馬々とりんごの日々

UMAUMA TO RINGO NO HIBI 初心者の乗馬日記です。 記録のために書いています。 これから乗馬を始められる方の参考になれば幸いです。

障害飛越

26 鞍目 地上横木通過

2017年5月24日(水) 天気 くもりのち小雨

初めて平日に乗馬に行きました♪
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今日のテーマは「平日の乗馬」にしようと思っていたのだけれど,練習内容のほうがインパクトが強かったので「地上横木通過」にしました。

休日出勤の振替で午後だけ休みが取れたので,初めて平日に乗馬クラブに行った。
こういう「初めてのこと」をするときは,できるだけ純真な気持ちでわくわくして行くのがベストなのだけれど,家でちょっとゴタゴタがあったので,もやもやと重い気持ちで乗馬クラブに向かう。

あ~……せっかく休み取れて乗馬に行くのにな~……(;´Д`)
なんて思っていたのだけれど,1時間くらい田舎道を車で走っていたら,不思議と気持ちはすっきり晴れていった。

ああ! やっぱり1人の時間とか空間って大事!.。゚+.(>_<).。゚+。
誰でも1日のうち最低1時間は「ひとりの時間」とったほうがいいよ!

すがすがしい気持ちで乗馬クラブに到着。

平日の乗馬クラブって何か変わった感じがするかと思ったら,特にそんなことはなかった。
行くまでは「リタイア後にのんびり乗馬を楽しむ人」とか「週末とか関係ない裕福な人」とか「学校帰りの子ども」とかいるのかなと思っていたけれど,いや,普通に見たことある人たちがいるよ(笑)。

というわけで,平日だからって特に変わったことはない!(・∀・)ノ

外の馬場には見慣れない大きな黒馬がいた。脚の下のほうの毛だけフサフサしていたので面白がっていたら,近くにいた会員のマダムが教えてくれた。

「あの馬知らないの? もう海外の競技会で何度も優勝してる馬よ」

Σ(=゚ω゚=;)!!?

すごい馬がいたもんだ。


今日も新しいお馬さんがパートナーだった。

元競走馬の鹿毛の女の子。
やわらかくって毛並もきれいでかわいい。
腹帯締めるのは嫌がっていた(牝馬はお腹嫌がる?)

前から思っていたのだけど,馬の力って性差ないんだろうか。
騎手にも性差はないんだろうか。
競技会も,あまり気にしていなかったけれど,今思えば男女混合だったな。
関係ないのかな。


今日のお馬さんはとても反応がよく,軽い扶助ですいすい動く。
軽速歩もすいすい。
巻き乗りも半巻もすいすい♪
……わたしたち相性いいんじゃない……!?

女の子の馬初めてだけど,わたし何だかあなた乗りやすいわ(´∀`*) ♪

調子に乗っていたら,指導員さんに「安定してきたので次の段階に入りましょう」と言われた。

えっと,今って何段階目……?(´・ω・`;)

よく他の方のブログを読んでいると「〇〇クラスから△△クラスになりました!」とかあるのだけど,ここはそういうのがないのでよくわからない。

とりあえず最近やっているのはスピード調整(歩度の伸長・収縮というらしい)。
拳を「ギュッと握る」「開いてゆるめる」くらいの小さな動作で歩度が伸びたり縮んだりする。
「手綱引く」とか「脚で蹴る」とか,そんな大袈裟な動きじゃなくてもちゃんと効くの。びっくり。
(※もちろん「手綱を引く」ときや「脚で蹴る」ときもある)

軽速歩で蹄跡行進している道筋に,キャバレッティ(障害とかに使われる丸太)が置かれる。
まずは一本。
どんな感じなんだろうと思ったら,そのまま普通に通過(笑)。
若干「ふわっ」って感じはしたかな?

続いて二本,三本……とキャバレッティが増やされていく。
最終的に,今日は五本の地上横木を通過した。

「地上横木通過」って,はたから見ていたときは「何が難しいんだろう?  ただ通過するだけなのに」と思っていたのだけど,リズムよく行かないと,馬がつんのめって「おっとっと」って感じになる。
蹄が横木に当たって音を立てるのはOKなのかな,NGなのかな。

通過する際に速すぎてもダメなので(歩幅とかの関係で),ちょっと減速するのだけど,それが上手くいかずに停止してしまうことが何度かあった。

直前で停止した場合は常歩で横木を通過することになり,お馬さんは「仕方ないな~」といった風に通過した後,何も合図していないのに「ほら,もう一回行くよ!」とばかりに勝手に速歩になった。

いや,あの……もう一周するから速歩出そうと思ってたけどさ(; ´∀`)
お馬さんがものわかり良すぎて,わたしがダメになりそう。

でもでも,新しいことをやるのは,やっぱりすごく楽しかった(^∀^)♪
「できないことができるようになる」って,大人になっても本当に嬉しいことだ。

それから,今日は指導員さんに指摘されて,悪かった姿勢を直す具体的な方法がわかった。
わたし,骨盤が前傾し過ぎだった。
もうちょっとおへそ引いて,後傾気味くらいの気持ちで乗ったほうがいい。
そういえば,ヨガやってたときも「前傾よりも後傾のほうが苦手だな~」と思っていた。
悪い癖は直さねば。

最後にもう一点。
実はわたし,鐙(あぶみ)履くのが苦手で,最初に騎乗したときも手で調節してしまったりしていた。
「足だけできれいに履く方法を身に着けて」とのことで(走行中に鐙が外れた際に戻せないのも,これが原因),ちょっと素敵な方法を教わってしまった。

まず,つま先に鐙をちょっと引っかけて,軽く跳ね上げる。鐙が一瞬宙に浮いたところで,まっすぐいい位置に足を乗せる。

これだけ。
この動作,グッとくる(笑)。なんかすごくカッコいいんですけど(*´∇`*)
これ自然にできるだけでプロっぽく見える。

鐙の履き方に気分が上がりまくっていたので,洗い場に戻る際に指導員さんにかけられた言葉が意外だった。

指導員さん「めげずにまた来てくださいね(´・ω・`)

え……今日何かめげそうなことあったっけ?
(;。・ω・)


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36鞍目 クロスバー通過

2017年7月9日(日) 天気 晴れ

これをやってみたかったの.。゚+.(´∀`*)゚+.゚.。
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レッスンを続けていると,「自分の下手さに打ちのめされる日」と「自分が思っている以上に上達が感じられる日」が,だいたい交互にやってくる。

今日は想像していた以上に進みが速いなぁと思った日。

初めて障害を跳んでみた.。゚+.(・∀・)゚+.゚.

乗馬を始めて丸々1年は,障害跳んだりできないものだと思ってたので,「では障害跳んでみましょう」と言われたとき,すんなり受け入れられたものの,内心びっくりしていたようにも思う。

でも指導員さんが大丈夫だろうと判断してくださったのだろうから,そこは信じていいかなと。
よく馬と人の信頼関係が大事とか言うけど,指導する側とされる側の信頼関係もやっぱり大事だと思う。
信頼できない人の「跳べ!」なんて指示,怖くて跳べないよ。

まあ,今日はクロスバーなので,「跳ぶ」というより「跨ぐ」って感じだったけど。
しかもできなさ過ぎて,指導員さん共々笑いが込み上げてくる始末だったけど(*´∇`*)

まあ,最初だし……ね!(笑)
指導員さんは「今日は落ちなければそれでいい(笑)」と。

☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;

今日はそこそこ調子が良かった。
お馬さんは運動前から汗ばんでいて,馬房では「出社拒否」を試みていたけれど,にんじんを与えてごまかしつつ馬装を終え馬場まで連れて行ったら,なんとか頑張ってくれた。

ふくらはぎでの圧迫だけで,常歩も速歩も割と簡単に出た。
(歩度伸ばすのには鞭使ったけどね(´∀`;))
巻き乗り&半巻きはきれいにはできなかったけど,駈歩の発進は毎回ほぼ一発でOK。
駈歩しながら継続の脚を入れるのもできた(蹴らずにかかとで押す)。

ここで指導員さんの「上手くなったなー」のひと言。
こういう独り言系の褒めってお世辞でもものすごく効くのよ(T∀T)
ありがとう!.。゚+.(´Д⊂)゚+.゚


その後,軽速歩で蹄跡の地上横木を通過。
横木の中央の色が違う部分に誘導する訓練を何回か行う。
どうにかギリギリ中央を通れるようになったところで,

ようこそ! 障害飛越の世界へ!(=゚ω゚)人(゚ω゚=)!

いきなり扉が開かれる。

はわわわわ……(*´Д`*)

鐙をぐっと短くし,障害を通過する際の姿勢を教わる。

軽速歩で立ち上がった状態(膝伸ばす)から上半身をこう……前に倒す?
拳は馬のたてがみをつかむ感じ(実際今日はたてがみをつかんで通過した)。
視線は前。下を向くと落ちるらしい。
腰の落とし具合とか,脚の位置の固定具合とか(もう内股気味に押さえちゃっていいのかな?),まだ色々感覚がつかめずに難しかった。
何回か停止した状態で姿勢の練習。

最初の障害は,高さのないクロスバー(30㎝くらいかな?)。
クロスバーの前には2本の横木。
通過は速歩(軽速歩)で。

最初の横木の手前で腰を浮かせて二点乗り。
この時点でもう姿勢が正しくない('д` ;)
停止しているときには正しい姿勢を取れてるのに,走っているとわけがわからなくなる。
でもこの姿勢が正しくないってことも,初めて過ぎてわからないのね。
後で先生に「脚後ろに流れてた」と言われたのと,通過後に前に落ちそうになったのと,鞍に着地したらいつもの場所より随分後ろだったので,「あ,今の正しくなかったんだ」と気づいた。
3回くらいやったけど,なかなか改善しない。

肝心のクロスバーを通過するときの感じはね,音にすると「がったん」って感じ。
これ,やっぱダメな跳び方だろうな(´∀`;)
なんとなく,理想の跳び方した時って,「ふわっ」って感じになりそうじゃない?

自分が馬の動きについていけてなくて,すごい余計なお荷物として鞍の上でグラグラしてる感覚。
お馬様は汗だく。暑いのに変な乗り方してほんとすみません。・゚・(ノД`)

今回初めて障害を跳んでみたわけだけど,わたしの場合,「恐い」っていうのはそんなになかった(今日はクロスバーだしね)。
通過後に落ちそうになって体勢立て直したときも,恐怖はほとんどなく,自分のまぬけな姿を想像して笑ってしまった。
なんでだろう。駈歩の練習してたときのほうが恐かったな。今日は速歩だったからかな。

出来はともかく,今日は「初めて障害を跳んだ日」。
これからもっときれいに跳べるようになりたいな(●´ω`●)

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41 鞍目 立ち乗りのコツ

2017年8月19日(土) 天気 雨 のち くもり

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今日のパートナーは久しぶりのやんちゃ馬だった。
しばらく出てこなかったから具合でも悪いのかと思って心配したよ(´-ω-`)

出てこなくなる直前のレッスンで,わたしが思いっきり横木踏ませてよろけさせたりしてたので,もしかしてあれで足痛めて回復の見込みが立たず肉屋に直行……とかなっていたらすごい嫌だなと内心ビクビクしていた。

ああ,元気そうでよかった……(´Д⊂).゚+.゚
自分が怪我するのも嫌だけど,お馬さんを負傷させるのも嫌だものね。


いつもの常歩でウォーミングアップ。
やや強引に速歩出して(この日はわたしが初乗りらしいので強めの扶助)軽速歩。
その後,普通の速歩(正反動)をしていると,事件が起きた。

馬場に他のお馬さんが練習にやってきたのだ。
(騎手はわたしよりもはるかに上手)

邪魔にならないように中央あたりで動いていてくれたのだけど,わたしの騎乗馬がその馬に近づきたいらしくて(なぜ!?)蹄跡を外れること数回。
苦労しいしい蹄跡に戻す。

普段個人で,単騎で練習しているとこういった事態が発生しないので,予想外の馬の動きに困惑してしまった。
馬って仲間の近くに行きたいものなのかな(近づいてどうするのさ…('A`|||))。
本来群れで生活している生き物だから,そういう習性なんだろうな。

中央で練習していた騎手とお馬さんはそんなに長い時間居ないで退出していったのだけれど,複数の馬がいる場所で乗るとこういうこともあるのかと,新鮮な思いがした。


再び一人と一頭になり,駈歩。
発進は二回に一回の割合で成功(半分は速歩になってしまい失敗)。
走り始めたら継続を図り(鞭使い過ぎて「できるだけ脚で」と注意されたよ(´∀`;)),角で内に入られないように手綱での誘導を試みる。

駈歩だと手綱持っていかれて長くなりがちだなぁ。
長くなって短く持ち直し,長くなって短く持ち直しを繰り返す。

わたし腕の力がないのかな。いや,腕力より握力……?(´・ω・`)

□■□■□■□■□

後半は障害のレッスン。
横木通過を何回かした後,また脚を直された。
「正しい脚の位置は,こうです!」と,手でグギィと直される。
あれ? なんだかつま先内側向いているんだけど。

「つま先が少し内側向いてるんですが,これ正しいですか」
と指導員さんに問うと
「これが正しいの」
と返ってきた。

え……わたし今まで,こんな感じでは乗っていなかったよ?
これが正しかったの( ;゚д゚)!?

静止した状態で立ち乗り(ツーポイント)の姿勢をとってみる。

つま先を少し内側にしたところ,劇的に乗りやすくなった!(=゚ω゚=;)

膝でちゃんと鞍押さえられるの! 驚きのフィット感&安定感。


あああ……(´д`;)
以前,「内股気味に乗っていい。でもつま先は前に向ける」というような内容をこのブログにメモした覚えがあるのだけれど,ごめんなさい,訂正します(T_T)

「つま先は少し内側」を向いていていいです。

もしあの記事を参考にされた方がいたら(そんなにいないとは思うけれど)謝ります。あれは誤りでした。すみませんでした。

とにかく,今回は何やらすごい秘密を知ってしまったような気分でその立ち乗りを実践し続けた。
つま先ちょっと内側にして膝閉じてると,気のせいか軽速歩も安定するのね。
(※これは一般的に(どんな人に対しても)そうなのか,わたしの膝が外に開きやすいがために有効な手なのかはわかりません。)

横木もその状態で通過。
クロスバーも通過。

前回クロスバーを通過したときよりも全然やりやすい。

障害の高さに慌てると,やっぱりまだ脚が後ろに流れ気味になったりするけれど(もう前に突っ張るくらいの気持ちでいいかな),落ち着いていけば横木通過と同じ感覚でいける。

障害を跳ぶときは,自分も少し前に行く感じにすると上手くいく(そうしないと人間が馬にちょっと遅れる)。

つま先を内向きにして膝で鞍押さえて安定させることのほかに,膝と,少し落とした腰で反動を吸収すると,やわらかく乗れる。

何度か腰が硬直して動かなくなり,脚がずれて姿勢を崩すということを繰り返す。
ああ……課題は脚だけじゃない(´Д⊂)
「障害を跳ぶ」と思うと,どこか緊張してしまうのだけど,リラックスして力を抜いたほうが上手くいくみたい。

それから,障害跳んだ後,すぐに元の状態に戻らないと馬のコントロールがしづらくなる。
跳んだ後,何でこんなに馬思い通りに動かせないんだろうと思ったら,体勢が戻っていなかったみたい。指導員さんに指摘されるまで気づかなかった……やっぱり余裕なくしてるのかな。


でも,本当に驚きだった。
つま先を少し内に向けると言っても,ほんの数ミリ~数センチの話だ。
たったこれだけの角度の変化で乗りやすさがこうも違うなんて,目からうろこ。

「できない状態」から「できる状態」になるまでの間って,見えないだけにものすごい差があるような気がするのだけど,案外,その二つの状態は隣接していたりするのかもしれない。


何回かクロスバーを通過した後,指導員さんはクロスしていたバーを真っ直ぐにした。
バーが真っ直ぐの,普通の障害(高さ50㎝くらい)。
これも横木やクロスバーと同じ要領で通過する。

初めてクロスバーを通過したとき,「いつか真っ直ぐの障害も……」と思っていたのだけど,その「いつか」は意外と早かった (´▽`;)

遠いと思っている場所も,ずっと先だと思っていることも,案外身近にあるのかも。


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45 鞍目 駈歩で障害を飛ぶ

2017年9月10日(日) 天気 晴れ

2鞍目は障害飛越の練習です。
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26鞍目で初めて速歩で地上横木を通過したとき,「いつかクロスバーくらい跳べるようになるかな?」と思った。

36鞍目で初めて速歩でクロスバーを通過したとき,「いつか垂直障害も跳べるようになるかな?」と思った。

41鞍目で初めて速歩で垂直障害を跳んだとき,「いつか駈歩でも障害跳べるようになるかな?」と思った。

そして 45鞍目の今日。
初めて駈歩で地上横木を通過して,駈歩でクロスバー跳んで,駈歩で垂直障害を跳ぶという,「早送り」みたいな現象が発生した。
最近「いつか」が現実になるのが異様に早い。

というわけで,障害飛越のレッスン。

まずは軽速歩で地上横木通過。
キャバレッティの中央に馬を誘導する練習をする。
その次に立ち乗りの姿勢の見直しをして,軽速歩+立ち乗りでクロスバーを通過。
あの立ち乗りのコツをつかんで以来,以前よりもはるかに安定して二点乗りができるようになった。
(……でもまだ脚後ろに流れがちだけどね( ; ´_ゝ`)気をつけなきゃ)
だけど,まあ,一応マシな感じで跳べるようにはなってきた。(´∀`;)

何回かクロスバーを跳んだあと,キャバレッティが垂直障害に直される。
大丈夫! 同じ感じで行けば跳べる!
慣れればクロスバーも垂直障害もほとんど差はない感じ。
通過後にすぐさま体勢を立て直す練習も繰り返す。すぐにもとの軽速歩に切り替え,そのまま馬場をもう一周して同じ障害を跳ぶ。

ああぁ…….。゚+.(*´Д`*)゚+.゚ なんか,下手でも継続してできると,ちょっと「乗れてる感」あって嬉しいね(涙)。


しばらくすると,指導員さんは障害のキャバレッティを外して地上横木に戻し,「駈歩で通りましょう」と言った。

おおぅ! ついにやってきた駈歩での横木通過!
3級の試験の経路にあったかな? なかったかな?
そんなことを考える間もなく駈歩発進。
なぜかこの日は駈歩発進がすべて上手くいく。成功率100%
何も考えずに横木の中央を通過。
まあこんなもんだよね。1本ならいけるよね。
次いで2本,3本と増やされる。
まあこんなもんだよね。こんな感じの気がしたもんね。

すると指導員さん,わたしが馬場を一周している間にキャバレッティを持ち上げ,なんとクロスバー障害をつくっている!(゚д゚;)

指導員さん「次,障害です」
小夏「はい!」 
心の声:えええぇーー!!!?(((( ;゚д゚)))(((( ;゚д゚))))


……わたし,レッスン中は何か言われたら反射的に「はい!」って答えるクセがついている。
言われたら「できる,できない」とか「やりたい,やりたくない」とか考えずに,頭の中まっさらにして実行あるのみ!

駈歩で障害に向かう。障害が迫る!
飛んだ!(=゚ω゚=;)!
着地した!
意外と大丈夫(゚∇゚ ;)! 
小夏「…!」(わずかに体勢を崩す)
指導員さん「身体起こして!(`・д・´)!」
小夏「…!」(身体を起こしてバランスを戻す)
駈歩は続いている。
指導員さん「じゃあもう一周してもう一回!」
小夏「はい!」
(心の声:
…マジか?(´д`;)
恐怖を感じている暇もない。
もう一回障害に向かう。
指導員さん「跳ぶとき身体前に倒して!」


跳ぶとき身体を倒して前に進む感じにしたら,ものすごく跳びやすかった。跳躍する馬の動きに人間が合わせるこの動作を「随伴」と言うのだそうだ。

……ちょっと待ってくれ。
「随伴」の話とか,わたしが最初に障害跳ぶ前にしなかったでしょ…?(T‐T)

以前,会員のお姉さんたちが笑いながら「ここのクラブってワイルドだよね(´∀`*)☆」と話していたのだけれど,その「ワイルド」の意味がようやくわかった気がする。ブリティッシュでワイルドなイメージのクラブってそうそうないような気がするんだけど,全国的にはどうなの?

そんなこんなで,駈歩で障害飛越することを覚えた。
クロスバーがいつの間にか垂直障害になっていたのだけれど,いつすり替えられたのか,もはや記憶にない。気づいたら跳んでいた。

駈歩で障害を跳んでみてわかったこと。
速歩で通過するよりも楽。
これは,知らなかった。
駈歩の走り方そのままに,ふわっと行く感じ。
跳ぶ前は,「駈歩だと恐いのかな(´・ω・`)」なんて思っていたのだけれど,速歩より楽なので,恐怖が加算されるようなことは全くなかった。
いや,恐怖よりも,むしろ……

楽しかった(●´ω`●)♪

ふわって行くの,楽しい♪(*´ -`)(´- `*)♪笑

このクラブで,主に馬場馬術の練習をしている人たちが,馬の世話をしながら「障害はわけわかんないまま終わる」「あれを楽しいって言う人の気持ちがわからない」なんて話しているのを聞いたことがあって,わたしはどっち側(楽しく思える側 or 思えない側)なんだろうとそのとき思ったのだけれど,どうやら「楽しく思える側」だったみたい。少なくとも,今の時点でそんなに恐怖はない(恐怖がゼロというわけではない)。

そして,障害飛越をやってみると,歩度の伸長・収縮の技術がいかに大事なのかがよくわかった。
「踏み切り」って,今の時点でわたしはほとんどわかっていない状態なのだけれど,とにかく,馬で障害を跳ぶには「跳びやすいように」しなければならないわけで,歩幅とか速さとかリズムとか障害までの距離とか,なんかそういうのを判断してコントロールできないとダメなんだなぁと,今日は身に染みて思った。いつか,ちゃんとわかるようになるんだろうか。

それから,跳んだあとの体勢立て直しね。わたし,今日は跳んだあとに常歩に落として真っ直ぐ停止させることにすら苦労してた。慌てると無意識に利き手の右手綱ばかり強く引いて,左が弱いもので,馬が変な方向に行ってしまう。お馬さんもジャンプすると興奮するのか加速気味になり,拳での減速にも一苦労。

指導員さんは「今日は障害が一つだからいいですけど,何個も障害がある場合だと,すぐに体勢戻さないと次が跳べないでしょ?」と言っていた。

……あれ? もしかしてこの先,わたし連続して障害を跳ぶ日がやってくる?(=゚ω゚=)ソワソワ


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52 鞍目 距離を見る

2017年10月21日(土)  天気 くもり時々雨

馬の毛が もふもふ し始める時期になりました(●´ω`●)♪
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CC by Mikelo

もう冬毛に生え変わり始めてるのね。
夏毛もつやつやしていて綺麗だけれど,冬毛のもふもふも大好き♪
ぬいぐるみみたいで本当に可愛い(*´ -`)(´- `*)♪
手触りが気持ちいいので,今日は無駄に馬体を触り続けて,最後の頃はちょっと威嚇されたよ。もともとブラッシングも嫌いなコだものね(´∀`;) うっとうしくしてごめんよ。


今日はレッスン時間の半分以上が過ぎた頃,ようやく良いバランスを取り戻した。
安定してきたところで,やっと次の練習に入る。不安定な状態では,危なくて障害の練習にも入れないのだそうだ。
「今日は(調子を取り戻すのが)長すぎた」
と指導員さんは言った。
「次からは,最初からこうなれるようにね」
と。
はい……そうありたいと思います……(TдT)ノ

久しぶりの障害飛越。今日は速歩で跳ぶ。フォームを忘れかけていてバランスを上手くとれない。

地上横木 → クロスバー → 垂直障害 と続けていく。

「馬に乗って障害を跳んだ」と言うと,みんな「すごいね」「上手なんだね」と言ってくださるのだけど,実際にやってみると,決して「障害を跳べる=乗馬が上手い」のではないのだということがよくわかる。
下手でも,やろうと思えば,一応跳べちゃうのだ(´∀`;)

今日なんて障害跳んだ後に,鞍にお尻突き上げられて,もふもふの馬の背に顔から突っ込んだ。
こんなの全然上手じゃない(T‐T)ちょっと笑えたけどね。
お馬さんには苦痛だったかな。上手く乗れなくてごめんね。

感覚を思い出しながら,何度か速歩で障害を通過した後,馬場を回っていると,指導員さんはさりげなく言った。

「高くなったけど気にしないでねー.。゚+.(・∀・)゚+.゚」

障害を見てみると,バーが前よりも高くされている。

わああぁぁ(゚д゚;)

前跳んでたのが50~60㎝だったから,今回は70㎝くらいなのかな?
跳んでみると,あんまり違いは感じない。

これはいいのか悪いのかわからないのだけど,回を重ねるごとに,障害跳ぶのが恐くなくなっている自分がいる。段々「普通のこと」になりつつある。
でも,恐怖心がなくなり過ぎても恐いような気がするのだ。油断するから。車の運転と同じで,こういうときに事故が起きるんじゃないかなって。
リスクの高いことをしているのだという意識は,常に頭の片隅に置いておきたい。

ちなみに,速歩で障害跳んだ後,駈歩になってしまうことが何度かあったんだけど,これって,上手く乗ればこうはならないものなのかな。馬が勝手に興奮してるような気がするんだけど(´・ω・`)。

それから,たてがみを掴んで障害を通過したら,両手から手綱が放れてしまったことがあったのだけど,その後普通に走りながら手綱に手を伸ばして取ることができたので,「ああ,手綱から手を放して乗る練習ってこういうところで生きてくるのかも.。゚+.(*゚∀゚)+.゚」なんて思った。
経験があると非常時に冷静になれる気がする。


速歩での障害の練習はとりあえず終了して,次は駈歩の練習。

常歩からの駈歩発進。今日は全部上手くいく。
継続も,なんとかなる(今日は鞭持ってたし,指導員さんの舌鼓も効いているから,脚で失敗してもカバーできるのだ)。

脚や鞭で歩度を伸ばしたり,拳で詰めたりをしながら,横木の中央を上手く通過する練習をする。

そして,「距離を見る」 というのを,今日初めてやったみた。

これまでは,距離とか歩幅とかはほとんど考えず,とにかく偶然にでも上手く通過できればいいや,と,ただ横木に突っ込んでいた。

どのくらいの距離があり,どのくらいの歩幅で進んでいるのか。

見てみて,考えてみて,わかるのか?
という疑問はあったものの,こういうことはわかろうがわかるまいが,できるのだと信じてやってみるしかない。

横木の手前で,指導員さんが馬の一完歩ごとに
「1,2,3…」
とカウントする。

意識したことはなかったけれど,駈歩って,こう考えてみると,一完歩の区切りがわかりやすい規則的な動きをしている。だって,ちゃんとカウントできるんだもの!

当然,歩度を伸ばせば一完歩の距離は長くなり,詰めれば短くなる。
この駈歩の動きの中に,きれいに横木を入れられればいいのだそうだ。

さて,問題はここからで,この歩幅でこの距離を進んだら,何完歩目に横木通過になるのか,最初はまるで見当がつかない。

これって,さぁ……もしかして,頭の中で,俯瞰するような感じで空間全体を正確に把握できてないと,難しいんじゃないの?('A`|||)

そもそも,一完歩の距離がどのくらいかなんて,数字で「〇メートルくらいだな!」なんてとても考えられないから,もう,走りながら,体感として漠然と「このくらい進むな!」って思うしかないんじゃないかな(´;ω;`) プロとかどう把握してるの?

「あ,ここからこの速度で進んだら,あと〇歩目に横木だな」
「この速度で進んだら,跳びづらいから,もうちょっと伸ばそう」
「いや,もうちょっと詰めて〇歩でいこう」

とか,いつか考えられるようになるんだろうか……?(=゚ω゚=;)

とりあえず,最近駈歩が割と余裕持ってできるようになってきたから,騎乗馬の歩数を数えるくせをつけてみようと思う。できれば,馬の脚の運びが体感としてわかるようになりたい。自分の脚で走ってるみたいに。


指導員さんは,レッスンが終わる頃になって,今日よくできた点などを口上で羅列してくれた。
今日は前半が全然ダメだったので,たぶん,わたしがめげないように,自信をつけさせるために,あえて良い点を意識できるように言葉にしてくださったのだ。泣ける話だ(´;ω;`)

【教えてもらった今日よくできた点】
・ちゃんと駈歩の減速ができた(速歩に落ちずに歩度詰められた)。
・人馬共に苦手な右手前での駈歩が余裕を持ってできた。


頑張ろう(>_<)!
お馬さんの毛も,もふもふしてきたし,未来はきっと明るいぞ!


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54 鞍目 連続障害を飛ぶ

2017年10月28日(土) 天気 くもりのち雨

今日もお馬さんとジャンプ♪
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速歩で障害飛越の練習をする。
いつものように,まずは軽速歩で地上横木を通過。
そしてクロスバーを通過。
さらに垂直障害を通過。

まだバランスの取り方が上手くなく,障害を跳んだ後に体勢を立て直すのに苦労している。
とにかく,一回,一回を,注意深く,色々工夫しながら丁寧に跳んでいくしかない。

脚の位置,気を付けること!
上半身,前に倒れないこと!
跳んだ後,拳をすぐに戻すこと!
手綱の長さは左右で同じになるように!

何回か障害飛越の練習をしたあと,障害の数が増やされた。

地上横木の向こうに,クロスバー,そしてその向こうに垂直障害。

Σ(=゚ω゚=;) ちょっと待って,これって,1個目の障害跳んだ後,次の障害跳ぶまでの間,どうすればいいの? どういう動きになるの!?

考える間もなく障害が迫り,馬ジャンプ!続けてジャンプ!

とにかく,ガタンガタンとした動きの馬に死ぬ気で立ち乗りして通過。
すぐに体勢を戻せない。危険なので常歩にして停止。内側の手綱ばかり強く引いてしまうので,馬が馬場の中央に寄っていってしまう。

かなり無茶なことをしているように思えるのだけれど,指導員さんのアドバイスに従いながら,何度か同じ障害を跳ぶ。良いバランスで飛越することと,飛越後に体勢を戻す(わたしの場合主に脚と拳を戻す)ことを集中的に練習する。

さらに信じられないことに,この後,なんともう一つ障害が増やされた!

地上横木 → クロスバー → 垂直障害 → 垂直障害

前方にいくつもそびえ立つ(と言ってもすべて80㎝以下)障害を目にしたら,さすがに恐怖心から ためらいの気持ちが生まれたのだけれどΣ(=゚ω゚=;),馬はもう跳ぶ気で障害に向かっている。
今更後には引けない……!

(ええい!! 乗りかかった船だ!!(;゚Д゚)!!)

心の中で叫んで,障害連続3つ跳んだ。
……実際に乗っているのは,船じゃなくて馬なんだけどね。(乗りかかった馬?)
今調べたら,「乗りかかった馬」って言葉本当にあるんだね。意味は「乗りかかった船」と同じ。知らなかった。今度から使ってみよう。

さて,勢いで連続障害跳んでみた結果,「自らの意志で跳ぶお馬様に必死でしがみついている人間」という図が発生する。

……ま,とりあえず,落ちなかったからよしとしよう(≡ω≡;)

お馬さんはかなり頑張ってくれたんだけど,人間(わたし)がダメだった。
バランス崩しまくり。指導員さんに言われて体勢立て直すんだけど,拳も戻らず,障害飛越終わってから,すぐに馬をコントロールできずに蹄跡に戻れない。
どうにか障害3つ跳び越えるのがやっとって感じ。

それにしても,多少入りがダメでもちゃんと跳んでくれるお馬さんって,心底ありがたい存在だと思った(´;ω;`)
急停止とか急な方向転換とかやらないでいてくれるだけで,初心者のわたしはどれだけ助かっていることか(ノд・。)

「馬が先生です」とか,「馬に教えられる」って言葉を以前からよく聞いていた。
でも,それがどういう意味なのか,実は今までよくわかっていなかった。
今日,ちょっとわかったような気がする。
馬のほうがベテランだから,やることをわかっていて,乗り手の下手さをカバーしてくれるのだ。
おかげでわたしは,まずは動きに慣れるところから練習できる。

ああ……なんだか泣けるほどお馬さんが神々しく思えてきた.。゚+.(´;ω;`)゚+.゚
ありがとう~.。゚+.(つд⊂)゚+.゚

そして,何度同じことを注意されてもなかなか直らないわたしに,サービス業とはいえ笑顔で注意を促し続ける指導員さんの根気に敬服。

「だから脚の位置違うって言ってんだろ!!!(*`Д') !!」

とかならないんだよ(心の中では思ってるかも(´∀`;))。
まあ,明らかにダメなのに笑顔を向けられるからこそ怖さを感じるっていうのはあるんだけどね。

ちなみに,この3つ並んだ障害,何度か通過する練習をしたのだけれど,最後の回でお馬さんが直前で駈歩になってしまい,直前過ぎて速歩に戻せないのでそのまま駈歩で通過した。
彼(お馬さん),走ってるうちにエンジンがガンガンかかってくるタイプだから,後半になるほど勢いついて制御が大変なのよ(´Д⊂)

でも,速歩で障害跳んだ後,駈歩になってしまうのは,指導員さん曰く,わたしが走らせているらしい。
バランスを崩すと無意識に脚で締めてしまうらしく,さらに手綱も緩くなっているので,それが推進になっているのだそうだ。
そうか……ただ単にお馬さんが興奮しているわけじゃなかったんだね(´・ω・`)

指導員さんは,障害飛越後に拳を戻して馬の制御を取り戻すことを「馬が手に戻ってくる」という言葉で表していた。「馬が手に戻ってくる」か。面白い表現だな(●´ω`●)♪



命からがら障害飛越の練習を終え,今度は駈歩をしながら,目測で障害物までの距離を測る練習。蹄跡に置かれた一本のキャバレッティが目測の対象。

1,2,3……と,騎乗馬の歩数を胸の内で数える。

実際にやってみて思った。
ただ馬場を走っているだけのときには,カウントしてもあんまり意味はない(本当は意味があるのかもしれないけれど,とりあえず現時点のわたしにとってはそうだった)。
障害が見える場所に入ってから,「あ,このままだとあと2歩も行ったら障害ギリギリ!」とか思う。
つまり,割と障害直前にならないとスピードの調整のしようがない(´∀`;)
これ,本当は,もっと違うんだろうな……きっと('A`;)
しかも,馬の,前肢がさ……どのへんで踏み切ればちょうどいいの?
なんか今日は「ああ障害近すぎた!!」とか思ったくらいで指導員さんに「よし!」って言われた。
馬の顔が前に出てるから,肢の位置がもうちょっと後ろにあることに気付かなかったのかな。

加減が……全然……わからないよ……(T_T)

キャバレッティはこのあと垂直障害になったのだけれど,速歩で連続障害を跳ぶという苦難の練習をした後だったので,駈歩で距離を見ながら跳ぶのはすごく楽に感じた。

はあぁ~課題は多いなぁ~('д` ;)

馬と指導員さんに教えられながら,今日もレッスンを終える。
毎回のレッスンを「後がない」くらいの気持ちで取り組んでいきたいと,『徒然草』の一段を思い出しながら思った。

□■□■□■□■□

或人、弓射る事を習ふに、もろ矢をたばさみて的に向ふ。師の言はく、「初心の人、二つの矢を持つ事なかれ。後の矢を頼みて、はじめの矢に等閑(なおざり)の心あり。毎度ただ得失なく、この一矢(ひとや)に定むべしと思へ」と言ふ。わづかに二つの矢、師の前にてひとつをおろかにせんと思はんや。懈怠(けだい)の心、みづから知らずといへども、師これを知る。この戒め、万事にわたるべし。

道を学する人、夕(ゆうべ)には朝(あした)あらん事を思ひ、朝には夕あらんことを思ひて、かさねてねんごろに修(しゅ)せんことを期(ご)す。況(いわん)や一刹那のうちにおいて、懈怠(けだい)の心ある事を知らんや。なんぞ、ただ今の一念において、直(ただ)ちにする事の甚だ難き。
(第九十二段)

【現代語訳】

ある人が弓を射る事を習うのに、二本の矢を持って的に向かった。師の言うことに、「初心者は、二つの矢を持ってはならない。後の矢を頼んで、はじめの矢にいい加減な心が生じる。毎度ただ当たりはずれなく、この一本の矢にて事を決すべきだ」と言う。わづかに二本の矢を、師の前で一つをおろそかにすると思うだろうか。(しかし)なおざりの心は、自分自身は知らないといっても、師はこれを知るのだ。この戒めは、あらゆるのことにあてはまる。

道を学ぶ人は、夕方には朝があるだろうと思い、朝には夕方があるだろうと思って、その時になってから身を入れてやればいいと心づもりをする。まして一瞬のあいだに、怠け心がある事を、どうして知れるだろう。いったい、ただ現在の一瞬において、やるべきことを直ちにする事の大変難しいことよ。

徒然草現代語訳つき朗読 より引用


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56 鞍目 初落馬

2017年11月9日(木) 天気 晴れ&風

1年近く馬に乗ってきましたが,56鞍目にして初めて落馬しました。
IMG_7108

もっとも,見ていた指導員さんによれば,

「今のは,おれら(プロの馬乗り)からすれば『落ちた』じゃなくて『降りた』ですね(´・ω・`)」

とのことなので,正式な(?)落馬ではないのかもしれません。

でも,わたしの中では「あ~やっちゃった~(´Д⊂)」と思いながら落ちた感覚が強いので,「落馬」ってことにしようと思います。
ちなみに,ほぼ無傷でした。
大事に至らず本当によかったです。



正直,馬に乗っていたら,落ちることくらいあるだろうと思っていたし,もっと早い段階で簡単に落ちるんじゃないかとも考えていたので,今のこのタイミングでっていうのが,ちょっと意外な感じがした。
でも,障害飛越の練習も始まっていたので,リスクは高まっていたわけで,本当に,落ちる時って「落ちる」なんて思わないで,「あっ」って一瞬なんだなぁと思った。
そして,改めて,ほんのちょっとでも油断したらいけないんだと痛感した(>_<)。
油断したつもりは全然ないんだけど,こういうことは起こるのだ。

いつもの通り,駈歩の練習。
このお馬さんでの駈歩は初めて.。゚+.(・∀・)゚+.゚
発進はほぼOK。
手綱が長くなってしまうのは間違い。
速歩のときよりも駈歩のときのほうが短くなるのが正しいのだそうだ。

そして軽速歩で横木通過,クロスバー通過ときて,垂直障害通過。
いつものようにバランスを取る練習。きれいに跳べるように。
こればっかりはもう身体の感覚なので,言葉や理論で説明しづらい。練習あるのみ。

垂直障害のバーの高さが前よりも高くされた。
「今何センチくらいなんだろう。80㎝届いたかな」なんて思いながら,1回目,何とか跳んだ。
そのまま馬場を一周して,2回目,よし,今回も……

跳ん……だ……?

通過直後,

あれ? 身体に大きな力が加わり,上半身がぐらりと傾いている。足が宙に浮いている?

「身体起こして!」という指導員さんの声が聞こえたものの,鐙が外れているので踏ん張りどころがなく,心の中で「いや無理!」と叫ぶ。(鐙なくても腹筋などで戻すことは可能なのだろうか?)

上半身が右下に傾いて,左足はもう本来の位置から外れて鞍の上のほうに来ている。

自分の目線が馬の頭よりも下になった時点で……

いいやもう降りよう!( ;゚д゚)

ここから体勢を立て直すのは不可能だと判断。

ひっかかってたほうの鐙外して,両脚で馬蹴って跳んで,


……たぶん,高さもそんなになかったし,両足で馬場に着地したんだと思うんですよ……。
でも勢いついてたので,そのまま軽く仰向く感じに馬場にゴローンとなって,インドアの馬場だったので,
馬場の壁に頭打ったΣ(´д`;)

衝撃と共にバキッっと壊れるような音がしたので,これ頭蓋骨の音だったら嫌だなと思ったものの,そこはさすがにヨーロッパの安全基準に準拠したとされるヘルメットがいい仕事をしてくれていて,犠牲になったのはヘルメットだった(でも外観に変化はなかった)。

ちょっとわたし大丈夫!?

後頭部の上のほうがズキズキしているけれど,意識はあるので身体を起こす。

視界には,逃走もせずに立ち尽くし,こちらを見ているお馬さんの顔。

ああ……このアングルから馬や馬場を見たことってなかったなぁ。新鮮。

とりあえず,身体のほかの部位に痛みはない。しびれや吐き気やめまいや,視覚に異常もない。頭の痛みだって,そんなに酷いものじゃない。

立ち上がると,指導員さんが「馬捕まえといてください!」と言って,馬場の中央からこちらに来るところだった。言われたとおりに,大人しく立ち尽くしているお馬さんの手綱を取り,びっくりさせちゃって悪かったなぁと首筋をなでなでしていた。

ヘルメットをしていたけれど,衝撃が強かったためか,後頭部の上のほうがズキズキする。
大丈夫なのかなぁ,これ。事故の怪我って後から出てくるって言うしなぁ。まあでも,子どもの頃頭ぶつけてもっと痛かったことあるし。首や背中に痛みはまったくないし,身体も問題なく動くから,脊椎とかは大丈夫なんだろうけど……。

指導員さん「ヘルメットあってよかったですね」
小夏「はい……」

指導員さんは背中の砂ぼこりをはらってくれた。

指導員さん「じゃあ,馬こっち連れてきてください。もう一回乗りましょう」

……(@_@;)!!?

え……え? 

わたしには結構な大事件だったのだけれど,経験豊富な指導員さんはわたしの無事を確信していたようで,対応は淡々としたものだった。

そして冒頭のセリフ。
「今のは『落ちた』じゃなくて『降りた』ですね」
う,うん……だって,わたし,現に「降りよう」と思って鐙外して跳んだ記憶があるもん……。(≡ω≡;)
でも,なんか……想像ではもっと大騒ぎになるんじゃないかとか思ってたんだけど。

叱責も,過度な心配も慰めもなく,ましてや褒められるようなこともなく,あっさりとこの出来事は通り過ぎていった。

う,馬乗りの世界って,ものすごい胆力が必要なんじゃないのかな,もしかして('A`;)

だけど身体動くし,精神的にも肉体的にも激しい苦痛はないので,その後普通に馬に乗り直した。
指導員さんは,やっぱり脚が後ろに流れてバランスが崩れ,鐙が外れてしまっていたのだと教えてくれた。そして正しい脚の位置を再度見直す。障害跳んで浮遊感や衝撃あっても,ここはキープ! 大事なのは,体勢!

軽速歩して馬場を回り,指導員さんはさすがに垂直障害の高さをひとつ下げたものの,もう一度通過するように指示してきた。
目の前で下げられると,心理的な抵抗が少し減るのね。「これなら大丈夫だ」って。
で,速歩でトンッとその障害を跳んで,時間もきていたので今日のレッスンは終わり。

後から考えてみても,指導員さんのこの対応は,正しかったように思う。
「馬から落ちた」「できなかった」でこの日のレッスンを終えていたら,たぶんわたしは次から障害を跳ぶのに強い抵抗感を覚えるようになっていたような気がするのだ。
身体が無事なのであれば,低くてもいいからもう一度跳ばせて,「できた」「大丈夫だった」という記憶を残して終わらせてくれる。
仕事が,プロだなぁと,しみじみ思った。

帰る道々,それでもずっと自分の身体を心配していたけれど,頭のズキズキした痛みも家に到着する頃にはほぼなくなっていた。触ると小さなたんこぶになっているのがわかったけれど,自分でもびっくりするくらい他に怪我はなかった。

初落馬に動揺していたけれど,よく考えてみたら今日,いつものお馬さんとは違うお馬さんで駈歩もできて,障害も跳べていた。他のお馬さんでもできるんだなって,思い返してちょっと嬉しくなった。

【今日の教訓】
・ヘルメットは大事



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62 鞍目 踏み切りの位置

2017年12月2日(土) 天気 晴れ

霜が降り,風も冷たい季節。
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こんな季節でも,2鞍乗った後は結構汗をかいている。
ジョギング並みの運動量。

2鞍目は,ちょっと難しいことに挑戦しました(*・ω・)ノ♪


☆*゚ ゜゚*☆*☆*゚【 馬場の挑戦 】゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆

今の課題は「後退」。これで2回目だけれど,ちょっと苦手 (ノд・。) グスン
コツをつかめばスイスイ行くのかもしれないけれど,現時点では力技で無理に引っ張ってしまうので,馬もわたしも苦しいことこの上ない。

現状では,

停止 → 手綱を引く(後退) → 手綱を戻してしまう(停止してしまう) → 手綱を引く(後退させきれない)

になってしまっているので,

停止 → 手綱を引く(後退) → 手綱を引く(後退) → 手綱を引く(後退) → ……

となるのが正しい。

一歩後退したことに安心して無意識に拳を戻してしまっているのだけれど,本当は,下げたい所まで拳を戻さず引き続ける必要があるのだ。
何だか後ろに転げ落ちそうで恐いような気もするんだけどね。
あるいは,引きすぎて馬が嫌がって暴れるんじゃないかって。
お馬さんは,こう……首を丸めるというか,引く感じで後退するので,拳をゆるめて顔を前に戻したところで後方に引かれると,すごく嫌な感じがするらしい。

理屈は……わかった!(☆゚∀゚)
次回試してみよう。
(後退の練習は下手にやるとお馬さんがイライラしてくるので,そう何回も続けてできないのです)


☆*゚ ゜゚*☆*☆*゚【 障害の挑戦 】゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆

これまで謎のヴェールに包まれていた「踏み切り」についての説明を聞く。.。゚+.(*゚∀゚) ゚+.゚

例えば,馬の一歩が1mだとしたら,障害の50cm手前で踏み切る(前肢が地面に着いて蹴る)のが理想なのだそうだ。そうすれば1mの一歩の中に自然なかたちで障害が入るから。

それが30~40cm手前で踏み切ると,障害までの距離が短いので,馬は上に飛び上がる感じで障害を跳ぶしかない。当然,馬も跳びづらいし,人間も乗りづらくなる。

逆に,60cm~70cm手前で踏み切ると,障害までの距離が長いので,馬はびゅーんと長く跳ばなきゃならない。これまた馬も跳びづらいし,人間も乗りづらい。

だから,馬の歩幅と障害までの距離を頭に入れて,ちょうどいい場所に誘導してやるのがいいのだそうだ。

【乗馬メモ】
理想の障害前の踏み切りの位置=馬の歩幅の半分の長さ

そっか!('▽'*)゚+.゚ ……いや,ちょっと待って……馬の歩幅が今何cmかって,乗ってる状態でどうわかればいいの?
伸ばしたり詰めたりして歩幅変わるのはわかるんだけど,もしかして,スタンダードな走り方してるときがどのくらいの長さかっていうのだけは,最初に測るか何かして把握しておく必要がある?
それとも,そんなに数字で把握する必要はなくて,もう,乗ってるときの勘でいいのかな。

馬上から地面を見た場合,1mがどれくらいで,10cmがどれくらいになるのかも,いまいちわからない。どうしよう……謎だらけだ,この世界。

「馬の肢の位置が今どこなのか考えてね」と指導員さんは言った。
走ってる状態の馬って,肢の位置変わってるんだけど,たぶん,踏み切るときの位置は,騎手の脚の「ちょっと前」くらい……なのかな? (← そろそろ大混乱)

言っていることは,すごくよくわかるし,聞いていて「そうだろうな~」と思う。
でも,これ,乗っている状態でやれと言われると,なかなか難しい。

とりあえず今日もやってみる。
目測の対象は蹄跡上の一本の横木。
何度か横木の中央に誘導する練習をしてから,右手前で駈歩して通過。

小夏(こんな感じかな?(=゚ω゚=;))

馬,ちょっと伸びながら横木を跳ぶ。

指導員さん「ああ,ちょっと遠かったねー」

小夏(遠かったのか(≡ω≡.)(←わかってない) じゃあ,次は,直前でもうちょっと伸ばして……)

これもう何回かやって微調整していくしかないのでは!?(´;ω;`)

感覚がつかめなさ過ぎて憔悴しかけているわたしに,指導員さんは笑いながら「最初からできてたら誰も苦労しないから」と言った。
う,うん……そうだよね。わたしまだこのクラブに来てから1年経ってないものね。
一朝一夕に身に付くわけない。長い目で見ていこう!(>_<)


□■□■□■□■□□■□■□■□■□


帰りに車を運転しながら,何だか最近,レッスン内容を難しく感じることが多くなってきたなぁと思った。

これまでは,「やってごらん」と言われたことは,やってみれば一応できた。
でも,今は「こうやるんだよ」と言われたことが,簡単にはできず,「え,どうやるの?」という感じになってしまう。

「壁」来た? ここが「壁」?(=゚ω゚=;)


ああ,たぶん,ここからだ,と,ちょっと疲れた頭で思った。

今日,障害を跳ぶときに,指導員さんが言っていた。
「これまでは『馬に跳んでもらっていた』。これからは『自分が跳ばせてやる』」

これまでとこれからでは,何かが変わるのだ。


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64 鞍目 砂まみれ

2017年12月17日(日) 天気 晴れ

今日は砂まみれになりました。('д` ;)
[画像:c41785c0-s.jpg]

最近は2鞍目に障害の練習が入ることが多いのですが,今日もやっぱり障害飛越の練習に入りました。(練習メニューは指導員さんが考えてくれるので,わたしはいつどんな内容の練習が来るのか事前にはわからないのです)

この重い黒馬くんには夏に散々泣かされたので,
まさかコイツで障害を跳ぶ日が来ようとは……( ;゚д゚)
なんて,感慨深いやら,若干の不安を感じるやら。

うん,でもね。
これで,わたしとペアを組んで障害を跳んだお馬さんは4頭。
何だかんだで,色んなお馬さんに乗って走って跳んでいる。
動かせるのは一頭だけじゃないかもって思えるのは嬉しい(*´∇`*)


重いお馬さんを走らせて,鞭使いながら速度調整。
まずは軽速歩で地上横木を通過。
横木の中央を通れるように誘導。
横木通過後もそのまま真っ直ぐ進めるように(壁沿いの蹄跡に寄りそうになるので)。

左手前の速歩でクロスバー通過。

わたしはどうも膝が開いて脚がパタパタしてしまうらしいので,鞍に沿わせてその部分を支えにしなさいと教えられた。

膝が開いちゃうのって何でだろう。
筋肉がないのか,構造上のくせなのか(´;ω;`)
わたしの場合,つま先ちょっと内向き気味くらいの気持ちでいいよ(>_<)
それから,かかともちゃんと踏み下げて,浮かないようにね。

【乗馬メモ】
障害を跳ぶときの注意点
①膝を閉じる(鞍に密着させる)
②脚(重心,踵)を下にする
③視線は前


「この3点を気を付けて」と指導員さんは言った。
注意点が3点に絞られたことで集中力が分散せず,気が楽になった。

クロスバーの後,ほぼ同じ高さの垂直障害を跳ぶ。
障害を跳んだ後にそのまま軽速歩を続けて馬場を一周し,もう一度跳ぶ。

何回か繰り返した後に, クロスバー → 垂直障害 の連続障害セットがやってくる。
馬に任せてしまって,何とかバランスを取りながら通過。

自分で「よくできた」とはとても言えないものの,できなくもない。
通過後にお馬さんを愛撫。よく跳んでくれたねー (* ´∀`)つ♪


そして駈歩!
駈歩で障害跳んだのいつ振り?
これも左手前で,まずはクロスバー。

でも速度の調整とか誘導が何か難しいような気がして,一度障害の直前で手綱を引いてピタ止まりしてしまった。
何となく「ごめんなさい」と謝り,再び跳ぶ体勢に向かったものの,馬上で自分の身体が小刻みに震えていることに気付いた。

あ,あれ? ……わたし,もしかして,障害跳ぶの恐い?

恐いよね。うん,認める。正直恐い。

思考を麻痺させていたのか,頭ではそこまで恐怖を感じていないような気がするのに,身体のほうに症状が出ていて,ちょっと変な感じがした。

大丈夫。落ち着いて。
落ち着いていけば,きっと動きもよくわかるから。

このお馬さんは駈歩を出しただけでは速度が足りないので鞭で加速する。
踏み切りのことは正直よくわからない。
速度足りないと跳びづらいだろうな,くらいの認識。

クロスバーを何度か跳ぶ。
調子を少し取り戻したところで垂直障害。
垂直障害も何度か跳ぶ。

ああ,できるようになってきたかな……

と,思ったところで,

唐突に前に投げ出される。

あ,やばい

馬の首につかまろうとしたものの,毛ですべって全然しがみつけず,そのまま馬場へ落下。
馬の肢がすぐそばを通過。

すぐに身体を起こして,馬場に座りこんだまま自分の状態をチェック。
馬は指導員さんがつかまえて戻ってきてくれた。

馬場の砂はやわらかいし,ヘルメットも被っているので,外傷で流血とか強打して失神とかそういうのはないのだけれど,一応地面と接触しているので10分くらい地味に頭が痛い。

あと,背中。背骨中央より右,肩甲骨の間あたりがちょっと痛い。

どちらもたいした痛みではなく,乗馬クラブを出る頃までには消えていた。

わたし,どう落ちたんだろう。痛みの部位からして背中のほうから落ちたのかな。
頭と背中にぼんやりした痛みがあるほかは無傷の無痛。

たいしたことなくてよかった……(´;ω;`)

指導員さんはわたしの無事を確認してから,踏み切りが遠かったがために馬の跳躍が伸び,人間(わたし)の動きが遅れて投げ出されたのだと教えてくれた。

【乗馬メモ】
・踏み切りが遠すぎると馬がめっちゃ跳んで落馬リスクが高まる。

脚,後ろに流れなければ,馬が伸びても動きについていけていたのかな。

そして今日の落馬で知ったこと。
【乗馬メモ】
・馬の首はすべるので,つかまってぶら下がるのには向かない。

ただ,首にしがみつこうとしたことで脚が下になり,頭から落ちることを阻止できたかもしれないので,つかまろうとすること自体は悪くないのかも。

【乗馬メモ】
・落馬するときは基本手綱を握って(注・場合による)。


手綱を持って落下すると,頭を打つのを防げることが多いのだそうだ。ただし,場合によっては手綱を放してすぐさま馬から離れたほうがいいのだとか。

そんな……いつ起こるかもわからない落馬で,どうしたほうがいいか考えるなんて,どんだけの判断力が必要とされるの(゚д゚;)

立ち上がれば全身砂まみれ。
耳と鼻と口もじゃりじゃり('A`;)
(※ポケットの中にも入りこんでいて家の中にも砂持ち込んだ)


ちなみにこの後,再び騎乗して,同じ障害跳びました。50㎝なのでこれ以上下げようもなく,高さも同じまま。一回跳んで,駈歩したままもう一回。さらにもう一回。そしてレッスンは終了。
……ちゃんと飛べた!。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン

指導員さんはケガを心配していて,それでも「めげずにまた頑張りましょうね」と言ってくれた。
落馬のショックで乗馬をやめる人もいると聞いたけれど,わたしは
(ここでやめたら「落ち損」じゃん(≡ω≡.))とか思ってしまった。
確かに落馬は恐いけれど。
続けて上達したら「今の自分があるのはあの時があるから」とか言えるけれど,やめてしまったらもう何にもならない。ただ落ちただけになってしまう。それは嫌だなぁと。



それでも,今日の落馬は,たぶん,自分で思っている以上にショックな出来事だったのだ。

わたしって才能ないんだなぁ……と,今更思い直すこともないほどの事実を噛み締めてしまった。

わたし,もっとセンスのある人だったらよかった(ノд・。)
天性の才能とかある人だったらよかった(´;ω;`)
1mくらいまでは「よし,じゃあ次これやってみよう♪」って感じでスイスイ進める人だったらよかった。
馬の急な動きにもついていけて,落馬なんかせずに。
それが,

たった50㎝でこの有様か……!!(`・д・´;) 

って,何か,自分で自分にがっかりしたというか……
ショックだった。

だって,今日の落馬,わたし落ちるなんて全然思ってなかった。
踏み切りが遠いことにも気づいていなかったし,ただいきなり「あ,やばい」という状況が目の前に来ていて,防ぎようがなかった。(逆に言えば,「降りよう」という判断ができる余裕があった分だけ,前回は体勢を立て直して戻れる可能性は高かったのかもしれない。)

どうすればよかったんだろう。こういうときはどうすればいいんだろう。どうすれば防げるんだろう。今後同じようなことにならないためにはどうすれば……と,帰ってから布団にもぐって眠りに落ちるまで,ずっと考えていた。


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66 鞍目 深呼吸

2017月12月24日(日) 天気 くもり

その昔,王や皇帝となる人が学ぶ「帝王学」には,乗馬が取り入れられていたのだそうです。
何故乗馬が取り入れられていたのか,何となくわかるような気がします。
IMG_7334

今日は馬をコントロールする前に,自分で自分をコントロールすることに一苦労。
自分の状態がよくないと,もう,馬に乗って馬の動きをどうこうしている場合じゃない。
「恐怖」との付き合い方,どうすればいいんだろう。

今日はただの駈歩の動きさえ,何故かちょっと恐い。
何となくコントロールしきれていないような気配が時折混ざる。
落ち着け,落ち着け。大丈夫。
このお馬さんにはもう何度も乗ってるじゃない。

1鞍目に常歩,軽速歩,速歩,駈歩と一通りやって,2鞍目に地上横木通過。
まずは軽速歩で。
横木通過したら障害来るだろうなーと何となく察する。
速歩からゆっくりできるといいな。
速歩の後は,駈歩で横木通過。
何度か駈歩で横木を通過した後,停止して振り返った。
指導員さんを見ると,横木をクロスに組んでいる。

え……まさか……(;・ω・)

指導員さん「じゃあ,これ(障害)駈歩で.。゚+.(・∀・)゚+.゚」

Σ(゚д゚;))))

え……ちょ……今日,最初から駈歩で跳ぶの? 軽速歩じゃなくて?

猛烈な心の抵抗に遭い,いつも「はい!」と即答して動くところ,すぐには動けず,停止した馬上で何度か障害飛越の随伴の姿勢の見直しなどをしてしまう。

こ,こんな感じだよね? やれるよね? いけるよね?

馬場中央にいる指導員さんは,どうも待ってくれそうもない。
わたしが恐怖を感じているなんて思ってもみない感じで,ニコニコしている。

常歩で蹄跡に馬を誘導し,深呼吸。
長く長く息を吐く。
可能なら深呼吸と同時に両手で印でも組んで精神統一したい気分だ。

深呼吸を終えたところで駈歩の発進。
駈歩で蹄跡を走りながらも,長く息を吐く。
脚を思い切り踏み下げる。
随伴の動きを頭の中でシュミレーション。

隅角過ぎた少し先にクロスバー。
脚下げる。
目線は前。
拳はたてがみに。
腰は浮かせるけど前のめりにはならない。

跳んだ!
よし! 体勢戻せ!

OK! できた!ヽ(TдT)ノ ゚+.゚

常歩に落とし,停止。

これ,あと2~3回繰り返した。
そのたびに深呼吸して,大きく息を吐きながら駈歩して,障害を跳んだ。

たしか,人は,息を吐くときに副交感神経が優位になりリラックスする……ような仕組みだったと思う。

とにかく,わたしは恐怖や不安でパニックになることを防ぐことが大事なのだ。
どんなときも,心を落ち着けること。

深呼吸して,細く長く息を吐いていくことは割と有効だったようで,冷静になるというか,周辺視野が広くなるというか,恐怖などの感情を排して馬の動きや自分の身体の状態を観察している不思議な集中状態に入る。

駈歩をしながら,「ああ,このスピードでここから落ちたら,たぶんこんな感じになるな。大丈夫だな」と冷静に考えたりしていた。

馬乗りってやっぱり,冷静さが大事だ。

脚踏み下げることは全力で頑張った。要(かなめ)はここだ。
わたし,たぶん,脚の踏み下げが全然足りてなかった。
本気で力入れて下げると,膝も開いたり浮いたりしないのね。
ごめんなさい,指導員さん……(´Д⊂) 
これまで散々「かかと下げろー!! (ノ`Д´)ノ」って言われてたのに,わたし本当の意味でちゃんと体得できてなかったから,あんなことになったんだ。

・視線
・姿勢
・脚(重心)


今日はパニックにならずにこの3点に取り組むことでいっぱいいっぱい。
できた回数を積み重ねて,「大丈夫なんだ」という記憶を追加していく。

恐くても「恐い」とは騒がなかったけれど,傍から見ている指導員さんも「どうも今日は様子がおかしい」と感じたのか,「どうしました?(´・ω・`)」と何回か聞かれた。
すみません……技術面の苦労というよりは心理面の苦労です。もうちょっとで克服する予定なので,長い目で見ていただけると助かります。

けれど,もはや,わたしは「ただ障害飛越の動きに慣れる」だけの練習をさせてもらえるような段階ではないらしく,今日のレッスンでは踏み切りの位置を考慮して歩度の調整をすることが要求された。
でも正直そこまで気が回らなかった! ヽ(TдT)ノ ごめんなさい!

障害はさらに増え,クロスバーの向こうに垂直障害。
間の距離は三完歩分。
クロスを跳んで,すぐに体勢を立て直し,「1,2,3…」で次の障害を跳ぶ。
本当はこの三歩の間にも,状況によって歩度の伸縮をしなきゃならないらしい。

たった三歩の間にね!(泣)
一個目の障害跳んだ時の状況を踏まえてね!
信じられないよね!?

今のわたしにはそんな余裕ない!(´;ω;`)

連続障害の練習を終え(ラストの回で二個目の障害速歩になってしまって撃沈),馬上で呆然としながら指導員さんの話をやや上の空な状態で聞いていたら,わたしのキャパオーバーな状態が目に見えたのか,指導員さんはふっと息をついて,障害を見ながら急にトーンを落として言った。

「まあ,でも,これだけできてれば,たいしたもんだ」

「最初こんなんできると思わなかったでしょ?」

わたしは頷きながら,か細い声で「思わなかった」と答えて,レッスンを終えた。
喜んでもいいような言葉だったけれど,わたしはどうしてか「コイツはここまでか……」とか「この程度が限界か?」とか思われたような気がしてしまって,ちょっと寂しい気持ちを味わった。
まだ! まだこれからだから! 見捨てないで!。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン みたいな気持ちになった。

洗い場で鞍を外したお馬さんにブラシをかけ,その後,しばらく外の馬場で上手な人たちが障害飛越をしている様子を眺めていた。

楽に跳んでるように見えるんだよね……(´・ω・`) 
彼らも,わたしとは違う段階の何かに挑戦しているんだろうか。
たまにはやっぱり怖かったりもするんだろうか。

とりあえず,今日,わたしは落馬せずに障害飛越の練習を終えることができた。
ささいなことだけれど,自分の中では大事な事実なのだ。
次はもう少し自信を持ってできるといいな。


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