ2ヶ月くらい、ずっと一緒に練習してきたお馬さん。
今日の調子はどうかな。練習のときみたいに反応よく素直に動いてくれるといいな。

ところが、予想外のことが起こった。

馬房の入り口で馬の名を呼んだけれど、後ろを向いたまま、こちらへ来ない。いつもはすぐにやってくるのに。
仕方ないので、無口を手に馬房に入る。馬の顔に無口を近づけたところで、いつもと違う反応がはっきりと起こった。
耳を後ろに伏せ、明らかに無口を避けて顔を背けたのだ。何度やっても同じ反応で、無口を避けるので着けられない。
馬の「嫌です。やりたくありません」という意思表示があまりにも鮮明で、びっくりしてしまった。
今までこんなこと1度もなかったのに、何で!? 競技会だから? 今日が競技会だって分かるの? 何で競技会嫌なの?

この時点で、ちょっと嫌な予感が胸によぎる。

馬の様子がいつもと違う……。
しかもどちらかと言うと、ネガティブなほうに違ってる……。

困っていると、以前このお馬さんによく乗っていたベテラン会員のお姉さんが通りかかり、馬をなだめて無口を装着してくれた。

あ、ありがとうございます( ノД`)…

嫌な予感というのも、認めるのは良くないような気がして、わたしは無視してポジティブに振る舞いながら馬装をした。

だって、だって、不安に感じたところで、しょうがないんだもの(>_<)!

馬装は普通にされていたように思う。わたしは「頑張ろうね~」と声をかけていたけれど、もしかしたら馬に嫌われちゃったかなと、内心わずかな不安を覚えていた。

いやいやいや、ダメダメダメ!
そういう不安ダメ!

馬装を終えても、まだ少し乗るには早かったので、馬を馬房に残し、舞台となるドレッサージュ馬場を見に行く。馬場整備が終わっていなかったので、ラチの長さを測って真っ直ぐにしたり、アルファベットの表示を置いたり、準備を手伝った。

その後、インドアの馬場が待機馬場になっていたので、お馬さんを連れて行き、騎乗する。
乗ってしまえば普通に動いてはくれる。長く常歩をして、その後速歩で運動。巻き乗りをしたりする。

待機馬場には他の人馬がたくさん居て混み合っているので、思うように運動できない。

駈歩をさせたら、発進はするものの、最初からやや暴走気味で、不安を覚えた。
何だか馬の落ち着きがない。
どうしよう。
何というか、少しの刺激でパーンと走っていってしまう。
拍車を外そうかと考えたけれど、馬場馬術の正装に拍車は必須だったことを思い出し、外すことを断念する。

一頭、他所から来た馬に相性の良くない馬がいて、近づくとお互いに不測の急な動きをするので気を遣った。相手の馬に乗った選手も馬を必死になだめていた。

待機馬場で怪我なんてしていられない。
指導員さんはいたけれど、あまり練習内容の指示はしてくれなかったので、わたしが自主的に馬を動かしていた。怪我できないと思うと、必然的に運動内容は控えめになって、満足のいく調整のようなことは全然できなかった。

馬場の試合が開始され、出番が近づき、馬に乗ったままドレッサージュ馬場の前に移動する。

お馬さんはずっと落ち着きがなくて、1ヶ所でじっとしていられず、更に顔を何度も上げてハミを外そうと試みていた。
こういうものかと思っていたけれど、他の待機している馬はみんな静かに立っていたので、これはわたし(の乗ってる馬)のほうがおかしいぞと察する。

……これを落ち着かせるのって、どうすればいいの?(´д`|||)

正直、わたしの浅い知識と経験からでは成す術がなく、ただ馬に乗っていることしかできなかった。

そうこうしているうちに、わたしの出番の前の人馬が演技を始めた。馬場3級の経路を踏んでいる。懐かしいな。

わたしは本馬場の手前にあるスペースで、指導員さんの指示に従い、準備運動をすることになった。
速歩で巻き乗りをして、手前を替えて。
駈歩を出したら暴走気味になり、やっぱりどうも上手くいかない。見ていた指導員さんがおかしいと感じたらしく、わたしは一度馬から降りて馬装の点検からすることに。
腹帯がゆるゆるで驚かれた。わたしも力一杯締めたつもりだったので、こんなに緩くなっていたことに驚いた。さらに鐙がいつもより長いことを指摘された。「いつもと同じ長さでやらないとダメだよ」って。

出場直前にこんなことをしていることに、もう既に半分失格しているような気分になる。
馬に乗り直して、また準備運動。さっきよりもコントロールはしやすくなった。ただ、駈歩が速くなってしまうことは変わらず、発進の時点で、そっとお腹に触れるくらいソフトな扶助でやればどうにかなるくらいの感触だった。

前の出番の方が戻ってきて、わたしは入場前に何度か速歩で巻き乗りをしてから手を上げた(「準備できました」の合図)。審判員がベルを鳴らし、試験が開始される。


速歩で入場。
停止、不動、敬礼。
美しくはないけれど、まあ普通。

その後速歩発進し、左に曲がり、斜め手前変換、歩度を伸ばす……の部分で、とんでもないことが起こった。

歩度を伸ばすために脚で圧迫すると、馬が急に暴れるように駈歩を始めたのだ。びっくりして悲鳴を上げてしまった。今まで一度だってこんなことはなかったのに!
ショックだし馬の動きが怖いし、これで試験は終わったと落胆もしたけれど、いやそれよりもここは駈歩するところじゃないと必死に馬を抑えた。

ギリギリの状態でどうにか速歩になり、速歩での8の字の部分に突入。全然綺麗じゃないけれど、ひたすら無難に終えられるよう祈りながら通過。

そして右手前から斜め手前変換で歩度を伸ばす部分で、またもやジタバタと駈歩になりかける馬。
今日歩度を伸ばす部分全然ダメだね! いつも得意な部分だったのにさ! 練習のときよりも下手な演技になってしまっているとこに泣きたい気持ちになった。

常歩パート。もはや暴走させないで常歩を継続させることだけに神経を遣いながら経路を進む。

どうにか常歩で続けられ、C地点からの駈歩発進。ほんの軽い扶助でピンポイントで発進したのはいいけれど、馬が爆走してしまう。

指導員さんは馬場の外から「身体起こして!」と叫んでおり(馬が暴走して危ないときによく言うアドバイス)、完全に出来の悪いレッスンの状態。
いや、これまで、どんなレッスンのときだって、ここまで酷くなかったよ。

15mの輪乗りはその爆走駈歩で行った。
わたし今日よくできてる部分全然ないよね?(´;ω;`)

斜め手前変換&シンプルチェンジ。
爆走しているのでものすごい止めづらいのだけれど、全力で試みたので、不完全ではあるけれど一応かたちにはなった。

再び15mの輪乗り。
正直に言って、コントロールの効きづらい暴走気味の馬に乗っているのは、身の危険を感じて怖かった。棄権しようかと一瞬迷ったくらいだ。
これがレッスンなら、わたしは有無を言わさず一回止めて仕切り直したと思うけれど、経路の「停止」ではない部分で停止するのは避けたいので継続して乗っていた。

斜め手前変換&シンプルチェンジ。
1回目よりはマシかな。

そのまま駈歩を続けて、10mの半輪乗り、そして反対駈歩。爆走している割にはスムーズに出来た気がする。

速歩から駈歩発進(この頃にはもう駈歩出すのが怖かった)。半輪乗りして反対駈歩。
精度はめちゃくちゃ低いし優雅さのかけらもないけれど、できていなくはない。

最後の駈歩発進から歩度を伸ばす部分。もはや歩度を満足に伸ばせるほどの心の余裕はなく、申し訳程度に伸ばす。

半輪乗りして中央線に入り、最高に止めづらい馬を全力で停止させ、敬礼。

指導員さんが馬場の外で拍手をしてくれ、わたしは馬を愛撫して、試験が終了した。


本当に酷い演技だった。

最初から最後まで、馬に引っ張られていたような感じ。


1つだけ誇れることがあるとすれば、最初の大きなミスにより「この試験は終わった……」と感じても、馬が暴走気味で中断してしまいたくなっても、最後まで諦めずに精一杯経路を回ってきたこと。

馬場の外に出ると、指導員さんは、「馬が試合の空気を感じ取って入れ込んでたからね」と言っていた。「でも経路全部回れたね」と。

確かにお馬さんの様子はいつもと違っていた。でも、仕方ないよね。
「生き物と出場する」って、そういうことだ。

馬は悪くないし、わたしも悪くないし、他の誰かや何かが悪いわけでもない。誰も悪くない。
でも洗い場に馬を繋いで馬具を外し、馬の首に抱きついて泣きそうになった。

本当はもっと上手くやりたかったんだよ。ごめんね。

馬は元気そうで、わたしを鼻で突っついておやつを要求したりしていた。可愛いやつだった。

合否はこの時点で分からないけれど、もしわたしが審判員なら、「うーん……今回は残念だけど、もうちょっと頑張ろう!」という判断を下すだろうと思った。

不合格でもその結果は受け入れる。むしろその結果を受け止めるための準備を今からしなければ。

お馬さんを馬房に戻し、すぐにクラブハウスには戻らずに、しばらくうつむいて、洗い場周辺の掃き掃除などをしていた。

時折「試合どうだった?」とわたしに訊ねてくる人がいて、その度に笑いながら「やらかしちゃいました」と答えていた。答える度に内心では泣きたくなった。
全然知らないおじいさんにも訊ねられたので、そう答えたら、おじいさんは「みんなそうだよ。でもいいじゃない。楽しんで乗れたら」と言ってくれて、妙に心に残った。

掃除を終え、のろのろとクラブハウスで着替えをする。結果を受け止めるのが嫌なので、ものすごい時間をかけていたような気がする。
着替え終えてソファに座り、「今日わたしより下手だった人っているのかな……」などと考えていたら、また泣けてきた。

これからどうしよう。
わたし、もうこれ以上伸びないんじゃないかな。直すべき点はいくつもあるけど、ずっと取り組んでても直ってないのは、もう能力的に限界だからなんじゃないかな。
頑張りが足りないって言われるかもしれないけど、頑張ってるよ。
もう1回試験受ける?
同じ馬で?
違う馬で?
どの馬で?
受けないとしたら、どうするの?

脱力して途方に暮れていたけれど、この後筆記試験を受けなければならないので、あんまり遅くなると事務の人にも悪いからと頑張って立ち上がり、受付に行った。

実技で不合格だと分かっている人間に、筆記試験を受けさせるスタッフも、あまりいい気持ちではないだろうなと、気の毒に思いながら答案用紙を受け取り、問題を解いていく。
内容は、普段の乗馬レッスンでは聞かないようなことも多かったので(でもテキストと日馬連の例規集には載っている)そこそこ難しくはあった。それでも問題数は少ないし、まったく知らない内容というわけでもなかったので、合格ラインを超える。

受付の人が実技試験の採点表を持ってきた。
結果が載っている採点表。
わたしは、わたしに不合格を告げねばならないこのスタッフの気持ちを少しでも軽くしようと、「わたしは平気だよ」という意味の笑顔を浮かべて待っていた。

目の前に差し出された採点表を見て、わたしの作り笑顔は吹っ飛んだ。

「ギリギリ合格です(^^)」と告げられ、思わず「え! 大丈夫だったんですか!?Σ(゜Д゜;)」と叫んでしまった。


結果は50.789%
合格ラインの50%をわずかに超えている。


誰よりも自分が1番信じられなかった。
しばらく無言で採点表を見つめていた。


時々、スポーツ選手が優勝したのにあんまり喜んでいない顔をしているという光景を見ることがあるけれど、正にそんな感じの気分だった。

合格してよかったと思う。でも、こんなに嬉しくない合格は初めてだ。

不合格になりたかったわけじゃないし、審判の決定にケチをつけるような、おこがましい真似をしてはいけないとも思う。
だけど、わたしは自分の演技に納得してはいなかった。経路は間違えずに全部回れたし、落馬もしなかったけれど、自分で自分にダメ出しした部分は過去1番と言っていいほど多かった。周りで見ていた人たちも同じだったと思う。気持ち的には惨敗だ。

審判の方々はわたしの知らない人達だったけれど、何故かものすごい慈悲の心を発揮して採点してくださったのだろうと思った。
ただし、採点表にはしっかり悪い点が見抜かれて、観察所見に細かく記入されていたことはここに記しておこうと思う。

【総合観察所見】
「ハミ突き上げで落ち着きがないので、落ち着かせること、扶助に従わせることから始めましょう。」

……本当に、わたしもそう思う。


カウンターで採点表を見つめて、「わーい♪やったー♪ヽ(´▽`)/」と言う気にもなれず、小さな声で「ありがとうございます……」と呟いた。自分でもびっくりするくらい弱々しい声だった。笑顔をつくって「これからも頑張ります」と言ってクラブを後にする。

いつもは競技を終えると、家に帰る前に家族や友人らに「◯位になったよ♪」「合格したよ!」などとメッセージを送っていたけれど、それもできなかった。

この現実をどう捉えていいのか分からず、混乱した状態のまま家に帰り、競技に使った服を洗濯をした後は、長い間こたつで横になっていた。

今日は、今日はもう何も考えなくていい。
とりあえず終わった。

結局わたしは7位だったので、競技会に出るようになってから初めてリボンがもらえなかった。(そして、わたしより下の順位の選手がいたことに驚いた。)

ほんとはね、上手くやりたかったんだ。もっと、ずっと、上手に、カッコよく。


落ち込んでいたけれど、それなりに長い時間を経て、もう一度採点表に目を通した。

できていない箇所も、いっぱいあるけれど。
でも、きっと、この合格は、「ギリギリ最低限のことは出来てると認めるから、この合格に恥じないように頑張りなさい」というエールなんだろうと、思うことにした。
合格にも色々あるんだ、たぶん。

わたしはいつか、胸を張って「1級に合格した」と言えるようになりたいと思った。
今はまだ、取得したものと実力に解離があるような気がするから。
そのために頑張りたいと思った。



【これまでにもらったリボン 合計11個】
青 3 
赤 1
黄 2 
白 1 
桃 0
緑 4 

リボンなし 1   NEW!


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練習試合(A3課目)

2021年10月10日(日) 天気 晴れ

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乗馬の練習を再開して、まだ3回レッスンを受けただけですが、クラブ内競技会が開かれるので参加してきました!

例によっていつもより早く起きてクラブに向かいます。
パートナーはアパルーサちゃん。
直前に練習で2回乗っていたのがアパルーサちゃんだったので,ご指名したのだ。

わたしの前にアパルーサちゃんに乗って馬場の競技に出る方がいたので,その人が先に乗っていた。試合が始まる前のドレッサージュ馬場でフラットワーク中。
今日の調子はどんな感じかと,馬場の外で他の人たちと一緒に眺める。
結構長い時間,常歩して速歩して駈歩して,巻き乗りしたり三湾曲したり……。
刻々と試合開始時刻に近づいていく。

……あれ? もしかして,これ,わたし練習できないパターン……?

だって,彼女の出番からわたしの出番まで,そんなに時間ないよね?
これはぶっつけ本番になるかもしれないと,ちょっと覚悟した。

先にアパルーサちゃんに乗っている女性は,次にわたしが乗ることを知っていたので,運動させながらわたしに近づくと,「口がかたい!(゚д゚;)」とアパルーサちゃんの様子を報告してくれた。
うん……アパルーサちゃんだからね(´∀`;)
障害の練習のときも,止めるのめちゃ苦労するもん,このお馬さん。

そうこうしているうちに,あっという間に試合開始。
楽しい楽しいクラブ内競技会の始まりです(´∀`*)笑
公認競技ではないので,全体的に練習の延長のような雰囲気で,皆リラックスしている。

わたしの前にアパルーサちゃんに乗る方は,1番目に出場してA2の経路を回っていた。
ところがあまり経路を覚えていなかったようで,途中でベルが鳴りやり直しに。
周囲の人々に経路を聞くものの,全員うろ覚えで,ついに審判員が経路の説明を始めた。
わたしも2級の試験で乗った経路だけれど,A3の経路を覚えたらすっかりA2の経路は忘れてしまっていた。

どうにかこうにか1番目の方が演技を終えて戻ってきて,そのままわたしが乗り替わる。
鞍は彼女の私物ですが,お借りすることにしました。
馬場鞍,とても乗りやすかったです(●´ω`●) ありがとうございました。

出場まで少しだけ時間があったので,指導員さんに案内され,まだ人のいないアリーナを使って練習することになった。
わーいヾ(=^▽^=)ノ♪
指導員さんがついてくださって,10~15分くらい,みっちりレッスンを受けられたのでよかったです。経路を回ることも含めて,普通に1回分のレッスンみたいな感覚でした。

今日は練習で出場するんだもん。
アパルーサちゃんはこの時点で汗をかいていて,申し訳ないけれどあと少し頑張ってねと声をかけてアリーナに連れていった。

最初はアリーナの外周を常歩で1周し(途中で勝手に速歩にしたら「常歩!(*`Д')」と怒られた),その後直径15mくらいの輪乗りの円を描いて,そこで練習することになった。

速歩で進んで,停止。
停止から速歩発進。

駈歩発進。一周して常歩に移行。
常歩になったらまた駈歩発進。

円の中でS字を描いて手前を替え,同じように速歩や駈歩と歩様の移行の練習を行う。

反対駈歩の練習。
左手前から。
円を外れて真っ直ぐ進み,半巻きして反対駈歩で直線に戻ってくる。
左手前はまあ上手くいったものの,右がとうにも上手くいかない。
2度も3度も失敗し,最後の場所を変えて,斜めになだらかに蹄跡に戻る方法で,どうにか少しマシな感じになる(でも完璧に反対駈歩できているとは言い難い)。

出番がやってきて,大学生のアルバイトさんに「小夏さん,次です」と呼ばれる。

うん,大丈夫,大丈夫。
できるできる。
というか,やるしかない。

やるぞアパルーサちゃん。あとひと踏ん張り。

アパルーサちゃんはアリーナから洗い場の前を通るルートで「お仕事終わり!」と思ったのか,そのまま洗い場を素通りさせられると不服そうに足取りが重くなった。

ちょっと! 本番は今からだから! 頼むよ!(;´Д`)
前に1人乗せて疲れているだろうけれど,あと少しだけ頑張って! お願い!

乗馬なんて,馬がやってくれなきゃ,どうにもならない。

前の選手もA3課目の演技をしていて,とても上手だった。
苦手な反対駈歩の部分も,指導員さんに言われてよく見ていたのだけれど,スムーズにこなしていた(なだらかに蹄跡に戻るとGOOD)。

前の選手の演技が終わり馬場から出てきたので,ついにわたしとアパルーサちゃんの出番。
ベルが鳴る。

練習でも試合でも,試験でも,公認競技でも何でも,やることって,いつも同じなのだ。
その時々の精一杯を。
できなかったとしても,できるように頑張るだけ。

競技場の外で2周ほど速歩で輪乗りをしてから入場。


この日の運動の内容を,すべて細かく覚えてるかと言ったら,答えは否。
緊張しているつもりはなかったけれど,これでもたぶん少しは緊張していたのだ。
ただ,いつもできている速歩で歩度を伸ばしながら斜め手前変換や輪乗りなどは,普通に出来ていたと思う。常歩も悪くなかったし,駈歩だって狙った箇所から発進できた。
でも,レッスンでいつも難しく感じていたシンプルチェンジや反対駈歩は残念な感じになってしまったのが,自分で分かった。最後までエネルギーや集中力が持たず,駈歩で中央線に入って中央Xで停止の部分も,途中から速歩になってしまい,採点表には「エンスト」と書かれていた。

演技を終え,傍で見守ってくれていた指導員さんだけが拍手を送ってくれた。

結果は 46.32% で6位。

この夏はオリンピック観戦で,散々70%や80%を超える点数を見ていたので,ものすごく低い点数に思えた。

ちなみに順位ですが,上級者のマダムとフリージアンが棄権していたため6位入賞にすべり込んだだけで,彼女たちが出場していたら,わたしはリボンなしの7位になっていたと思われます。
今回のリボン獲得は完全に運。

3級試験やA2課目では「6点」取れていた箇所も今回はことごとく「5点」になっており,何だか少し悲しくなってしまった。

アパルーサちゃんの馬装を解き,ぬるま湯のシャワーで洗う。
頑張ってくれたのに,ごめんね。

馬は今日2人も乗せて汗だくになるほど頑張ってくれたのに,いい点数が取れなかったので,馬に対して申し訳ないような気持ちになった。

正直に言って,わたしは自分の力量のなさにがっかりしていた。
怪我による練習不足で,2鞍くらい練習しただけでいい成績が取れるほど甘くはないと知っているけれど。頑張ってどうにかなるかどうかも未知数で,「これをバネにして頑張るぞ!」というような,やる気が湧いてくるような心境にはなれなかった。
でも,ここでやめてしまうのも,何か違うんだよなぁ……。

こういうとき,人間が点数だの成績だの順位だのに一喜一憂しているのに,馬はそんなことを全く気にせずいつも通りに過ごしていることが救いになる。

人参をあげると大喜びでバクバク食べて,じゃれついてくるのが可愛かった。
こういう姿を見ていると,ほっと息をついて「まあいっか」という気持ちになる。

成績がよくなかったからと言って,このお馬さんに乗って運動したことが無駄だとは思わないし,思いたくない。楽しかったよ。
たとえ上手でなかったとしても,上達が遅くてずっと同じことをしているように思えたとしても,馬に会いに来るためだけに乗馬を続けてもいい。そんな風に思いました。

まあ,これから。ぼちぼち頑張りましょう♪


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10個目のリボン(60㎝ジャンプ)

2021年3月21日(日) 天気 雨

☆*゚ ゜゚*☆ 祝・10個目のリボン獲得! ☆*゚ ゜゚*☆

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今年2回目の馬術大会に出場してきました!(*゚∀゚)
なんと今回は,初の雨の中の試合でした!

雨の日に走行するのは怖いので,晴れてくれることを願っていたけれど,天気予報は一週間前から何度見ても「雨」から予報が変わらなかった。
予報が外れてくれることを全力で祈っていたものの,前の晩からついに雨が降り出し,起床時にもしっかり雨が降っていた。

ああー……('A`|||)
天候はしょうがないんだよね……
人がコントロールできるものじゃないから。

馬術の試合は,雨でも決行される。
もともとは軍隊の訓練から始まった競技だから,天候は関係ないのだそうだ。
雷が鳴ったり強風で障害が倒れたりしたら中止になるけれど(あとは積雪により蹄鉄に雪が詰まるとすべって危ないという理由で中止になったこともあると受付の人が言っていた),ただ雨が降っているだけであれば中止にはならない。

仕方ない! 運命だ!(>_<)

技術が未熟なので,本当に危ないと感じたら棄権しようと考えていたけれど,本気で全力で気を付けて乗ってしまってもいい経験になるかもしれないとも考えていた。

競技開始時刻は朝の7時。
準備のために6時には現地に到着していたいし,自宅からクラブはまでは車で1時間かかるので,出発は5時。
起床から出発まで1時間とっておくと安心なので,起床は4時。

なんと4時起き!
日の出前!(゚∇゚ ;)!

まだ真っ暗な時間帯に家を出た。
くっ……早起きが辛い!
下のほうのクラスだとこれが大変なのだ。

雨は弱まる気配もなく,馬場の状態が心配で仕方なかった。
かなり本降りの雨だったので,「ほんとにやるのかなぁ」などと思いながらクラブに到着すると,競技会場で普通に下見をしている人たちがいてびっくりした。

ふおぉぉぉ……みんなタフだよ,本当にタフ……!

クラブに到着した時点で,まだ6時にはなっていなかった。
朝の5時からこんなに活動している人たちがいるなんて……(つд⊂)ゴシゴシ

今日のパートナーも黒馬くん。
試合といえばこのお馬さん♪
最初の頃は「動かなくて苦手だ」とか言っていた気がするけれど,他の馬なら上手くいくというわけでもないし,慣れているだけいいかなと最近は思っている。

厩舎ではアルバイトの大学生たちが馬房の寝藁を片付ける作業をしていた。
わたしが行くと,ちょうど黒馬くんの馬房が掃除されており,黒馬くんはドアの隙間から顔を出し,トラックに積まれた汚れたオガの中に混ざった牧草を選んでつまみ食いをしていた。

ちょ……今日最初に目撃した姿がこれだなんて!(笑)

馬具を用意し,トラックが移動してから黒馬くんを洗い場に連れ出し馬装をする。
つまみ食いは美味しかった?
いつも通り可愛い(*´∇`*)

「今日は雨で大変だけど,これが終われば今日のお仕事はもう終わりだからね」と,黒馬くんに話しかける。

馬装が済んだので,下見を行うために馬場に出た。
ヘルメットと,防水仕様のソフトシェル素材の上着で身体が濡れることを防ぐ。
夏の試合で雨の中を走っている選手は見たことがあるけれど,寒い時期の雨に濡れるのは辛い。

馬場に入ってびっくりした。
砂がシャーベット状になっていて足が取られるのΣ(=゚ω゚=;)
こ,こんな状態でジャンプなんてできるの!?Σ(´д`;)

馬術競技会にかかる費用(エントリー料や借馬料)は決して安くないのだけれど,わたしは「貴重な経験を買う」つもりで参加している。

確かにこれは貴重な経験だけれども!
ここまでハードモードの経験にならなくても!(゚∇゚ ;)


馬場内にいた指導員さんと一緒にコースの下見をする。
指導員さんは「機械でコースを均したから一応地面は締まっているはず」と話していた。
確かに馬場内には少し締まって地面が固い部分と液状化した部分が存在していた。
半分くらい水たまりの中を進む。

指導員さんは「あの馬は完歩関係ないから! とにかく押して走らせて」と強調していた。

完歩関係ないのね,黒馬くん(´∀`;)笑
わたしも完歩まで考えられるほどの余裕ないからちょうどいいのかもしれない。
ああ,でも,そろそろ試合中でも色々考えて調整しながら走行できるようになりたいなぁ。


【今回のコースの障害の高さ】
第1障害 50㎝
第2障害 50㎝
第3障害 55㎝
第4障害 55㎝
第5障害 55㎝
第6障害 55㎝
第7障害 60㎝
第8障害 60㎝


下見で回ってみると,高さはそんなでもないけれど,どうなんだろうな,このコンディション……。

ひと通り覚えたので,戻って黒馬くんに乗り,準備運動のためにインドアの馬場に向かう。
鐙の長さ調整に手間取っていたら,その場にいたクラブオーナーが「時間ないから」と見かねて調整してくださった。す,すみません!('д` ;)

その後,バーッと常歩して軽速歩して駈歩して,クロスバー障害跳んで垂直障害跳んでオクサー障害跳んで,あっという間に時間が来たので待機馬場に向かうことになった。
練習を見ていてくれたクラブオーナーはわたしに「とにかく遅いから追って!」とアドバイスをしてくれた。実はクラブオーナーから馬術指導(?)を受けたのはこれが初めてだった。

黒馬くんはいつも遅いけれど,黒馬くんにしては最初からよく動いていると思った。
わたしの気持ちが焦っているせいか,黒馬くんも少し焦っているように感じられる。
大丈夫かな。走ってくれるし,向かわせればジャンプもしてくれるけれど。

待機馬場はジャブジャブの水浸しで,いつもの指導員さんが待っていた。
指導員さんの指示で軽速歩をして,駈歩をして,3回くらい障害を跳ぶ。
水たまりの中でも黒馬くんは走ってくれて,ジャンプもしてくれた。

昔,乗馬を始めた頃に,馬場の一角の小さな水たまりの上を走るのに怯えていたことが嘘のようだ。
もうそんなの比じゃない。馬場の半分近くは水たまりのような状態だ。
それでも試合直前特有の「やらなきゃ!」という使命感で,恐怖心は少なかった。
ただ,普段以上に気をつけなければいけないということは,頭の片隅にあった。

こんな状況だし,今日はもう,人馬共に無事に帰ってこられればいい。
試合結果よりも何よりも,怪我をしないで帰ってくることを最優先に考えよう。

この時点で,わたしは「勝とう」という気持ちを半ば捨てていた。
無事に,経路を間違えず,できれば障害も落とさずに,そうして走行を終えられれば充分だと考えた。

わたしと黒馬くんは8番目の走行だったけれど,次々に前の選手が走行を終えて帰ってきた。
本馬場に入場してから隅のほうで指導員さんと共に前の出場者の走行を見ていたのだけれど,直前の2人馬がなんと連続で同じ経路違反をしてしまい,びっくりする。何故か6番目の障害を抜かしてしまうのだ。

あの障害,見落としやすいのかな? (=゚ω゚=;) 気をつけなくちゃ!

そしてついにわたしと黒馬くんの出番がやってきた。
気持ちが急いでしまい前に出ようとして指導員さんに「まだまだ!」と注意される。
気持ちを落ち着けて馬を停止させ,審判員席に向かって敬礼する。
ブザーが鳴った。
本降りの雨の中での試合,スタート!

右手前でスタート。
何だか駈歩が変な感触だったので,「あ,もしかしたら手前逆かも」と頭をよぎる。
それでも走っているので,そのまま第1障害に向かわせる。
まずは50㎝。黒馬くんはジャンプしてくれた。

そのまま右に,ほぼ90度曲がって第2障害に向かう。
これも50㎝。無事にジャンプ。水しぶきを上げながら,普通に走る。
変な飛越でバランスを崩すようなこともなかった。

そこから右に約45度カーブを描い第3障害。ここから55㎝。
走行中は,5cmくらいの差はほとんど分からない。
重い馬場にも関わらず,黒馬くんは彼にしては速いスピードでどんどん走り,障害飛越をこなしていってくれた。

左に大きくUターンして,第4障害。
必死だったけれど,コースをよく見て真っ直ぐ入れるように誘導を意識していたような気がする。

馬場の外周に沿ってそのまま走行を続け,木の外側を回って第5障害。
第5障害前が川のような水たまりになっていたので,一瞬,「これを嫌がる馬もいるかも」と脳裏によぎる。

水濠障害って,嫌がる馬が結構いるのだけれど,今日は小さな天然の水濠障害があちこちに存在しているような状態で,これが原因で拒止なんてこともありうるなと考えた。(実際,この後の試合で水たまり前で止まってしまう馬を見た。)

黒馬くんは度胸が据わっているのか,それとも試合で必死になって訳が分からなくなっているのか,そのまま水たまりを突っ切って第5障害も跳んでくれた。

そのまま大きく左に回って第6障害。これを抜かしてしまう経路違反が多かったので意識して「跳ぶぞ!」と肝に銘じていたため無事にジャンプ。

ところが第6障害クリアにほっとして,第7障害を一瞬見失う。

「7どこ!?Σ(=゚☐゚=;)」

思わず叫ぶと,馬場内にいた指導員さんが「7番そこだよ!」と示してくれた。
ご助言本当にありがとうございました!(;TДT)

第7障害。ここから60㎝。気持ち高くなったような気がする。
これもジャンプクリア。
走行がフラフラしているのか,指導員さんから「手綱しっかり持って!」という声が飛んできた。

残る障害はあと1つ。頑張れ!

第8障害は,そこから右に大きく180度以上回った先にあった。
馬場内に飾りのような置物が置かれており,置物の内側を通ってショートカットすることもできたのだけれど,何となく大きく外側を回って走行した。
今がどのくらいのタイムなのか見ている余裕はなかったけれど,基準タイムに合わせる競技だから,速過ぎてもいけない。

黒馬くんは無事に最終障害も飛越し,そのまま駈歩でゴールを切った。

よくやった!.。゚+.ヽ(TдT)ノ゚+.

無事に走行を終えたことに安堵したけれど,黒馬くんは興奮しているのか,少し落ち着きがなかった。速くはないけれど,なかなか駈歩をやめようとせず,ラチの外の雨に打たれる草木に怯えたのか,避けるような変な動きをしていた。
名前を呼び続けて手綱を引き,「ホー(停止の合図)」と声掛けをしてなだめ,どうにか待機馬場に戻す。

黒馬くんを落ち着かせることに必死になっていたので気付かなかったのだけれど,このときわたしは,これまでの出場者の中では最も基準タイムに近く,暫定1位になっていたらしい。

待機馬場に戻ってから整理運動をさせようと歩かせていても,やっぱり黒馬くんは何かに怯えたような軽い横っ飛びのような動きをしたり,後ずさりをしたりしていて様子が少しおかしかったので,身の危険を感じたわたしは下馬することにした。
わたしが無茶な乗り方して,軽いパニック状態にしちゃったのかな?(´・ω・`;)

馬から降りて首を撫でていると少し落ち着いたようなので,そのまま引いて歩いて洗い場に戻った。
馬具を外して,汗と雨でびしょびしょだったので,おやつの人参をあげつつ,お湯で身体を洗うことにした。
洗っているときは気持ちよさそうにしていたのでよかったのだけれど,わたしはその後,馬を洗ったことを後悔した。
なにしろ雨で湿度が高いから全然乾かない!(;´Д`)
馬体からは湯気が上がっている。気化熱で冷えてかえって風邪をひいてしまうのではないかと心配になり,水切りの後,大判バスタオル3枚を消費して黒馬くんの身体を拭きまくった(黒馬くんはその間,おやつを要求しまっくっていた)。
ああ,ドライヤーでも持ってくればよかったよ(>_<)!
ある程度乾いたので,これ以上はもう無理だと判断し馬着を着せて馬房に戻した。
風邪ひかないでね(´;ω;`) お願いよ。
厩舎内にあったヘイキューブを1つ持ってきて与え,「これで体温を保ってくれ」と願う。

こんなことを一生懸命やっていたので,結局自分の順位が何位になったのか分からなかったのだけれど,帰り際に受付に立ち寄った際に3位入賞していることが判明した(コロナ対策のため表彰式はなし)。

春らしい黄色のリボンと,地元馬術連盟から銅メダルが贈られた(*´∇`*)♪
わーい♪ やったよ黒馬くん(´∀`*) 雨の中頑張ったよね♪

初めての雨の日の試合だったけれど,黒馬くんの頑張りもあり,結果は嬉しいものだった。

水浸しの馬場でも完走できたという事実は,今後のわたしの自信につながるかなと感じた。
ただ,走行はそんなに普段と大きく違うわなかったと思うけれど,実は2回くらい,わずかに,車でいうところの「ハンドルをとられる」ような感触を味わう瞬間があり,「これは無理はできないな」と感じたことを覚えている。わたしの技術の未熟さから来る現象だったのかもしれないけれど,「雨の日でも全然平気」とは,今でも思っていない。


60㎝の試合に出場したのは,これで3回目。

昨年10月4日  67.45秒(基準タイム50秒) 全長160m 障害8個
昨年12月13日 63.75秒(基準タイム57秒) 全長330m 障害9個
今年3月21日  52.90秒(基準タイム54秒) 全長290m 障害8個


速くなってる!.。゚+. ヾ(=^▽^=)ノ ゚+.゚

今回は基準タイムよりも速く走行できたよ(*´∇`*)♪


【これまでにもらったリボン 合計10個】
青 3 
赤 1
黄 2 NEW!
白 1 
桃 0
緑 3 
リボンなし 0



おめでとう,連続入賞10回目。
ほとんど(馬場3級試験を受けたアパルーサ以外)黒馬くんと取ったリボンだ。

これはわたしだけのリボンではなく,馬と一緒に獲得した貴重なもの。
もっと言えば,乗馬を教えてくれる先生や,場所を貸してくれたクラブや,馬の世話をしてくれている厩務員の方たちや,一緒に練習している人たちや……もう数限りなく関わってくださった存在すべての結果として,ここにあるものなのだ。

いつもいつも,本当にありがとう。
今ここで,この現象に立ち会えたことに,心よりの感謝を。


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増殖する緑(クロスバージャンプ) 

2021年2月21(日) 天気 晴れ

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LYCKA TILLのチョコをいただきました。馬柄がとっても可愛いです(●´ω`●)♪


先週乗馬を再開したばかりですが,クラブ内競技会があったので出場してきました(=^▽^=)ノ
練習は前回の1回(30分)しかできなかったので,本当は60㎝のジャンプ競技に出たかったのですが,ランクを下げてクロスバージャンプの競技に出場することにしました。

これも練習の一環だと思っている。
競技にも徐々に慣れていきたい。

試合のパートナーは黒馬くん(●´ω`●)
もうここしばらく「試合」といえばこのコ(笑)

競技開始が予定より30分早まっていたので(わたしが遅刻したわけじゃないよ!),黒馬くんは馬装された状態で洗い場に繋がれていた。


わーい♪ 久しぶりだけど今日もよろしくね(*´ -`)(´- `*)♪


黒馬くんは元気な様子だった。
手を伸ばすと,鼻先でモヒモヒと手を触ってくる。
何というか,ちゃんと目が覚めている感じ。

でもわたしが経路図を確認して下見に行っている間に,日向が暖かかったためか,黒馬くんはうとうとし始めていた。


待って(´∀`;)! これから,これから!


騎乗して腹帯を締め直し(恐怖を覚えるレベルに緩かった),鐙の長さ調節に手間取り(鐙革が新しくて信じられないほど硬い),ようやく準備運動のために外の広いアリーナに出る。
今日の競技はすべて屋内馬場で行われるため,アリーナが練習場になっているのだ。

一度眠くなってしまった黒馬くんはのろのろスタートした。
わたしは鞭と拍車を装備しており,試合直前で時間もないので,「脚→効かなければ鞭」のコンボで速歩を出し,軽速歩を継続していく。

ここは「どうしよう,動かない……」「もうちょっと様子見てから調子上げよう」なんてことをやっている場合ではないのだということを,過去の経験から学んでいた。


今すぐに,使える状態に持っていく。


それが急務だ。だってこれは試合だから!
で,この黒馬くんは,「ちょっと厳しいかな」と思うくらいガツガツやれば,ちゃんとエンジンがかかって動く。

重いには重いけれど,絶望的に動かない感じではないなと,やや良い感触を受ける。

アリーナを軽速歩で一周して手前を変えたところで,指導員さんがやってきて調整指導をしてくださることになった(ありがたい!。・゚・(ノД`))。

指導員さん的には,それでもまだ「動いていない」という判定で,「尻に鞭を打て!」と指示が飛んできた。
普段あまりお尻に鞭を入れることがないので,ぎこちなく一発。黒馬くんはビクッとしたものの,そこまでスピードアップはしなかった。


指導員さん 「もう1回打って!」 


もう一発お尻に鞭を入れると,速歩をしていた黒馬くんは駈歩を始めた。
駈歩の練習もしなければならないことが分かっていたので,そのまま駈歩を継続させてアリーナのラチに沿って進んでいく。

そうそう!
できるできる!

指導員さんは馬場の中にクロスバー障害を1つ作って「左手前で入りましょう」と指示を出してきた。
ぐるっと回ってクロスバーに向かうと,なんと黒馬くんは障害前で止まってしまった。


なんと!Σヾ( ̄0 ̄;ノ


なんか,馬が跳ぶ気をなくした!?
 しょうがない,もう1回!

指導員さんからは「跳ぶ時に拳を前に出して」とアドバイスされた。

ところが黒馬くんは障害を避けた。
障害のすぐ傍にいた指導員さんが活を入れるために怒って(?),黒馬くんは指導員さんとは逆方向に避けるような変な動き方をした。


指導員さん 「今馬が行く気になってたから,行かせちゃえばよかったのに(´・ω・`;)」

小夏 「いや,なんか,変な動きしたから……('д` ;)」


やばいやばいやばい!
跳ばなきゃ話にならないわよ!

気を取り直してもう1回。
お願い跳んで!

黒馬くんはようやく1回障害を跳んでくれた。
よしよしよし! できるじゃん!(;TДT)
「そうだよ,それでいいんだよ」と大袈裟に愛撫する。

もう1回跳んで,次は逆の手前で障害に入る。
試合はコース走行だから,どちらからでも跳べるようにしておかないと!
右手前でも,どうにかジャンプに成功した。

ちょうどこの時,試合開始のアナウンスが流れた。
そのまま馬を歩かせて試合会場にまで移動する。

馬に乗ってからこの状態に持ってくるまで,10分くらいだったと思う。
ものすごく密度の濃い10分だった。
試合開始前に,すでに汗だくの小夏。
それでも,何回かジャンプに成功した状態で試合に臨めるのは幸せなことだった。

わたしと黒馬くんの出番は2番目。
1番目の人馬はゆっくり慎重に回ってノーミスで帰ってきた。

あっという間に出場。
黒馬くんは何かを察したのか,元気よく速歩で入場していった。
今回の障害はすべてクロスバーで全部で7個。
馬場に入って審判員席に敬礼し,左手前でスタート。

第1障害は余裕でジャンプ。
いつもは重い黒馬くんも,勢いがついて力いっぱい走ってジャンプをしていることが分かった。
前進気勢があり,ややスピードが速いような気がする。
基準タイムに合わせる競技なので,速過ぎたら抑えなきゃと脳裏によぎる。
第2障害もジャンプ。

そして,左に回って隅角から斜めに馬場に入ったあたりにある第3障害の前で,わたしはついに,人生初の「試合での不従順」を経験してしまった。

隅角を深く回り過ぎてしまい,障害に対してかなり斜めに向かってしまったため,馬が跳ばずにそのまま障害を避けたのだ。

「不従順」「反抗」という言葉を使うと,「馬がやらかした」印象が強くなってしまうけれど,今回に関しては,完全に人間側のミスであることが自分で分かった。
誘導ミスだ。
でも試合中なので落ち込んだりしている暇は1ミリもない。
気を取り直して障害前から左に回転し,駈歩を出してそのまま障害を跳ぶ。
ちゃんと真っ直ぐ障害に入れば馬はすんなりと跳んだ。

その先にある第4障害もジャンプ。
右に回転して斜め先にある第5障害障害もジャンプ。

やっぱり黒馬くんにしてはスピードが出ている。

今回のクロスバーの試合は基準タイム(40秒)に近い人馬が勝者となるので,速ければいいというものではないのだけれど,もともと遅い馬だし,第3障害前のミスでタイムロスしているので,飛ばせるだけ飛ばしてしまおうと馬を加速させた。

馬場の周囲に沿って設置された残り2つの障害も,その速い動きのままジャンプ。
奇跡的に踏み切りも合っていたので,障害は1つも落とさずにゴール。

わたしがミスをしてしまったものの,試合中ずっと頑張って動いてくれていたことが嬉しくて,黒馬くんの首をバンバンと強めに叩いて愛撫した。

ほんとにいい馬だわね(*´∇`*)

しょうがない。こういうこともある。
減点4になっているので上位入賞はないだろうことが分かっていたけれど,やり切った満足感でご機嫌だった。

馬場を出ると,試合の様子を見ていた指導員さんが
「(第3障害の前で)ちょっと外に膨らんじゃったね」と言っていた。
そして
「黒馬くん元気に動いてたね」
と,びっくりしたように感想をもらした。
「外で準備運動していたときより全然元気だった」
と。

うん。わたしもそう思う(´∀`)笑

なんというか,このお馬さんは,「やらなきゃならないとき」っていうのが分かるんじゃないのかな。
普段はサボって動かない重い馬だけれど,試合本番で会場に出ると,いつも元気よく動き出して速く走る。

今までずっとそうだったので,その様子を見てきた指導員さんが

「この馬は,小夏さんが乗ると,不思議と走りますね」

と,本当に不思議そうにコメントしてきた。

「そうなんですよ! 本番になると走るんですよ!」

と返すと,「本番でも走らない人のときは走らないですよ」と,苦笑して返された。

そうなのか……。黒馬くんが元気に走る条件って何なんだろう?
でも,このクラブで最も重いと言っても過言ではない黒馬くんを,試合本番限定であっても活発に動かせているのだということは,誇らしいことで,嬉しくなった。

わたしの後に黒馬くんに乗る人はいなかったので,さあ,後はのんびり楽しもうと,広い外のアリーナの外周を手綱を伸ばしてゆっくりと歩かせた。
わたしはもう一周したかったけれど,黒馬くんは一周終えて出入り口に近づくと「はい,もう終わりね」とぐいぐいそちらに動き始めた。
ちぇー(・ε・) まあいいや,頑張ってくれたから(´∀`*)
黒馬くんの意思を尊重して,整理運動はアリーナ一周でおしまいにした。

その後はお手入れ。
馬体をきれいにしながら,刻んだ人参を少しずつあげる。
競技はまだ続いていて,色んな放送が聞こえていたけれど,お手入れが終わる頃にはクロスバー競技は終了し,順位の発表が行われ始めた。

今までずっと出場した競技ではリボンがもらえていたけれど,今回は減点があったのでついにリボンなしになるかと覚悟したけれど,なんと最後の最後,6位入賞にすべり込んだことが判明した。
減点4はわたしを含め2名いたのだけれど,もう片方の人馬よりもわたしたちのほうがタイムがよかったので,ギリギリのところで入賞となったのだ。

「6位だって,よかったね」と,お手入れ中の馬の首に抱きついて報告する。


グリーンのリボン(6位入賞)はこれで3個目。
家に緑が増殖していく(笑)
個数はブルーリボンと同率に並びました(^∀^)


【これまでにもらったリボン 合計9個】
青 3 
赤 1
黄 1
白 1 
桃 0
緑 3 NEW!
リボンなし 0


6位入賞も嬉しいけれど,できれば次は違う色のリボンが欲しいなぁ(´∀`*)
頑張ろうっと(●´ω`●)♪


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キセキのGreenリボン(60㎝ジャンプ)

2020年12月13(日) 天気 くもり


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この日はクラブの馬術競技会に出場しました。(*・ω・)ノ
今後は試合も練習の一環として挑戦していこうと思います。

馬に乗り始めたばかりの頃は,乗馬も「普通のこと」ではありませんでした。
競技会に出場することも,今は「特別なこと」でも,何度も出場して慣れていけば,いずれは「普通のこと」になるだろうと思います。


とにかく何度も繰り返して,慣れていかなければ!.。゚+.(`・ω・´)゚+.゚

そんな気持ちでクラブに向かう。
冬の朝は暗くて寒いので,早い時間帯に始まる競技に参加するのは辛い。
到着して車を停め,「昨日より寒いね」なんて会話をしているお客さん達を横目に,クラブハウスへ。

受付で相棒のお馬さんを確認すると,案の定黒馬くんだった(´∀`)笑
競技会では何故かいつも一緒のお馬さん。
どんなお馬がやってきても精一杯やらせていただこう。
順番は競技の一番最後だった。

自分の準備を済ませて,馬房に黒馬くんを迎えに行く。
いつも通り,可愛い顔をしてもふもふしている黒馬くんの顔を撫でる。

よろしくね,よろしくね♪(*´ -`)(´- `*)

馬を引っ張っていき,洗い場につないだところで,信じられないアナウンスが流れるのを聞いた。


 『只今の時刻を持ちまして,下見を終了とさせていただきます』


………え?(=゚ω゚=;)


なんと,わたしは競技開始時刻を30分間違えており,下見の時間が取れなかったのだ!


あわわわわ……!Σ((゚д゚;)))


洗い場にいた指導員さんに「下見できませんでした!(;TДT)」と泣きついたら,「馬装はやっておくので経路図と馬場の障害見比べて覚えてきてください」と言われる。

ああもう,わたし最低!。・゚・(ノД`)
時間は遅れる!下見はできない!馬装は人にお願いする!
もう~・゚・(ノД`;)・゚・

同じ競技の最初の出場者が出てきたので,経路図よりもこちらを見て覚えることにした。
2人馬が走行を終えた時点で,なんとなく覚えたような気になり,馬の元に戻る。
指導員さんにお礼を言って,その場で馬に乗る。

お願いね,黒馬くん。(>_<)

きみは動けばすごくいい馬なんだ。
動かないと泣きたくなるけど。

わたしの出番は最後とはいえ,もう競技は開始しているので,そのまま待機馬場に向かう。

動け♪ 動け♪ 黒馬くん♪

今日は外の広いアリーナで行われる60㎝のジャンプ競技に参加する。
10月にようやく60㎝の試合デビューを果たしたので,このまま参加を続けて,「60㎝のコースを回ること」を習慣化して「別に気負わなくてもできる普通のこと」にしてしまおうと思った。

同じ「60㎝のジャンプ競技」と言っても,内容は大会によって異なる。
コースが違うのはもちろん,障害の高さや数も違う。

わたしも最初の頃は知らなかったのだけれど「60㎝クラスのジャンプ競技」と言った場合,そのコースの障害すべてが60㎝なわけではなく,「最大高が60㎝」という意味なので,コース中にはそれよりも低い障害が設置されていることが多いのだ。

前回の大会よりも今回の大会のほうがグレードは高いので,難易度は増していた。


【前回】障害数8個 全長160m
障害の高さ①40㎝②50㎝③45㎝④55㎝⑤50㎝⑥55㎝⑦55㎝⑧60㎝

【今回】障害数9個 全長330m
障害の高さ①50㎝②50㎝③55㎝④55㎝⑤55㎝⑥55㎝⑦55㎝⑧55㎝⑨60㎝


コース全長は前回の倍以上。
障害9個中6個が55㎝で,50㎝未満の障害はない。
わーお('▽'*)♪

難しいのかどうかはわからない。
試合直前にもなると,もはや「難しい」とか「恐い」という感覚よりも「やらなきゃ!」という気持ちが勝る。


待機馬場にはいつものように多くの人馬がいたけれど,コロナ対策のため密にならないように,入れる人馬の数が制限されていた。
次の出場者も待機馬場内のチェーンの前ではなく,本馬場内の隅で待機することになっていた。

とりあえず常歩させてから,軽速歩。
前回ほどの重さはないけれど,「軽快」ではない。
馬装をしてくれた女性の指導員さんは,前回わたしが待機馬場で一度も跳ばずに試合に出た事実に驚愕しており,「よくそれで本番跳べましたね」「その経験があればもう何も怖くないよ」と声をかけてくれた。

待機馬場は狭くて混んでいるし,色んな動きをしている人馬がいるので衝突しそうでヒヤヒヤする。
正面から走ってくる馬がいて,自動車と違って右側通行も左側通行もないからどっちに行こうかと迷っていると,乗っている選手が「外行きます!」と声をかけてくれた。

そうか……こういう場所ではこういう声掛けが必要になるんだ!(=゚ω゚=;)
やってみなければわからないことって,まだまだたくさんある。

黒馬くんを動かそうと必死になっていると,オープン参加で競技の最初に出場していた男性の指導員さんが戻ってきて,見てくれることになった。

わああああぁぁ.。゚+.。。゚(゚´Д`゚)゜。゚+.゚ ありがたいよぅ!

指導員さんの指示に従い,脚と鞭でガツガツやって短時間の内にどうにか「動く馬」にし,駈歩まで持っていくことができた。
待機馬場内の障害も何度か跳べた。
ぜ,前回よりはいいぞ! たぶん!

でもこの待機馬場内の運動だけで息が猛烈に上がりまくり,マスクが水蒸気でびしょびしょになってしまったので,マスクは取ることにした。馬に乗っている間は人と人の距離が近づくことはそうないから大丈夫だよね?

この競技の参加者は多かったけれど,一人馬あたりの走行が1分くらいで終わってしまうので,あっという間に自分の出番が次に迫ってきてアリーナに出ることになった。

経路の記憶に不安があったので,慌ててもう一度馬場内の障害の順番を確認する。
指導員さんが馬を引いていてくれたので,わたしは前の選手の走行を見ることにした。
第2障害と第3障害の間を,前の選手はショートカットして走行していたけれど,傍についていてくれた指導員さんは「ここは(他の障害の外側を)大きく回っちゃっていいよ」と言っていた。わたしも自信はなかったので,「大きく回ります(`・ω・´)」と答えた。

そしていよいよ自分たちの出番に!
名を呼ばれ,審判員席に向かって敬礼をする。
ブザー(ベル)が鳴り,駈歩発進。


小夏 「行くよ黒馬くん!.。゚+.(・∀・)゚+.゚」

馬 『おう!』



発進直後,馬場内の指導員さんから 「ああ手前逆だな……まあいいか!」 という大きな呟きが聞こえた。


逆手前でスタートしてしまった黒馬くんと小夏。


いいやもう! コースぐるぐる回ってればそんな問題にならないよね!?('д` ;)
大雑把な性格なので,そのまま走行。まだ勢いが足りない感じがしたので,一度軽く鞭を入れる。
左に回って(ただし逆手前で走行),そのまま第1障害50㎝をジャンプ!

よっし! いい子!(*゚∀゚)

そのまま真っ直ぐ走って第2障害もジャンプ!
直後に第3障害を注視する。
黒馬くんはそこまでスピードが出ていなかったので,わたしは無意識にショートカットをして大回りせずに第3障害に向かった。これも無事にジャンプ!

そこから左に90°カーブを描いて第4障害。
曲がってから跳ぶのでやや難しい印象がある場所だったけれど,黒馬くんはこれもクリア。
どういうわけか踏み切りも大体合っていて,変な跳ばれ方はしなかった。

アリーナの外周に沿って走行し,第6障害もジャンプ。

と,ここでアクシデントが発生!

右の鐙が外れた。Σ(゚д゚;)

すぐに次の7つ目の障害がやってくる。

意外と落ち着いていて,このままでも跳べるかなという気はしたものの(たぶん過去の練習中に鐙が外れたまま障害を跳んだ経験があるから),足先で探ったら鐙を履き直せたので,無事鐙を踏んだ状態で第7障害ジャンプ。

右に回って第8障害。正直に言うと,ここで一瞬黒馬くんが迷ったのがわかって,0.01秒くらい「跳ばないかも!(=゚ω゚=;)」と頭をよぎった。でも黒馬くんは跳んでくれた。ありがたかった。(´Д⊂)゚+.゚

そのまま真っ直ぐ進んで最終,第9障害。60㎝を無事ジャンプ。

終~了~!.。゚+.ヽ(T∀T)ノ゚+.゚

いつもの練習のときのクセで,最終障害飛越後に馬を止めそうになったのだけれど,「あ,まだゴール切ってなかった!」と思い出して馬を走らせた(ここちょっとタイムロスしたかも!)。

ゴールを切った後,馬場内の放送は静かだった。
自分がどのくらいのタイムで走行したのかも,何位になったのかも分からない。

とりあえず黒馬くんを軽速歩させて待機馬場に戻る。

待機馬場の入り口には指導員さんとクラブオーナーがいて「よくできてましたね(^_^)」「完璧だったじゃない(*´∇`*)」と口々に褒めてくださった。
無我夢中でコースを回っていたので,いい走行だったのかどうかも自分ではよく分からなかったけれど。でも前回よりはスピード感があったし,踏み切りも合っていた箇所が多かったから変な飛越も少なかったのはすごくよかった。
黒馬くんがまた上手いことやってくれたので,落下もなし。(=゚ω゚)人(゚ω゚=)!

指導員さんは「もうそんなに緊張しなくなった?」と聞いてきた。
「緊張しない」というよりは,出場前の状態がひど過ぎて緊張している場合じゃないみたいな感じかな?(´∀`;) 「どうやってこの馬を走って跳ぶ状態にもっていこう!('д` ;)」って,出走前は緊張しているというよりは焦っている。そしていざ走り出してしまえば,周囲の状況を気にかけている余裕はないので「いつもの練習と違う」感じはあまりしない。


愛撫して黒馬くんから降り,洗い場に連れて行ってお手入れをする。
ふかふかの首に抱きつく至福の時間(●´ω`●).゚+.゚
お疲れさま。きみは本当にいい馬よ(*´ -`)(´- `*)スリスリ

ボロを片付けて,大量に切ってきた人参を少しずつあげながら,ブラシをかけて馬着を着せて,裏掘りして,馬場が泥っぽかったので汚れた肢を洗ってタオルで拭いて……

今回は出場者が多かったので,入賞は難しいかなと,手入れをしながら頭をよぎる。
前の選手たちの走行はほとんど見られなかったのだけれど,ベテランの上手な人馬が多かったから,半分くらいあきらめの気持ちでいた。

一応失権にはならず,落下も反抗もタイム減点もなかったから「クリアラウンド」という望ましい結果ではあるのだけれど,他の出場者は皆上手なので,わたしと黒馬くんよりもタイムのいい人がたくさんいるかもしれない。

結果はなかなか発表されなかったので,しばらく自分の順位を知ることはなかった。

乾かした蹄に蹄油を塗って,また人参をあげて馬房に戻す。

その後は馬の写真を撮ったり,着替えて出店でお買い物をして,買った物を食べながら試合の続きを観戦したりしていたのだけれど,お昼頃になってようやく順位の発表があり,そこで自分と黒馬くんが6位入賞にすべり込んだことが分かった。

や,やったよ……! 頑張った!
リボンもらえる! 緑のリボン!

何より嬉しかったのは,タイムが前回よりも縮まっていたこと。
前回は障害8つで67.45秒だったけれど,今回は障害9つで63.75秒だった!
まだまだ全然遅いけど,「前より良くなっている」って本当に嬉しい (=^▽^=)ノ♪

馬への愛情と指導員さんへの感謝は大爆発。
本当に,本当にありがとうございます!。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン

その後のクリスマスイベントの競技も見ていて本当に面白く,笑ったし楽しかったし嬉しかったし,大満足の一日でした(*´∇`*)
これからも頑張ります♪


【おまけ:これまでにもらったリボン 合計8個】
青 3 
赤 1
黄 1
白 1 
桃 0
緑 2 NEW!
リボンなし 0

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White Autumn(60㎝ジャンプ)

2020年10月4日(日) 天気 くもり
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馬術競技会2日目ですヾ(=^▽^=)ノ
初めて60㎝のジャンプ競技に出場しました。

60㎝のジャンプの競技は,これまでずーっと出場を見送り続けていた競技です。
練習では何度も何度も60㎝のコースは走行していたけれど,なにしろチキンなので,

「まだ経験値足りないかな」
「外の広いコースあんまり走ったことないし」
「大事故が起こるかも」

と,ビクビクビクビクして「今回はいいや……」となっていました。

今年に入ってから,なんとなく「できるかも」という予感はしていたものの,今一歩踏ん切りがつかなかったんですよね。

以前,テレビで盲目の少女が水泳の跳び込みに挑戦するドキュメンタリー番組を見たことがあるのですが,少女は何度も跳び込もうとするもののできなくて,泣きながら自分の足を叩いて「何で動かないんだこの足!」と叫んでいました。水面も見えないので,跳び込んだ先が本当に水かどうかもわからない恐怖はすごいだろうなと,見ていて思ったものです。最終的に彼女は跳び込みに成功したのですが(すごい!),まあ,初めてのことに挑戦するって,目が見えていても,きっとこの感覚に近いのだと思います。

もうできる人や,傍から見ている人からすれば「大丈夫でしょ」「できるでしょ」「簡単でしょ」と思うようなことも,挑戦する本人からすれば 「跳び込んだ先がどうなっているのかわらかない」 。

なのでわたしは,どんなことであっても,何か新たなことに挑戦した人には敬意を表したいと思います。

なかには恐怖なんて微塵も感じずにあっさりと次のことに挑戦できる人もいるのかもしれませんが,わたしは怖がりで臆病なので,その一歩にどれだけの勇気とエネルギーが必要だったのかがわかるのです。


○●○●○●○●○○●○●○●○●○


前日に様子見としてクロスバージャンプの試合に出場した。
本当は初日から60㎝の試合に出てもよかったのだけれど,勇気が出ず,初日はクロスバージャンプにのみエントリー。

ちょ,調子がよかったら,明日,出ようかな……(´∀`;)

なんて,直前になっても二の足を踏んでいた。

それでも,クラブの方々から

「え,クロスバー? 60㎝に出場するんじゃないの?」
「もう60㎝出られるでしょ?」
「小夏さん調子いいから60㎝出るのかと思った」

というお声を散々いただいたのと,

わたしもよりもずっと幼くて乗り方もおぼつかない感じなのに果敢に60㎝の試合に挑戦している子どもの姿を見ていたら,「いつまでもチャレンジしようとしない自分」が恥ずかしくなってきたので,意を決して60㎝の障害飛越競技に出場することにした。

大丈夫。
できるような気がする。
どんなことになっても,ここからしか始まらない。

パートナーは,昨日の試合と同じ,黒馬くん。
昨日は動いてくれたからよかったけど,今日はどうかな。
黒馬くんはジャンプのときは引っ張ってしまうと跳んでくれないので,手綱を緩めに持って,跳ぶとき前に出すとスムーズにいける。3月に同じ馬場でクロスバーの試合に出たときはそうだった。

色々なことを考えながら車を走らせる。
60㎝の試合の開始時間に合わせているので,昨日よりも少し遅く家を出られるのが嬉しい。


クラブに到着。
開始の早い競技はすでに行われており,人や馬でごった返していた。
曇っていて,昨日よりも少し気温が低いような気がする。

黒馬くんは早朝の馬場の試合に出場していたらしく,たてがみが編まれた状態で,洗い場に繋がれていた。

よろしくね,よろしくね!
今日もよろしくね!(>_<)

ベタベタ触って挨拶をする。


経路表はもう貼り出されていたので,まずは下見をしようと,経路を頭に叩き込んで馬場に出た。
跳ぶ順番に障害をたどって歩いていく。
本当は,自分の歩幅を使って障害間の完歩を考えたほうがよかったのだろうけれど,今回はあえて無視することにした。余裕がないのだ(´∀`;) 自分が一度に覚えられることには限りがある。
まずは経路を間違わずに走行できるように!
あとは,完歩までは考えられなかったけれど,障害にまっすぐ入りやすいコースは一応考えた。
第1障害,第2障害,第3障害,第4障害……と回って,

小夏 「……」

第5障害,どこだっけ (´▽`;)?

立ち止まってしまった。
わたしのすぐ後ろで下見をしていた他のクラブから来た知らない女性に「第5障害どこでしたっけ」と訊ねて,思い出させてもらう。(ちなみに彼女は超ベテランのプロ選手であることが後に判明した。)

どうにか経路を覚えたので,洗い場の黒馬くんの元に戻る。
馬場の試合で乗っていたお姉さんが黒馬くんの傍にいて,「朝すごい重かったけど,運動はもう完了してるよ(^_^)」と教えてくれた。

そっか……じゃあ,大丈夫かな?(; ゚∀゚)
ゼッケンや鞍を持ってきて,再び馬装。
黒馬くんは眠そうな顔をしていた。

馬装を終えると気持ちが焦ってしまい,この後わたしの試合までは黒馬くんの出番はないので,指導員さんに「乗っていいですか」と聞いて許可をもらい,そのまま洗い場で騎乗して待機馬場に向かった。

待機馬場には他所のクラブや大学の馬術部などから来た人々がいて,余裕の表情で馬を乗りこなしていた。
「馬が動かないよ(>_<)」なんてやっている人が1人もいない恐ろしい場所なの。

わたしも練習に混ざろうと思い,馬場の周囲を歩かせたのだけれど……

お,重い……!Σ(´д`;)

もう信じられないくらい重かった。
昨日はわたしが乗ったらサクサク動いたのに! なんで!?(/TДT)/
速歩も脚で頑張ってどうにか出す感じで,しかも途中でやめようとしたりする。
どうにか継続させて障害に向かったものの,直前で止まってしまった(他の選手に見られているのでめちゃ恥ずかしい)。

え,え,え? なにこれ?Σ(=゚ω゚=;)

もっとガツガツ拍車や鞭を使って動かしてもよかったのかもしれないけれど,他所から参加している人の目を気にしてしまってできなかった。
他の人たちはごく軽い扶助で楽~に馬を動かしているので,どうにも気が引ける。

待って,待って! マズイこれ!(;´Д`)

絶望感を覚えながら,とにかく軽速歩をスムーズに行えるように頑張る。
待機馬場では色んな人馬が色んな動きをしているので,ぶつからないように気を使う。
黒馬くんは脚でガツガツ押しても,一向に速くならなかった。

どうしちゃったのよ黒馬くん!
昨日は走ってくれたじゃない!(´;ω;`)


先生が来たら……先生が来たらこの馬もちょっとは動いてくれるかも(>_<)!
救世主を待つような気持ちで指導員さんが来てくれることを願っていたのだけれど,

うちのクラブの指導員は,誰も待機馬場にやってこなかった(´∀`;)


え……1人でも大丈夫だと思われてるの!?
大丈夫じゃないよ!!?Σ(=゚ω゚=;)



いつもの指導員さんが,競技会場内の定位置についている姿が見えた。


(((( ;゚д゚)))!!!!!


馬場内の放送で試合開始が告げられて,血の気が引いた。
マジか。まだ駈歩も満足にできてないぞ!
障害も1回も跳んでない!

焦りに焦って,とりあえず駈歩だけでもできるようにしようと全力で厳しくしたら,ようやく黒馬くんは駈歩を始めた。ものすごく遅い駈歩だったけど(T∀T)


わたしと黒馬くんの出番は早かった。
3番目には出場だ。

最初の選手が帰ってきた時点で,もう出場に備えて本馬場に続く場所に待機しなければならない。
その場所に誘導して,首をパンパンと強く叩いた。
まさかの1度も障害跳ばないままの出場だ。


小夏 「今から出るよ! やることわかってるね!? 跳べるね!?(゚д゚;)」

馬 (え……え? あれ? なんか雰囲気が違う……。あ,もしかして,時々やるあれ?)

小夏 「そうだよ,あれ(競技会)だよ! できるね!?(=゚ω゚=;)」



出場直前は,大体こんな感じ。
馬のほうも,雰囲気が変わったことを察知して,ちょっと動揺した感じになる。
待機馬場からアリーナに続くチェーンの前に進めようとすると,少し後ずさりするのは何でなんだろう。黒馬くんは競走馬の経験とかあるのかな。
でもこの後ずさりでちょっとエンジンかかった感じになるんだよ。のんびりお気楽モードではなくなって,動き出すの。

あっという間に2番目の出場者の走行が終わり,わたしと黒馬くんは馬場に入場した。
黒馬くんが少し速歩になったので,少しは前に行く気になっているのがわかって,わずかに不安が消える。

審判員席に向かって敬礼。
左手前で大きく回って駈歩を出す。
動きが鈍かったので,馬場内にいた指導員さんが舌鼓で補助をしてくださった(ありがとうございます!(TДT))。
ものすごくのろいけれど,無事に駈歩になる。
オーナーが放送で「昨日のクロスバージャンプの優勝者です」という紹介をしているのが聞こえた。

やめて!(´Д⊂;) わたし今日調子悪いの! 全然動かせてないの!

第1障害。40㎝。
もはや馬を信じるしかない。

黒馬くんは跳んでくれた。普通に。

よしよしよし。
今日はコース回って跳んで帰ってこられれば,それでいいから。

そこから左斜めに進んで第2障害。45㎝。
入り方が微妙だったけれど,馬が慎重にジャンプしてくれるので落としはしなかった。

右に回転してU字を描き,第3障害。50㎝。
きれいに跳べていないので,踏み切りが合っていないことが自分でも分かるのだけれど,調整している余裕がない。

右斜め先に進んで第4障害。55㎝。
超ゆっくり走って障害に向かうと,馬が自ら踏み切りを合わせるために直前で減速して,ふわっとジャンプする。

左に回転して,第5障害。60㎝。
もう落とさないように踏み切りを合わせて跳ぶのは馬に任せることにした。
これも直前で詰まった感じでふわっと跳ぶ。

馬場の外周に沿って進み,木の陰になった場所にある第6障害。60㎝。
もはやわたしは走って跳ぶ馬に乗ってついていっているだけ。
スピードコントロールも踏み切り合わせも何もやっていない。

さらに外周に沿って進み,第7障害。50㎝。
ちょっと踏み切りが合って楽に跳べた。

左に回って最終障害が見えた!
あと1つ!(☆゚∀゚)

観客席の前あたりにある第8障害。60㎝。
無事ジャンプ! 落とさなかった!


.。゚+.(*´∇`*)゚+.゚

とりあえず完走できました!
よかったです! おめでとうございます!
落とさないように跳んでくれた馬にありがとうと言いたいです!
指導員さんたちにも感謝申し上げます!

完走にほっとしたところで結果の放送があり,障害8個で「67秒超え」という超遅いタイムに吹き出した。障害の試合で1分超えてコース走るの,反抗を除いてはあんまり見たことないよ。
ローカルルールが適用されるのでタイム減点はないのだけれど,あったら減点もののタイムかなと思った。

いいんだ……最初だもん(´∀`;)
障害落とさなかっただけ上出来さ(馬がそうしてくれただけだけど)。

たった8個のコースを走行しただけで息が上がりまくり,自分の体力のなさを情けなく思う。
待機馬場に戻ると,次に黒馬くんに乗る小学生の女の子と女性の指導員さんがいた(わたしのときは来てくれなかったのに( ̄▽ ̄;)!!)。
馬から下りて,女の子に黒馬くんを渡す。

黒馬くんはコースの走行を終えたばかりだというのに,女の子が待機馬場で練習のために乗ったらまた「重い馬」に戻ってしまっていた。
指導員さんたちが叱咤してどうにか駈歩を出させて,心配されながら競技場に送り出される。
わたしも待機馬場から様子を見ていたのだけれど,そこはさすがに黒馬くんもプロなので,さっきと同じコースをゆっくりと,でも落とさず確実に回って帰ってきた。
女の子は昨日の60㎝の試合では三反抗により失権になっていたので,今日は完走して戻ってこられてよかったなぁと思った。タイムはやっぱりとても遅かったけれど,女の子もご機嫌だった。

試合は無事終了し,わたしと黒馬くんは4位入賞を果たした。
この日の60㎝ジャンプは出場者が少なかったのと,上手な選手がタイムはよかったものの一落下させていたために,リボンがもらえることになったのだ。
昨日に引き続き,またしてもラッキーな小夏。


試合は無事に終了。
女の子と一緒に黒馬くんを洗い場に連れていき,鞍を外すと,黒馬くんは安心したのか大量の放尿を始めた。

ちょっとお腹に何リットル入ってたの!?Σ(; ̄Д ̄) 

びっくりするくらい,長く大量におしっこをしていた。

あの……もしかしてきみ……ものすごくトイレ我慢しながら走ってた?(´∀`;)

わたしならこの状態で走ったりジャンプしたりするのは無理だわ(笑)。
動きが鈍かった理由が少し分かったのと,とっても頑張り屋さんだということが分かったので,気持ちがほぐれて笑ってしまった。
今日は本当にありがとう。

昨日もらったリボンは青。
今日もらったリボンは白。

うん,何だかいい色の組み合わせ(●´ω`●)♪

馬にも,指導員さんたちにも,クラブにも,会場内にいた他の人々にも,今日のこの日をありがとう。
とっても地味な60㎝デビューでしたが,成長の機会に心より感謝いたします。


【おまけ:これまでにもらったリボン】
青 3 
赤 1
黄 1
白 1 NEW!
桃 0
緑 1
リボンなし 0

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霧の朝とブルーリボン(クロスバージャンプ)

2020年10月3日(土) 天気 くもり 時々 晴れ

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この日は,久々に馬術競技会に出場してきましたヾ(=^▽^=)ノ
今年はコロナの影響でいくつか競技会が中止になってしまっていたので,再開されて嬉しいです。

コロナ自粛が開けてから,競技会は他にもあったのですが,レベルの高い公認競技会などにはまだ出られないので,ローカルルール適用の親善試合で経験を積んでいこうと思います。


○●○●○●○●○○●○●○●○●○


久しぶりの競技会は,まず,ジャンプ競技の1番下のクラスである「クロスバージャンプ」から出場することに。

毎度のことながら,苦手な早起きを頑張り,朝も早いうちに家を出る。
季節柄,外には濃い霧が立ち込めており,朝の光で白くぼんやりと光っていた。

濃霧に覆われた田畑,川,民家。
霧の合間をゆったりと飛んでいく鳥。
太陽は,霧の向こうに,はっきりと丸い形を映して浮かんでいた。

こういう気象条件が揃わなければ,太陽の輪郭をこんなに明確に目で見ることはできないだろうなと,車を運転しながら思う。

そういえば,昨日は満月だった。
昨日の月もこの太陽と同じように,きれいな円形をしていた。

刻々と変化し続ける状況の中にあって,2日続けてまん丸な月と太陽の姿を目にすることができたことに,少し不思議な思いがする。


*・゜゚・*:.。..。.:*・゜


クラブに到着して,受付で今日のパートナーが判明する。
パートナーは黒馬くん(*´ -`)(´- `*)♪

最後にこのお馬さんに乗ったのは,今年の2月。
もう半年以上乗っていないお馬さんで,いきなり試合(´∀`;)笑
なんだか知らないけれど,わたしは競技会に出場するとなると,この黒馬くんに当たることが多い。

うーん……このお馬さんはねぇ……動いてくれればすごくいいコなんだけど,最初はめちゃくちゃ重いから,動かせる状態に持っていけなかったときは辛いかもしれない。(^_^;)


馬配を見て,「何でいつもこのお馬さんなんだろう」と疑問を口にすると,

受付さんは,「黒馬くんは安全パイなんだよね」と答えた。


安全パイ……大活躍するかどうかは怪しいけれど,大失敗することもないでしょう,ってことかな。

どんなお馬さんが来ても精一杯やらせていただこうと決意してきたので,覚悟を決めて黒馬くんのもとに向かう。黒馬くんは,外来厩舎で可愛い顔をして待っていた。

このお馬さん乗りやすいと思ったことはないんだけど,顔は見るたびに可愛いなって思う(*´∇`*)笑  ひとしきり撫でて,「今日はよろしくねー」と挨拶をする。

この日は,わたしの他にも黒馬くんに乗る子どもたちがいた。
ジムカーナなど,わたしよりも出番が先の子たちが多かったので,その子たちが中心になって馬装をしていた。

すごいなー(●´ω`●)♪ 皆小さいのに,台に乗ってちゃんと馬装できちゃうよ♪
わたしはすぐ傍でその様子を見ていて,腹帯締めの仕上げと頭絡の装着だけ行った。

わたしは先生でも何でもないし,もしかするとこの子どもたちのほうが経験も実力もあったりするんじゃないかと思うのだけれど,大人というだけで格上だとみなすのか(本当は全然そんなことないよ),子どもたちは「これでいいですか」「どうしますか」と聞いてくるので可愛かった。

最近職場でも,子どもに会う機会があると「先生」と話しかけられることが多いのだけれど(自分が先生であると名乗った覚えはないんだけど),子どもにとって親や親族以外で関わってくる大人は先生なんだろうか。


馬装を終えたので,黒馬くんは無口をつけて洗い場につないでおいた。
試合開始までに時間があったので,壁に貼り出された経路表と出番表を見に行く。
経路表を見て,場所の位置関係がよくわからないなと思い,近くを通りかかった指導員さんに聞いてみたら,今日のクロスバージャンプの試合はインドアで行われることが判明した。

え! アウトドアでやるつもりだったよわたし!Σ(=゚ω゚=;)

そっかぁ……インドアかぁ。
自分で勝手に勘違いしていたくせに,ちょっと肩透かしをくらったような気分になる小夏。

障害の数は6個だけで,最初の4つが30㎝,最後の2つが40㎝のクロスだった。
コースは普段の練習でよくやるものと大体同じ。
バウンスやオクサーや高い障害がない分,練習のときより気持ちは楽だ。

あとは……馬が動くかどうかなんだよなぁ(´・ω・`)
黒馬くんには半年以上乗っていないし,感覚を忘れかけている。
初期の頃はひたすら重くて,レッスンでまったく動かず泣きたいくらいだったのを覚えている。
う,動かせるのかな,わたし。心配だ。


試合が開始されて,まず初めにインドアの馬場ではジムカーナ競技が行われるので,黒馬くんがどんな感じかを見るために,わたしは近くで見学することにした。
ここで黒馬くんに乗る子どもは2人。ベテランなのか初心者なのかはわからない。

間もなく,黒馬くんの出番がやってきた。子どもが乗って馬場に入ったのだけれど……

……遅っ!Σ(´д`;)

もう全然動いてないの(泣)
ジムカーナは原則速歩で走行することになっているのだけれど,速歩にもならないの。
試合なのに,のんびりお散歩している馬みたいなの(´;ω;`)

子どもたちが必死に脚でポコポコ蹴っても,完全に無視してのろのろ歩いている。
指導員さんが背後から怒りの舌鼓で追い回して,ようやく少し速歩する感じ。


ええええぇぇ!(((( ;゚д゚))) マズイでしょ,この状況!
全然動いてないじゃん!Σ(´д`;)



わたしの出番までに誰か上手な人が乗って動かせる状態にしておいてほしい……(/TДT)/ 泣

2人の子どもがジムカーナを終えた時点で,黒馬くんはまだ「お気楽手抜きモード」だった。


そんな……そんなゆっくりなの……
わたしは許さないからね!( ゚☐゚ ;)カッ!!



クロスバージャンプでわたしと同じ馬に乗る女の子が,先に少し練習で乗ったけれど,やっぱりものすごく重くて速歩すら困難な状態だった。
練習のバトンタッチで,わたしの手に黒馬くんが渡される(出番はわたしのほうが先)。
女の子は「すごい重いです(>_<;)!」と報告してくれた。

そうだね……見ててわかったよ……めちゃくちゃ重いね,このお馬さん(^^)ニコリ

この時点で,わたしは内心軽く怒りを覚えており,馬に対して「この状態が許されると思うなよ」と思いながら騎乗する。
わたしだって鞭と拍車でフル装備だ。
容赦はしないぞ!

鐙の長さを調節して,いざ,練習へ!

覚悟を決めてインドアの馬場に入る。
不思議なもので,心の中の声が聞こえるのか,それとも拍車の存在に気付いたのか,黒馬くんは急にシャキシャキ動き出した。
まずは軽速歩。左右の手前で繰り返して,クロスバーを跳ぶ。
駈歩もいけるかなと思ったら,思ったより簡単に出て,障害も跳んでくれた。

よかった! いける!
なんとかなりそう!(;TДT)!


馬って,人の心が読めるんじゃないかと思うことが時々あるよ(´∀`;)
本当に不思議だ。
でもよかった。動いてくれることがわかって,本当によかった。


間もなくクロスバージャンプの試合開始。
出番が近いので,黒馬くんに乗ったまま,馬場の外で待機。
他の人馬の走行をゆっくり見ている余裕はなかった。低いクロスバーが6個しかない経路なので,1回あたりの走行があっという間に終わっていく。

色々なことを考える間もなく順番がやってきた。

それまで指導員さんが馬場に入って子どもたちの走行の補助をしていたのだけれど,指導員さんはわたしの姿を見ると,「あ,小夏さんならいなくて大丈夫だね(^^)」と言って馬場の外に出てしまった。

1人でも大丈夫と判断されたことが,不安でもあり,どこか誇らしくもあり,複雑な気持ちのまま馬場に入り,審判員に向かって敬礼をする。

もうここまで来たら,ごちゃごちゃ考えてもしょうがない。
いつものように,やることをやるだけ。
その結果がどうなるかはわからない。

審判員席の前から,左手前でぐるっと大きく回って駈歩を出す。
駈歩って,巻き乗りをすると出しやすい。内方姿勢をとりやすいから。

そのまま第1障害をジャンプ。
直線上にある第2障害も続けてジャンプ。
左に回転しながら,馬場の対角線上にある第3障害もジャンプ。
そこから右に曲がって,今度は右手前で,第4障害をジャンプ。
直線上にある第5障害もジャンプ。ここから10㎝高くなっているようだけれど,ほとんどわからなかった。
右に回転して,最初とは逆方向の馬場の対角線上にある最終障害をジャンプ。

ああ! 無事跳べた! 全部跳べた!
よかった!(*´∇`*)


黒馬くんが最後まで駈歩で完走してくれたことが嬉しくて,首を強めに愛撫して喜びを表現する。
よかったよー。さっきまでダラダラしてるの見てたから,このコースも難しいかと思っちゃった。

今回の試合は基準タイムがあり,1番タイムの近い人馬が優勝するのだけれど,わたしと黒馬くんはこの時点で最も近くて,馬場の外で見ていた指導員さんたちに褒められた。

黒馬くんを次の選手に渡して,まずは完走できたことにほっとする。
エアバッグや拍車やヘルメットを外しながら,審判員席から放送されている実況中継に耳を澄ませる。

あとは,この後,減点なくよりタイムに近い走行をする選手が何人いるかで順位が確定する。
こうなるともう,自分の努力ではどうにもならない部分なので,「運を天に任せる」みたいな状態になる。

全員が走行を終え,運を天に任せた結果,わたしと黒馬くんのコンビは優勝することになった。
タイムはわたしよりも近い選手がいたけれど,10㎝高くなった第5障害を1つ落としていたので,落下のなかったわたしの順位が上になったのだ。

嬉しかったし,最近失いかけていた自信が少し戻ってきたのでよかったけれど,すごい偶然の要素強いなと思ってしまった。(^_^;)
だって,わたし,「この速度で走ろう」とか考えてなかったもん(´∀`;)
「たまたま」基準タイムに近かっただけなのだ。「偶然」そうなって,「運」がよかった。

「これわたしの実力で優勝したって言えるのかな」と,微妙な気持ちになる面倒くさい女,小夏。

まあいいよ! 優勝だよ! 優勝!(o^∇^o)ノ
あの超絶のんびりしていた黒馬くんと,よく頑張ったよ!


同じ黒馬くんに乗った女の子と一緒に,黒馬くんのお手入れをする。
ちなみに,タイムは近かったけれど一落下により順位が下がってしまったのは,この女の子だ。
お手入れをしながら残念がっていたので,「タイムは1番だったもんね(^_^)」と声をかける。
年齢差がすごいので,幼い子どもたちをなぎ倒して優勝する大人げない人間になった気分で落ち着かない。

黒馬くんはこの後,急遽60㎝の試合にも出場することになったので,一度外した鞍をもう一度装着し,「あとちょっと頑張ってね」と送り出す。


その後は会場内をうろうろしながら,試合観戦を楽しむ。
競技を見るのは,やっぱり面白い(*^_^*)♪
着替えてから,観覧席のベンチに座って,家から持参したお弁当を食べる。

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秋の運動会のお昼って「いなり寿司」のイメージがあるのはわたしだけ?
天気もよく,空気の涼しさもちょうど良くて,まさに「スポーツの秋」といった感じの1日。
こんな風に過ごす週末も素敵だなと思った。

お昼過ぎに1日目の競技会は終了し,表彰式でまた表彰台に上り今年初のブルーリボンをもらう(コロナ対策のためにインタビュー等はなし)。

よかった。すごくいい結果に終わった。
今日は幸せな気分で家に帰れる。
ジャンプの試合でブルーリボンをもらえたのは初めてなので,何だかんだで幸福感に満たされて帰路に着いた。

【翌日の試合に続く】

【おまけ:これまでにもらったリボン】
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Spring Green(クロスバージャンプ)

2020年3月21日(土) 天気 晴れ

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突然ですが,久々に馬術競技会に出場してきました!
わーい♪ \(o^∇^o)ノ♪

この日の主催はクラブではなく,地元馬術連盟だったので(会場は通っているクラブ),これまでよりも大きくて豪華なリボンがもらえました♪

昨年の夏に馬場2級の試験を受けるために競技会に出ましたが,その後はただただ練習を重ねていただけでした。何度かクラブが主催している大会があったので,出場してみてもよかったのですが,日程が合わなかったり費用が不足していたり……

いや,正直に言って 勇気が足りなかった ので,出場を見送り続けていました。

だって,だって……恐かったんだもん('A`;)
外の広い馬場で練習したことがほとんどないから,馬が暴走するかもとか思っちゃって。
経験が足りないから恐怖を感じてしまうのであれば,経験を積めばいいのだけれど,その最初の一歩がなかなか踏み出せなかったわけです。

でも,これではいけない!(>_<) と,一念発起してエントリーに踏み切りました。
完璧にできるようになってから出場するなんて,無理な話なのだ。

そうだ! 公務員ランナーとして名を馳せた(※現在はプロ転向)川内優輝選手も 「レース(本番)で練習すればいい」 と言っている!

わたしだって,広いコースを走り回る経験がないのなら,競技会に出場して経験すればいい!
「本番で練習する」って全然有りよ!(☆゚∀゚)



*・゜゚・*:.。 というわけで,試合当日 *・゜゚・*:.。


試合の日の朝は早い。
下のほうのクラスでの出場になるので,出番の時間帯が早く,馬装などの準備のために出場の1時間前にはクラブに到着していなければならず,自宅からクラブまで車で1時間かかり,起床から自宅を出るまでに1時間かかるので……少なくとも出場の3時間前までには起きなければならない。

休日なのに平日よりも早く起きるなんて,低血圧のわたしには結構辛い(´∀`;)
もっと遅い時間帯に始まる上のクラスの競技に出られるようになりたいなぁと,たったそれだけの理由で思う。

でも,まずは,一番下のクラスから。
低い障害でできないことが,高い障害でできるわけがない。
今日は障害飛越で一番難易度が低いとされるクロスバー障害の試合に出場する。


天気はよく,気候も穏やかで,本当に春らしい陽気の日だった。


眠い目をこすりつつ,クラブに到着。
今日乗る馬はどのコだろうと考えながら,受付に向かう。
わたしの場合,馬は指導員さんが選んでくださるので,当日朝になるまで経路も騎乗馬も判明しないというドキドキの試合システムになっているのだ。

受付でエントリー料や借馬料の支払いをしている間に,出番表をめくる。この出番表を見て初めて,自分の出番が何番であるかとパートナーがどの馬であるのかが判明する。

どきどきどきどき……!(=゚ω゚=;)
ぱらり(ページをめくる音)


本日のパートナー: 黒馬くん


\(T∀T)ノ
あ,あんまり得意じゃない馬来たよ(笑)

いや,馬場2級試験ではお世話になったし,性格も大人しくて可愛いから大好きなんだけど。
大好きだけど,ジャンプにはちょっと不安がある。

が,頑張る! 頑張るぞ!
わたしは負けない!

ちなみに出番は,20名近くエントリーしている人馬の中のちょうど真ん中あたりでした。
これまで出場した試合では,いつももっと出番が早かったので,不思議な気分。
この順番って何で決まるんだろう? 申し込み順なのかな。


試合開始直前でざわつく敷地内を横切り,洗い場に行くと,指導員さんがいて 「馬具は用意してあるので馬装してください」 と指示される。

黒馬くんを洗い場に引っ張ってきて,ブラシをかけ,裏掘りし,馬装をする。
馬装の間中,黒馬くんは普段の練習のときとまったく同じように「何かちょうだい」と訴えていた。わたしも練習のときと同じように「後でね。終わったらね」と言いながら馬装を終えた。
お馬さんは緊張しないのかな。
「よろしくね。きみにかかってるよ」 と,黒馬くんの首に両腕を回してお願いする。
馬に抱きつくと,少し気持ちが和らぐ。

下見の前に,インドアの馬場で練習ができることになった。
すでに開始されているジムカーナ競技を横目に,練習に向かう。

うーん,今日はどんな感じかなぁ。
普通に乗って,腹帯を締め直して鐙の長さを確認して,歩かせる。
常歩は問題なく発進。ただ前進気勢はない。
最初だからな(´・ω・`;) 早く頑張って「動く馬」にしないと!
準備運動として軽速歩。速歩も発進はするけれど,遅い速度のままで,脚にもあまり反応しない。
いやいやいや,困る困る困る! 前の練習のときみたいに,動けるようになるまで30分とかかかったらわたし困るからね!?(´;ω;`)
時折鞭を使ってみたりもしながら軽速歩を続け,馬場中央にあるクロスバー障害を跳んでみたりする。うーん,うーん……なんかイマイチ!(~_~;)
次いで駈歩を発進。めちゃ遅くて,のたのた走る。遅くなり過ぎて速歩になったりする。
ひいいぃぃぃΣ( ̄ロ ̄|||)
ちょっとちょっと,「重い」とか苦労してる時間ないのよ! (;TДT)頼むよ!
焦って馬の名を呼んでいたら,指導員さんに 「緊張しないでください」 と声をかけられる。


指導員さん 「普段の練習のほうが,よっぽど高度なことやってますからね(`・ω・´)」


そうか……そうだよね。練習では80とか跳んでたもんね(´・ω・`;)
でも外の広い馬場で馬走らせたことは片手で数えられるくらいしかないんだよ。不安だよ。

混み合うインドア馬場で,とにかく動かそうと頑張る。馬がたくさんいると,他の馬についていきそうになったり,前を横切る馬を待って一旦停止したりと,思うように動かせない。

黒馬くんでジャンプをするのは得意じゃないけれど,ここまで来たらもうそんな弱音を吐いていられない。どうにか動かして,中央にあるクロスバー障害を跳ぶ。うーん……自信を持って跳べる感じじゃないなぁ('A`|||)!

その直後,練習馬場でクロスバー障害を跳んで派手に落馬する女の子を目撃する。

えええええ……(((( ;゚д゚)))
うそ……きっとこの子だって,いつもは普通にできてるんだよね!?
緊張って恐い!(※女の子は無事でした)

黒馬くんは,後半何故か上手く駈歩にならなくて焦る。
もう,最悪速歩でコース回るしかないなと,できなかった事態を想定して覚悟を決める。

いいんだ……今日はどんな形でも終えられれば。
無事に生きて帰ってきたら上出来ってことにしよう(遠い目)。


そうこうしているうちに,下見開始の時間となる。
うわあぁ……下見も初めての経験だよ!(=゚ω゚=;).゚+.゚

馬をインドアのスタッフに渡し,広い馬場へ。
指導員さんと他にクロスバー障害の試合に出場する子どもたちと一緒に馬場を回る。
自分の歩幅で90㎝を計測しようと思ったけれど,脚が短いために(泣)全然開かず計測が狂っていき,途中であきらめて,指導員さんがカウントしているのを眺めることにした。

……この先,一人で下見することになったら,どうするのわたし……(;´Д`)

今日のクロスバー障害の高さは,めちゃくちゃ低かった。
一番高いところでなんと30㎝!

普段の練習では,クロスバー障害と言えど,もっとしっかり高さがあって「跳んでる!」って感じがするのだけれど,この試合の障害は,「地上横木2本並べて両端をちょっと上げました♪」みたいな感じなの。気分的にはジムカーナに近い。

でも,だから 「楽勝ね♪(*^^)v」 なんてことはまったく思えないわけで(´∀`;)


「ほぼ地上横木」みたいな障害でも,実際試合本番になってみたらどうなるのか,まったく想像ができない。だって未経験だもん。インドアでの試合に出たことはあるけど,こんな広い場所走らせてジャンプする試合に出たことないもん。
初めて行うことは,たとえどんなにレベルの低いことであっても,緊張するし,怖いし,不安だし,しり込みしてしまうものなのだ。

それでも,「不安」というものは,いつも微かに「わくわく」をはらんでいる。

「新しい世界を見てみたい」
「何が起こるのかを知りたい」
「もしかしたらできるかも」

奇しくも,季節は春。
何かが終わり,何かが始まる。
新しいことに挑戦し,伸びて行く季節。

下見を終え,インドア馬場に戻ってまた少しだけ練習し,時間になったので待機馬場へ。

うわー(゜▽゜*)うわー♪
わたし試合のために待機馬場に来たの初めて!
別のクラブや大学から来た人馬が集まり,練習したり停止させて出番を待っていたりしている。
待機馬場の中央あたりには,そこそこの高さ(30cmよりは高い)のクロスバー障害が設置され,選手が順番に練習に使っていた。
これが出場直前の状況かぁ。
いつもは観客席から見ているだけだったけれど。こんな感じなのか。

待機馬場で,指導員さんに見てもらいながら,練習のために走らせる。
黒馬くんは,インドアでの練習のときよりも元気よく動いた。

それでも推進が足りずに,1度障害前で急停止されてしまった(変な声で叫んだけど落馬はしなかったよ(´▽`;)!)。
指導員さんに「手綱を引っ張って止めてしまっているから,拳を前に出してください」とアドバイスをいただく。
2度目は脚で強めに推進かけて,拳を前に出したら上手く跳べた。そのまま続けて走らせ,もう1度跳ぶ。

出番まで少し時間があるので,競技場を眺められる位置で待機しようと馬の列に近づいたら,一頭の馬にお尻を向けられ後肢を上げられた。「近づくな!」と怒っていることがわかり,すぐに離れる。

あ,危なかった!('д` ;) 蹴られるところだった!
馬がたくさんいる所は要注意ね!

隅の方に馬を止め,前の選手の走行を見る。
どういうわけか障害を落としまくっている選手などもいて,もうこれが難しいのか簡単なのかさっぱりわからない。一体何をどうすればいいの。

ふと馬を見てみれば,落ち着いた様子で静かに競技場を見ていた。

考えてもみれば,このお馬さんは,わたしなんかよりもずっと競技経験が豊富なのだ。
何度も何度もこの待機馬場へ来て,ここから競技場へ出て,走り回ってジャンプしてきたはずだ。

今からやることは,このお馬さんにもわかっているはず。

待機馬場から競技場を眺め,馬の首をマッサージしながら

「空気読んでね,お願いね,跳んでくれればいいから (ノд・。) 」

と小声で話しかけ続ける。
黒馬くんは軽く振り返った状態で,片目でこちらを見ていた。
馬の目は大きくて透き通っていて,とてもきれいだった。

待機馬場で出番前の最終練習。
右手前で馬場をぐるっと回り,クロスバー障害を跳ぶ。
黒馬くんはさっきよりも力強く動いて,問題なく障害をジャンプした。

間もなく出番なので,待機馬場から競技場へ続くチェーンの前に待機。
ここで何故か後ずさりを始める黒馬くん。
止めようと思ったけれど止まらない。
そういえば,前進を止める方法は知っているけれど,後退を止める方法がわからない!
焦る小夏。
近くにいたスタッフが気付いて頭絡を持って戻してくれた。
い,今の後退,何……?('д` ;)

謎の後退の後は,覚悟を決めたのか,エネルギーが前進気勢に一変。

大丈夫。
わたしが引っ張るなどして動きの邪魔をしなければ,このお馬さんは跳ぶ。

出番になったので,待機馬場から競技場へのチェーンが外され,入場する。
うわぁ人生初!
何故かやる気に満ち溢れ,駈歩で入場したがる黒馬くん。
競技場に出た頃には,馬から感じられるエネルギーは最高潮に。


本番に合わせて調子を上げてくるとは……プロだね!.。゚+.(・∀・)゚+.゚


なんか感動したよ。
なんていいお馬さんなんだろう。

審判員に向かって敬礼。

……あれ? ブザー(ベル)が鳴らないぞ?('д` ;)?

2階席からこちらの様子をうかがっている審判員。
わ,わたしここにいます!ヽ(´o`;
次の選手わたしです!

もう一度敬礼して深々と頭を下げるとブザーが鳴った。

あ,ああよかった!(´∀`;) 出発できる!

黒馬くんは,もうすでに,拳をちょっと緩めれば駈歩になる状態になっていたので,大きく右に円を描きながら駈歩発進。なにこのスムーズさ!.。゚+.Σ(=゚ω゚=;) ゚+.゚
スタート地点を通過して,旗振りの人が旗を振る姿が見えた。

間もなく第一障害。
ほぼ駈歩の動きのまま,ひょいっと跳ぶ。

そのまま,やや右に走って第二障害。
これも問題なくクリア。

左に旋回して第三障害があるのだけれど,別の障害を外回りで行くか内回り(ショートカット)で行くか,一瞬迷う。
でも今回は基準タイムだから速ければいいわけじゃないし,下見のとき外回りで案内されたから,たぶんこのコースのほうが基準タイムに近くなるのだろうと判断して外回り。

拳を前に出して,邪魔をしなければ普通に跳んでくれるお馬さん。

指導員さんから 「速くなり過ぎたら抑えるんですよ!」 と声が飛んでくる。
今速いのかな,どうかな。よくわからないぞ。

左に大きく回りながら,木の陰になっている第四障害に向かってジャンプ。
よしよし,いいコ(●´ω`●)♪

第四障害から第五障害までがU字を描くコースになっているのだけれど,第四障害飛越後に視界に3つくらい別の障害が跳び込んできて,「あれ,どれだっけ」と一瞬混乱する。
指導員さんに 「5番黒いのですよ!(;´Д`)」 と叫ばれて思い出し,U字を描いて第五障害をジャンプ。

危なかった! 声かけの補助がなければ経路違反してたかも!
2回も下見したのに!ヽ(TдT)ノ

そのまま流れで第六障害と,その先にある第七障害も跳んで,フィニッシュのラインを通過して終了。

ああああよくやったよお馬さん!。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン

よく全部跳んでくれたよ!
しかも1個も落とさなかったよ!
反抗もなかった!
落馬もしなかった!
経路違反もギリギリしなかった!

だが規定タイムは0.3秒ほど超過した!笑


……視界に「現在のタイム」が表示される試合用のゴーグルとかあればいいのにと思ったよ(´∀`*)
わかってればもうちょっと押したんだけどなー(*・ε・*)ムー
第四障害から第五障害の間で一瞬迷ったのがタイムロスになったかなー(*・ε・*)ムー

黒馬くんを愛撫して,待機馬場に戻りながら,指導員さんたちから 「よかったよ(・∀・)」「お疲れさま」「きれいにできてましたね(^_^)」 と次々に声をかけられる。

無事に終えられたことが何よりも嬉しい。(*´∇`*)
本当にありがとうお馬さん。
そしていつも教えてくださっている指導員さんたちにも心からの感謝を。

戻ってきた待機馬場の隅で下馬し,感謝の気持ちを伝えようと首に抱きつくも,「いいから早く戻ろうよ(そしておやつにしようよ)」と,のろのろと勝手に厩舎に向かって歩き始める黒馬くん。
も,もうちょっと余韻に浸りたいんだけどわたし(^_^;)

お馬さんの手入れをして,馬具の片付けをして,おやつをあげて,汗をかいたので自分も着替えて,残りの試合を観戦する。


余談だけれど,わたしは今日7障害を54秒くらいで走行して,別に体感的には「遅い」感じはしなかったのだけれど,後の試合で指導員さんが10障害11飛越を48秒で走行しているのを見て(しかも落下なし!),「あ,わたしすごい遅かったんだな……」と思い知りました。
というか,こういうのを,「次元が違う」って,言うんだろうなって……(´∀`;)


ちなみに,今日の試合の結果,わたしは6位入賞となりました。
タイム減点の1がなければ3位だったのですが,0.33秒オーバーしたがために6位に転落!(基準タイムに近くても減点があると順位が下がるため)
1秒にも満たない時間で順位が3つも下がるという試合の厳しさを知りました。

6位なので,光沢のあるグリーンの綺麗なリボンをもらったよ(*´∇`*)♪
英語の「green」という言葉には,「経験の浅い」「未熟な」「新人」といった意味があるのだそうだ。

経験の浅い未熟な新人」……今のわたしになんてぴったりな色のリボンなんだろう(笑)

【おまけ:これまでにもらったリボン】
青 2
赤 1
黄 1
白 0
桃 0
緑 1
リボンなし 0

白とピンクをまだもらってない.。゚+.(・∀・)゚+.゚


とにもかくにも,そいういうわけで,この日,わたしは外の広い競技場での障害馬術の試合デビューを果たしました。これでようやく経験値が「ゼロ」から「1」になることができました。('▽'*)♪

お馬さんたちと先生たちに,心より感謝申し上げます。.。゚+.m(_ _)m.゚+.゚
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国体馬術を観に行く

2019年9月29日(日)晴れ
2019年10月3日(木)くもり 時々 晴れ

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2019年9月28日(土)~10月8日(火)は,第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体2019」が開催されていました。

茨城国体のホームページ

国体(国民体育大会)は毎年どこかの県で開催されていますが,近くで開催されていないとなかなか観に行くことができないので,今回,生まれて初めて国体の馬術を観に行ってきました(*´∇`*)♪
せっかくなので,感想など少々書いていきたいと思います。


【参考:今後の国体の開催県】

2019年 茨城県
2020年 鹿児島県
2021年 三重県
2022年 栃木県


2019年は茨城県で開催の 「いきいき茨城ゆめ国体2019」 です。
もちろん馬術も国体の競技の種目にあります!

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初日(1日目)と,
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最終日(5日目)に観戦に行きました。

ものすごくたくさんの観客で賑わっていて,席を確保するのが大変なくらいでした。
こんなに多くの人が喜んで馬術を観に来てくれているなんて,何だか嬉しかったです。
わたしもただの観客の一人に過ぎませんが,自分の好きなものの良さが伝わるかもと思うと,誇らしいような,何とも言えない嬉しさが込み上げてくるものなんですね(●´ω`●)♪

天候にも恵まれ,特に初日は一日中暑かったです。
観客席に屋根はなく,日傘の使用も禁止なので,帽子は必須です。水分補給のためのドリンクは無料で配られていましたが,日焼け止めとタオルもあると良いかと思います。また,暑さのあまり,写真やビデオ撮影に使用していたスマホが熱を持って機能停止してしまったことが何度かあったので,保冷剤を持っていけばよかったなぁと思いました。

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障害馬術の試合会場

ダービー競技で使われる小さい丘のような場所も奥のほうにあります。
青い空に緑! 広い!.。゚+.(・∀・)゚+.゚

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馬場馬術の試合会場

背景が森という,写真映えする環境です。
最終日には森の上空にトンビが舞っていました。

水戸農業高校の畜産科の施設内につくられた特設競技場ということでしたが,今後も是非活用してほしいくらい,とても素晴らしい会場でした。
国体が終わったら撤去しちゃうのかな……?(´・ω・`)  もったいない!

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高校の馬術部で飼育されているポニーたちが,ふれあいコーナーにいました。
もぐもぐもぐ……
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「がんばってね♪」

馬ってマイペース(笑)

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配布されていたミニプログラムと観戦ガイドブック。
見やすくて,ルールなどもわかりやすく書かれていたので,とてもよかったです。

余談ですが,馬に乗っているキャラクターは 「イバラッキー」 といいます。まん丸のボールみたいな体型で馬に乗っていることにびっくりです(笑)。馬上で転がりそう(笑)。


さて,肝心の試合!
馬場馬術と障害馬術は平行して同じ時間帯に行われているので,片方を観戦していると,もう片方は観ることができません。
全部観ることはできないので,いくつか気になったものを選んで観ることにしました。


戦した競技

【成年男子 馬場馬術競技】
【成年男子 トップスコア競技】
【成年男子 ダービー競技】
【成年女子 自由演技馬場馬術競技】
【成年男子 六段障害飛越競技】



馬術はローカルな試合でもオリンピックでも,男女別に分かれていないのですが,何故か国体では女子と男子に分かれているようです(皇后杯があるから?)。
競技の結果は 
日本馬術連盟 のホームページを見てくださいね。(o^∇^o)ノ♪

馬場馬術は競技中に移動することができないので,誰かの演技が行われている最中は観覧席に立ち入ることができません。演技と演技の合間に移動することになります。

写真や動画を山ほど撮れたので幸せでした。('▽'*)♪

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実は本格的な馬場馬術の試合は観たことがなかったので,とても新鮮で感動しました。
ハーフパスや半ピルーエットという技も生では初めて観ました。
規定演技は地味な感じがしますが(ただ皆が同じ運動をするので比較はしやすい),音楽に合わせて運動する自由演技はフィギュアスケートみたいで,観ていて面白かったです。優雅な肢の運びに惚れ惚れします。燕尾服がカッコよく,音楽との相乗効果で感動が胸に迫りました。


競技と競技の合間には,会場内の出店などを見てまわります。
こういうのは言わば「お祭り」なので,たくさんの出店があるんですよね。
馬具や乗馬用品のお店,馬グッズや地元農産品のお店など,色々あって楽しかったです。
ただ,食べ物屋さんはすごく少なくて,お昼の時間帯に長蛇の列ができていました。周辺に飲食店などもなく,そこに長い時間かけて並ばなければならなかったのは,ちょっと残念でした。
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長靴(ちょうか)を持っていなかったので,欲しいなーと思っていたら,競技用ウェアのお店があり,ノリで試着をしていたらピッタリだったので購入しました(笑)。
いずれ買わないとなとは思っていましたが,まさかここで決まるとは思いませんでした。
茨城国体の思い出の品として大事にします(●´ω`●)♪

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このポニー用の馬着かわいい(*´ェ`*)(*´ェ`*)♪

5日目(最終日)には会場でお抹茶もいただきました。
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お茶席に飾られていたお馬さん。和種馬っぽい?


そして障害飛越競技!
ジャンピングは見慣れてはいるのですが,やっぱりすごく面白い!
解説者がその都度放送席からルールを説明してくれるので,初めての方でも楽しめたようで,会場は大賑わいでした。歓声や拍手が上がったりと,かなり盛り上がっていましたよ。
障害の競技は何種類かありましたが,どれもそれぞれ手に汗握る試合でした。

トップスコア競技
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ジョーカー障害という,クリアできれば得点が高いけれど,失敗するとめちゃくちゃ減点される障害が中央に設置された障害飛越競技。障害ごとに点数が決められていて,規定時間内にできるだけ多くのポイントを稼いだ人馬が勝ちとなります。コースは決められていないので,選手が自分の判断で跳ぶ障害や順番を決めます。同じ障害を何度も跳んでも大丈夫(ただし,障害は一度落とすと直してもらえないので,失敗するとその障害にはもう挑戦できません)。ハラハラしながら純粋にゲームを楽しんで観ていました。
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ジョーカー障害を跳ぶところ。

ダービー競技
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坂を駈け上ったり駈け下りたり,水の中を進んだりしながらジャンプをしていく,持久力なども試される競技でした。色んな動きをするお馬さんの姿を見ているのが本当に楽しかったです。水に入るのを嫌がるお馬さんが多い印象でした。水深がどれくらいあるのかわからないので,入るのが恐いみたいですね。
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ご当地障害の「納豆障害」。

六段障害飛越競技
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直線上に等間隔に六つの障害が設置された競技。最初は 100㎝,110㎝,120㎝,130㎝,140㎝,150㎝ で行われ,ノーミスでクリアした人馬が複数いると高さが上げられてジャンプオフになります。後半にいくほど高さは上がるのに,障害間の距離が変わらないので,難しいみたいです。
このときは結局,最終障害が161㎝ → 171㎝ → 181㎝ と3回ジャンプオフが行われ,ようやく決着が着きました。
もう……あの高さに挑むだけで,その勇気を讃えたい…….。゚+.(´;ω;`)゚+.゚ 自分の身長よりも高い所跳ぶなんて怖過ぎる……お馬さんは落としはするけど止まりはしないんだよ,偉いよ……。
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陸上自衛隊の方々が馬場整備の間こんな風に待っていました。


競技会に行って,素晴らしい試合を観るたびに 「わたしもこういうのやりたい~(*´∇`*)♪」 と思います。今回はダービー競技と馬場を特にやりたくなりました。六段障害飛越は観るのはいいけどやるのは怖いので遠慮したい……(^_^;)

あらためて思ったのは,やっぱり馬術はゲームとして観ていても面白いなぁということ。
馬は綺麗だし,動きはカッコいいし,ルールがわかれば勝負の行方が気になって観てしまいます。
お客さんも大勢いて,みんな初めてでも楽しんでいたようなので,いつか馬術も野球やサッカーのように観戦料取れるくらいメジャーになればいいなと夢見ています。

馬術の素敵さや面白さが,もっと日本中に広まりますように.。゚+.(*´ω`*)゚+.゚
「いきいき茨城ゆめ国体2019」は,これからの夢にあふれた素敵な大会でした。


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夏空とブルーリボン(馬場2級試験)

2019年7月27日(土) 天気 雨 のち 晴れ

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全乗振の乗馬技能認定審査(馬場2級)の試験日。
ジャンプができなくなったわたしは,2ヶ月ほど前から,この日を目指して練習を重ねていた。

この日,わたしは,

出発予定時刻の15分前に覚醒した。

大急ぎで着替えて準備をし,朝ご飯を食べて(←省略しなかった),ちょっとここには書けない速度で車を飛ばして(事故を起こさなくてよかった)クラブに到着。

ま,間に合ってよかった……!(; -д-)ノ

この過程により,たぶん低い血圧が爆上げされ(身体に悪いので推奨はしない),戦闘態勢に入る。こういうときに分泌されるアドレナリンって,脳を覚醒させて集中力を高めたり,運動能力を高めたりするらしいよ。

ああ……でも,やっぱり余裕がないのはよくないな。次回から気をつけます。ごめんなさい。


接近しつつある台風の影響なのか,クラブ周辺では雨が降っていた。
馬術の試合は雨の中でも普通に行われる。
仕方ない。天候は操作できない。
演技が終わったらすぐに着替えれば,風邪もひかなくて済むだろう。

2日後には入院。
3日後には手術。

ここで体調を崩したら,自分が怒られるだけではなく,予定変更により大勢の人に迷惑をかけることになる。それだけは避けたい。


馬房に行くと,黒馬くんはもうすでに綺麗に馬装されていた。
よろしくねー(T∀T) きみにかかってるよー!

お馬さんはいつも通りに落ち着いていた。
馬って緊張しないのかな。わたし自身もそんなに緊張はしていないと思うけれど。
上手くいくといいね,と首を撫でる。

ちなみに,ここしばらくメルカリや人脈を駆使して格安で集めた正装をしていったのだけれど(蒸し暑いのでジャケットは省略),わたしの正装が珍しかったのか,スタッフが数人馬房前に集まってきた。
ベルトがないことを残念がっていて,貸し出しの申し出があったのだけれど,


「おれのベルト貸しましょうか!?(☆°∀°)」
「わたしのベルト貸すよ!( ・∇・)
「おれのベルトを……!(☆°∀°)
     

ありがとうございます(*´ω`*)笑。
でも集団でベルト外し始めるのやめて(笑)。

彼らは愉快で,実に良い人たちだ。

ウエストがゆるいわけでも,シャツが短いわけでもなかったので,ベルトはなしで競技に挑むことにした。


小雨が降り続く中,準備のため馬場の隅に出る。指導員さんがついてくれて,最後の調整に入る。
常歩,軽速歩,速歩,駈歩,巻き乗り,20mの輪乗り,三湾曲,歩様の変換……
この期に及んで,変なミスをしたりして,苦笑いが漏れる。メンタルを壊さないようにするためなのか,指導員さんは怒らずにいてくれた。
 
わたしの出番は後のほうだったので,まだ余裕があるかと思っていたら,前の出場者の準備が整わないとかで,急遽わたしが先に審査をしてもらうことになった。
えええぇぇ!((((;゜Д゜)))
もう出番!?

ドレッサージュ馬場へ行き,入場する前に何度か速歩での巻き乗りを繰り返す。指導員さんからOKが出たので,馬場へ入場。正面の審判員席に,見慣れた人の顔があった。

ん? ……あれ?(つд⊂)ゴシゴシ
見間違いでなければ,あの審判員の席にいるのは,オーナー……?

正面の審判員の席でにこやかな笑顔を浮かべているのは,紛れもなくオーナーでした(笑)。
馬場の試合の審判やってるの,初めて見ましたよ……(´∀`;)
初めてなので,厳しく採点されるのか甘く採点されるのか,見当がつかない。

ここまできたら,もうごちゃごちゃ考えている暇はない。
停止。不動。敬礼。
オーナーが笑顔で頷いたのを確認して,速歩発進。
隅角を通り,斜め手前変換しながら歩度を伸ばす。蹄跡から歩幅を戻し,ここから三湾曲……

というところでまさかのボロ!

うそぉ!? 先週の練習と同じ箇所でボロするの!? Σ(´□`;) なにここ,きみのボロポイント!!?

先週停まられてしまった記憶が蘇り,焦って強めに脚を入れる。どうにか停止はしなかったものの常歩に落ち,速歩を発進し直す。

ひいぃぃ……確実に減点だよ今の!

気を取り直して三湾曲。
その後の常歩パートで,虫が気になるのか頭を振りまくる黒馬くん(進んではいる)。
こ,こんな,こんなんでいいのか!? 美しくないぞ!?

C地点からの駈歩発進。この前の常歩の時点でよく動いていて,反応がよさそうな気配があったので,C地点ギリギリで扶助を出し発進させる。20m輪乗り。そのまま直線で歩度を伸ばす。馬場に斜めに入って中央から速歩,蹄跡から常歩。手前を変えてもう一度。

最後のC地点からの速歩発進。
最後の半輪乗りの半円が綺麗に描けなかったけれど,停止ポイントまで何とか速歩継続。
停止。不動。敬礼。


演技を終えると拍手がきた。
たった一人,見守ってくれていた指導員さんが拍手してくれていた。
なんだか泣ける(´;ω;`)
全部あなたが教えてくださったことです(ノ_<。)


競技を終えての感想は,


もうちょっときっちりやりたかった!(>_<;)


もっと,もう少し……ちゃんとできたはず!
達成感よりも,やや悔しい思いが胸に残った。


馬場を出ると指導員さんがいて,「よくできてたね(^_^)」 と言ってくださった。
出来なかった点ばかり目についていたわたしは,失礼にも 「本当ですか?」 と聞き返してしまった。


指導員さん 「うん,ちゃんと動いていたよ。本番に強いのかな」


ああ……ダメだ,わたし。「素直に喜ぶ力」を失いつつある(泣)。
ここ,「わーい♪」って喜ぶところ!(´;ω;`)


黒馬くんを馬房に戻し,汗だくだったので着替えて筆記試験に臨む(過去問を中心に勉強していたので,試験内容が若干変更されていて焦る)。

その場で採点され,実技のジャッジシートをもらいながら,合格ラインに届いていることを知る。
わたしがあんまり喜んでいない顔をしているので,受付の人に「決して悪くない点だと思いますよ」と気を使われる。ごめんなさい,ただわたしの中の職人魂が騒いで(※小夏の先祖は代々職人をやっておりました),完成度に満足していないだけなんです。


ジャッジシートで特に「良い」と評価されていたのは,最初の隅角と,速歩の斜め手前変換での歩幅を伸ばすところと,駈歩発進と20mの輪乗り及び直線での歩幅を伸ばす箇所(左右どちらも)。
平均よりも下げられていたのは,ボロで止まりかけた部分。常歩になってしまった所があったために,得意だった三湾曲蛇乗りの評価が低かった(←今日一番のがっかりポイント)。


うん,でも,まあ,よかった! 全体的に出来てたんだよ! そんな気がする!
ジャッジシートにも「大体よくできてます」って書いてあった!(´∀`;)


筆記の試験を受けている間に雨はやみ,雲が切れて晴れ間が見えるようになっていた。
鮮やかな青色が広がり,気温が上がり,まぶしいくらいの夏空が姿を現す。
今年の長い長い梅雨が,ようやく明けるのだ。

じりじりと照りつける太陽光を避けながら,外の馬場で行われている障害馬術の試合を見ていた。
ローカルな試合は,「何でもあり」な感じがとても楽しい。鐙上げで障害を跳んだり(60㎝くらいなら行けるらしい),本当に,試合って「ゲーム」なんだな,楽しむためにやるものなんだなと思った。

馬場の採点の集計には時間がかかるのか,少し時間が経ってから順位の放送があった。
優勝は逃したかもしれないけれど,参加者も多くなかったし,あとはどこまで順位を上げられるかだなー……なんて思っていたら,わたしと黒馬くんは1位になっていた。
動揺して,次にやるべき行動が一瞬わからなくなったので,とりあえず馬房に行って黒馬くんに報告することにした。ほ,褒めてあげなきゃ! あと,「ありがと」って!
馬房に行き,


馬 「ぼく,頑張ったよ!(●´ω`●)」

小夏 「よくやったねぇぇぇ!!! (*´∇`*)」


みたいなことを期待していたのだけれど,お馬さんはちょうど昼ごはんを食べている最中で,対応はクールなものだった。もぐもぐしながらも,一応顔は上げてこちらを見てくれるのだけれど,


馬 「別に……おれ,やることやっただけなんで」


みたいな感じで,わたしがベタベタ触りながら褒めるような雰囲気ではなかった。

お馬さんの世界には,「合格」も「優勝」もないのね(^_^;)
「練習」と「本番」の違いもないのかも。
ただ,怒られずにお仕事を終わらせて,ごはんを食べて,綺麗な馬房で眠れれば,それで満足なのかな。ある意味では羨ましいとも言える。


晴れ渡る夏空の下で,表彰台に上る。
明るく澄んだ,夏空を切り取ったような色のリボンを受け取った。


ああ……ようやく,ようやくここまで来られた。2級の試験に受かる日が来るとは思わなかった。
まだまだ力不足だけれど,ちゃんと合格したから,周りの人に「馬に乗れます」って言ってもいいかな。


一区切りついたから,これで心置きなく治療に専念できる。


帰り際にフロントで,受付の人に 「回復したら,またいつでも来てくださいね。お待ちしてますので」 と声をかけられる。

初めてここへやって来た日のことを思い出した。
あのときは,まだ,「乗馬」と「自分の日常生活」には大きな隔たりがあって,少し緊張していた。


「はい! ぜひ,また」 と笑って答えて,その場を去る。


少しずつ緊張を解いて,「乗馬」と「自分」の距離を縮めていく中で,随分たくさんの思い出ができたと思った。




*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜


あ と が き


『馬々とりんごの日々』 は,ここで,第一幕が閉幕かな,という気がします。
これが物語で,わたしが作者なら,ひとまずここで筆を置くと思うからです。
初めて馬に触れて乗った日から,馬場2級の試験に合格するまで。
ここまでがきっと「第一幕」。

第二幕の開始がいつになるかはわかりませんが(できるだけ早く戻りたいとは思いますが),節目として,これまで関わってくださった方々に感謝していきたいと思います。


乗馬を始めるきっかけを与えてくださった知り合いの女性の方,ここまで教え導いてくださったインストラクターの方々,いつも感じよく接してくださるクラブの人たち,ブログやツイッターで応援してくださる大勢の方々,競技用のウェアやグローブやタイなどをお譲りくださった方,温かく見守ってくれている家族,審査をしてくださる先生方,乗せてくれるお馬さんたちと,そのお馬さんたちを世話してくださっている方々に,万感の思いを込めて。ありがとうございました。


   2019年7月 小夏

カット


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